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藤岡ホールディングスでの仕事のことも聞かれたけど、初日なのでまだ面接が始まっていない。

報告出来ることは限られていた。




「男、いるのかよ!?」




「それはいるよ。」




「人事部に!?

何で人事部に男がいるんだよ!?」




「うちの会社にだっているでしょ?」




小太郎君が酔っ払い始めて、いつも以上に変な絡みになってくる。




それに笑っていた時・・・




玄関の扉が開く音が聞こえた。




腕時計を見てみると、21時。




「・・・どっちだ?」




小太郎君がそう呟いた後、私の眼鏡をサッと取った・・・。




強度近視の私は、何も見えなくなってしまう。

目の前10センチくらいの近さでないと、文字も読めなくなる。




ぼやけた世界の中、小太郎君が立ち上がったのは分かった。

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