第十二章 ① 集結(食事会)
今日は凛花とノアの部屋が
黄金龍王トールと
1DK(ワンディーケー)の激セマ部屋に激レア龍神たちがズラリ、集結しているのだ。
コン太は思わず
集結した彼ら(龍神)は皆、当然ながら人間の姿に
黄金龍王トールは
例えるならば黄金龍王トールと
そして緋色龍神ミュウズは当然ながら! ブラボーのビューティフォー! である。
容姿端麗、スタイル抜群。明朗で裏表のない飾らない人柄だ。美人(美龍)のうえにサッパリとした気質で
さすがは親愛なる恋人ノアの『ママン』なのである。
それにしても凛花という龍使いはたいしたものだ。『食事会』と称して黄金龍王夫妻に富士の
されど赤煉瓦ベルの六畳程度の
いくらなんでもいささか無理がある。心なしか酸素が薄いように感じる。
ダイニングテーブルの上には凛花お手製料理がところ狭しと並べ置かれている。
ジャジャーンッ! 本日の
姿勢を正して両手を合わせて「いっただっきまーす!」からの「ごちそうさまでした!」まで、……わずか三十分。
あっという間に盛りだくさんのごちそうをワッシワッシと平らげた。
黄金龍王トールが穏やかに話しかける。
「凛花は少し頑張りすぎていないかい? 深夜から早朝にかけて『
凛花は笑顔で応える。
「わあ、トールパパに心配させてしまってすみません! だけどノアがいつも支えてくれているので大丈夫です! 大変だと感じたことさえ一度もありません」
「そうかい? くれぐれも無理をしてはいけないよ」
「ありがとうございます。本当に全然無理なんかしていません。大好きなノアとコン太のお陰で毎日が楽しくて幸せです」
「それならいいが……。凛花は龍神界にとって大切な家族だからね」
「はいっ」
ノアとミュウズはくすりと笑い合う。
「パパがこんなに人間に優しいなんて驚きね」
「本当に! 凛花だけは特別みたいね」
コン太はパンパン! と手を叩いて一同の注目を集める。そして得意げに語り出す。
「いやはや! 伝説の緋色龍神が永い眠りから目覚めてさ!
興奮気味に状況説明をした。
「わあっ、いいなあ! その景色見たかったなあ」
凛花は絶佳たる風景を想像して
ミュウズは
「黄金龍王トールから『そろそろ目覚めよ』って波動メッセージが送られてきたの。
コン太と
「確かに寝過ぎだねえ!」
「それにしてもクールな性格のノアが龍使いの人間と深い信頼関係にあることを知って驚いたわ。だけどそれ以上に嬉しかったの。
だから余計に……。凛花の幼少期の影像を
ミュウズはウインクして茶目っ気たっぷりに微笑んだ。そうして凛花の
凛花は嬉しくて
また大切な家族が増えた! コン太から緋色龍神ミュウズはクレオパトラもビックリ
そっと包み込む柔らかな優しさはノアとおんなじだ。一瞬で大好きになった。
ミュウズが凛花の耳元に囁く。
「ねえ、凛花。娘と仲良くしてくれてありがとう。少しは役に立てているのかしら? ノアは気が強いから同居していると大変でしょう? それに、ずっと一緒に居ると気を
凛花は目を見開いた。
「ええっ? そんなこと、考えたこともなかった」
ノアは頬を
「もうっ、ママったら! いつまでも子供扱いしないでよ! 掃除だって洗濯だって分担しているんだから! ……料理は凛花が得意だから
凛花は笑う。
「ふふ。ノアは家事全般なんでも得意ですよ! それに財団運営をしながら
ノアは得意げだ。
「ほらっ、聞いた? 凛花もそう言っているでしょう? ママは心配しすぎなのよ」
凛花は改まって告げる。
「だけど本音を言えば。……家事とか生活費とか、そんなのはどうだっていい。
私にとって何より重要なのはノアの存在そのものです。ノアはいつだって
ミュウズとノアは思いがけず胸がいっぱいになってしまった。
「トールパパ! ミュウズママ! ノアをこの世に誕生させてくれてありがとう! 私はノアと出会えて。龍神界の家族に迎えていただけて。本当に幸せです! ありがとうございます!」
トールとミュウズは目頭が熱くなって涙ぐんだ。
「いや、凛花……。こちらこそありがとう。……ありがとう!」
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