松美家琉泉という女性には死が存在せず、故に生きるという行為そのものが彼女にとっては道楽なのかもしれない。食べたいものを食べたいときに食べ、知りたいことを知りたいように解き明かす。自由であれど奔放でなく、食という文化そのものに対してこの上なく誠実である。そんな彼女の姿が魅力的で、読んでいて楽しく、また食事の描写が丁寧なのでお腹がすいてきます。おいしいんだろうなあ、タルト。