第二章 幸運のはじまり

第1話 輪廻転生

 俺は【ウォード】、ラグーン王国の中でも最果ての場所にある【イナモンナ村】の農家に生まれた五男坊だ。


 今日は教会でスキル確認の儀式を受ける。父ちゃんは農作業で忙しい為、母ちゃんと2人で教会で儀式を受けに来た。


「ウォードにも仕事に役立つスキルがあると良いけどねぇ~。」

「役立つってどんなの?」

「〚土魔法〛〚水魔法〛があれば最高だねぇ~。」

「そんなの持ってたら農家しないだろ(笑)」

「確かにねぇ~、あんた五男だから家を出るんだろうから、ハンター向きのスキルが良いかもねぇ~。」

「そんな上手く行くわけねぇ~よ(笑)」


 そんな話しをしてると俺の順番がやって来た。


「ウォード、居るか?」

「はいはい!」


 神父の爺ちゃんの前で頭を下げて確認して貰う。


「ふむ、確認したぞ。〚幸運〛これだけだな。」

「えっ…それだけ?」

「ふむ、これだけだ(笑)」


 教会中を笑い声が響いた。

 笑い声が響く中、俺の頭に何かがよぎった。


『もし、輪廻転生があるのならば贅沢は言いません。俺に〚幸運〛を授けて下さい。』


 なんだこれは?

 なんて思ってると色々な記憶が俺の頭に流れ込んで来たのだった。

 あれ、今のは俺の前世の記憶なのか? 【ウォード.レーカー】で男爵の息子だったけど平民落ちした? 義理の母ちゃんが好きになって、結婚しようと思ったら魔物に殺されてるよ……、どんだけ運が悪かったんだよ!


 それで、次の人生では〚幸運〛が欲しいと祈ったら、その願いは叶って〚幸運〛は手にしたのな。しかし……〚幸運〛があるなら他のスキルも貰えるんじゃないのかよ。そこは前世の不運が働いたから〚幸運〛だけになったのか?


 そんな訳で、前世のウォードの記憶を持って生まれ変わったウォードは〚幸運〛の【天賦スキル】のみで新たな人生を送る事になった。


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 いつも【俺のスキルは〚幸運〛だけ…運が良ければ世の中なんとか成るもんだ(笑)】を読んで頂きありがとうございます。


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