応援コメント

7-2」への応援コメント

  •  とうとう、最後まで来ました。
     読んでいて、辛い部分も多くありましたが、とても考える事が多い内容で、結末は意外でした。
     きっと救いはあるだろうと思っていましたが、八分という所で考えると、それはそのまま世界の縮図でもありますし、変えようのない世界の真実でもあります。
     私は、私なりにもし自分が8指定されたら、どうするだろうか、とシミュレーションをしていました。
     8の地区に住み、同じ境遇の人間と語らい、恐らくは抵抗組織を作ったと思います。
     そして出来た抵抗組織は、やがて地下世界で武器の密造と密輸を繰り返し、やがては暴力闘争へと発展するでしょう。
     貧者の兵器としてダーティーボムがあるように、貧者の戦術として、人質作戦があったりと、それは表面上、きっと残酷な方法に見えるかもしれません。
     しかし、それは8を差別する人から見た残虐性であり、8からすれば、人類の存在は全て残虐性そのものです。
     そんな8以外の人たちに、残虐な現実を突きつけようと、8はあらゆる抵抗をするでしょう。
     そして、人間は8を恐れ、忌み嫌い、塀を作って閉じ込めるのです。
     自分たちで作った塀の中に、まるで悪魔が居るとでも言いたいように、人間は8の地区を蹂躙し始めます。
     その8の居住区を「ガザ」と名付けても、私は何も疑問には思わないでしょう。
     8は現実に存在するのですから。
     この物語の8は、概念として自分が8である事実を受け入れていながら、8の中に9を作って差別してしまいます。
     アメリカで黒人が、黒人であるというだけで生きたまま焼かれ、吊るされた歴史があるにも関わらず、黒人は黄色人種を見ると差別し暴力するのです。
     日本は本当に平和だと思います。
     一歩外の世界に出てしまえば、8はフィクションでもなんでもない、という事に、誰も気が付かない。
     それ故に、この物語は、読んでいて辛くなる場面が多くありました。
     辛い・・・それは語弊かもしれません、日本と世界との齟齬自体が、一番辛かったのかもしれません。
     願わくは、物語の日本と違い、現実の日本には末永い繁栄があればと思います。

    作者からの返信

    最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
    また、レビューもありがとうございます。

    抵抗組織は実に独立国家の作り方さんらしい発想ですね。

    この作品における8は抜け道がありません。チップが埋め込まれすべて監視されています。逃げられず、やることがすべてばれ、抵抗が非常に難しい環境下に置かれています。
    そして8の代わりというわけではないですが、同じように差別され代わりに抵抗したのがこの作品における旧時代のアンドロイドです。猛毒兵器使ってます(笑)

    そして現実問題でも八分にされている人はたくさんいます。今でも仲間外れにされている子はいるでしょう。そのリアルを書きたくて、8ーエイトーという作品が生まれました。

    一人でも減ることを願い、私も現実の日本に繁栄があることを願います。

    辛い描写も耐えて頂き、誠にありがとうございました。