第7話 家族の日常
日々の楽しみだったアクションゲームは当然得意で............無双、
「.....やるな」
「兄貴もその.....上手いよ」
30戦やって僕は無敗。兄貴は自爆、誤操作など初心者プレイをしていたので、少し可哀想になったが、手を抜く事はしなかった。
「僕はアクションゲームよりほのぼのゲーム方が得意だから今回は仕方ないかな」
「そうだね」
兄貴は悔しいのかコントローラーを握りしめていたので、これ以上何も言わなかった。
「今日はもう終わりますか?」
「そうだね。夕食の準備もあるから」
「分かった。僕はゲーム機を片付けるから兄貴は先にやってて」
「了解」
僕はゲーム機を部屋に、兄貴は夕食の準備をする為、一旦分かれた。
「ふぅ.....涼は手加減を知らないのかな」
私はずっと愛用キャラがボコボコにされる映像を見ていて、悲しくなった。ゲームを一緒にするのは好きだけど、操作が激しいゲームはやっぱり苦手かな。
「兄貴、手伝うよ」
「そうだな.......今日は焼き魚だから、焼いてくれる?」
「うん」
新婚生活に共同料理が鉄則だと思っている私からしたら、今が.......その予行演習だと日々切磋琢磨している。涼は素直に手伝ってくれているが、もう少し何か感じて欲しい。男装していても、
「兄貴?どうしたの」
「ん?」
「味噌床に落としてるよ」
「あ」
下を見ると白い床に茶色物がべっしょり付いていた。料理に考え事をしてはいけないと、改めて学習した。
「兄貴ってポンコツだね」
「涼もフライパンに集中しなよ」
「あ」
鮭が少し焦げていたのを、慌ててひっくり返す弟を見て、ポンコツは涼の方だと言いたくなった。他人に「ポンコツ」と言われたら少し不愉快だが、弟の笑顔コンボには抗えなかった。
「ある程度終わったら、お風呂行ってきな」
「そうするよ」
涼は鮭を皿に乗せてラップをかけ、風呂に行く準備をしに行った。本当は一緒に入りたいが、まだその時ではないので欲求を必死に抑えて洗い物を片付ける事にした。
ガチャ.......、
「ただいま伊月」
「おかえり父さん」
「涼は?」
「お風呂だよ」
「そうか、なら少し自室で少し用事を済まして涼が出たら私も行くよ」
「それが良いね」
リビングを出た父さんと入れ違いに涼がリビングに入ってきた。
「涼、父さん帰って来たから部屋に行ってお風呂入るように言ってきて」
「そうなんだ。分かった言ってくるよ」
弟の好きな所を聞かれたら、解答に困るが最初には素直な所が出てくるくらいには、私の大好き部分だったりする。
「ふぅ....お待たせ」
「父さん遅いよ」
「すまんな。長風呂しすぎた」
「涼も父さんもご飯の支度手伝って」
「「分かった」」
私の友達の話ではご飯の準備を主に母親が全てやるらしいが、私はそれを聞いて少し驚いた。私達家族は、全員が家族の事を考えているので、その様な事は起きない。涼は違う部分も考えて欲しいけど、
「「「いただきます」」」
「涼今日はどうだった」
「まぁ.....普通だったよ。父さんは?」
「去年と一緒で昼から体育館に保護者だけ呼ばれて説明会を聞いていたよ。それが終わってから会社に戻ったかな」
「ありがとう」
「二回目でも子供の事なら行かない理由がないからな」
「僕も父さんみたいな親になりたいな」
「そうか....なれるよ」
私の方を見てきた父さんの気持ちも当然理解している。父さんは私の気持ちを理解しているので、涼が良い父親になるなら私は当然........母親、
「「「ご馳走様でした」」」
父さんは自室に戻って、涼は明日から本格的に高校生活が始まるので、今日は早く寝るらしい。私は1人でテレビを見ていて、
「あぁ.....いつになるかな」
絶対に来る未来に高揚感が抑えられなかった私は........涼のエッチ、
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