推し

 O氏と再会したのと同じころ、それより前にLINEを交換してやりとりが途切れていた人から急にLINEが来た。私は三度の飯よりマッチョが好きなので(二度目)、載っていた写真がムキムキじゃん!という理由でやりとりを始めたが、引っ越しのバタバタの中でだんだんめんどくさくなって放置していた人だった。ちょうどK氏からの連絡の頻度が減り新規を探していたタイミングだったし、仕事終わりに会うことにした。いつもは年上の人ばかりで同い年と会うのは初めてだった。


 実物は想像してた以上にでっけえ!(筋肉のことです)そして顔がいい!!!!(いつもの塩顔タレ目)セックスもいい!!!!!もっと早く会っとけばよかった、と思うくらいにはあまりにもすべてがタイプだった。あたしの性癖欲張りセットかと思ったくらい。色白で童顔なわりにガタイがバキバキというギャップもよかったし、いつもいい匂いがしていたし、内心推しと呼ぶことにした。そして根がオタクだったので漫画やアニメの話で盛り上がったりもした。

 会うのは週1あるかないかで、会うたび顔がいい~~~!!!!と言っては困らせ、なんでこんな人があたしのベッドにいるんだ???夢か????と思うこともよくあった。今でも何で会ってくれてたのか分からん。


 一般人を推しと呼ぶキモさは自覚しています言われなくても!!!ただそうやって距離を取らないとガチ恋になって沼ってしまう予感というか確信があったので、頑張って距離を保ったまま会えるようにしてたんです!!!

 好きになっちゃいけないと思っているってことは、裏を返せばもう好きになってしまっているってことで。で好意を隠すのはなかなかにしんどいなとうすうす気づき始めてはいたから、自分が好意を我慢せず表現できるのが推しという形だったんだろうなと思う。


 そんなこんなで半年ほど関係が続いていたが、前述のとおり年明けに性病にかかってしまったので推しからの誘いを断るということが2回ほど続いた。それもある意味、お別れする一つのきっかけになっていたかもしれない。

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