第46話 神様、動く
『『『ええええええええっ!?』』』
『『ふふふふふ』』
白騎士たちの驚きの声が響き渡る
『な、なぜ、そのようなことに?』
『な、なぜ、そんなに落ち着いているのです!?』
『や、やはり私たちは戻らねばっ』
途端に慌て始める白騎士たち。まあ、そうなるよね
『大丈夫。落ち着きなよ』
『言ったろ?あんた達の大切な人達はきっと大丈夫だよ。加護増し増しだからね』
『むしろ、今行っても邪魔になるかも。かなり溜まってたからね~キレまくってると思うよ』ずずっ
『そうそう。神が一緒だし、多少は押さえて・・・くれるかねぇ?』
『・・・大丈夫じゃないかな?』
『それは、安心していいのかわかりませんよ』じとー
『『はい』』じとー
『『あ、あははは』』
『ま、まあ、悪いようにはならないよ。君たちにはね』
『問題はアイツらさ。この森じゃ間違いなく暮らせないからね』
『良くてこの森から追放。悪くて』
『『消滅』』
『『『消滅・・・っ!』』』ヒュッ
あまりにも突然に起こった変化と、これから起こるかもしれないことに息を飲む白騎士たち
さて、どうなるか・・・
そして、エルフの城があった場所では・・・
『儂の、儂の城が・・・っ』ぶるぶる
『やれやれ。城の心配してる場合かしらね?何故ここに神がいるのか不思議に思わないのかしら?ねぇ?創世の神』
『え?⋯あ』
やっと気づいたのかしらね
〖本当だね。信仰心も無い。正義もない。常識もない。そして今は加護も魔力もない・・・あるのは悪意のみ〗カツカツ・・・
『あ、あ・・・く、来るな、来るなぁ!』ジャキッ
『父上っおやめ下さい!』
『うるさいっ!』ガチャガチャ
〖とうとう剣まで抜いたか・・・〗はぁ・・・
神に剣を向ける愚か者、しかも、その剣は恐怖の為か揺れて、カチャカチャと鳴っている
〖その剣で私に切りつければどうなるか分からぬほどバカなのか・・・バカはお前だけでは無いが。今、こちらに向かって弓や槍を構えてる者ども、気づかないとでも思っているのか?それに・・・〗
ピシャーンッ!
『ギャアアッ』
〖この期に乗じて幼子を手にかけようとは、どれだけ腐っているのか〗
『『『きゃあああっ』』』
『見ちゃダメよ!』ぎゅうっ
『このっ』ドガッ!
この中で唯一、父親を諌めようとしていた男の家族を卑怯にも背後から襲おうとした者に、神の雷が落ちた。子供たちに倒れこもうとしたソレを、父親が蹴り飛ばし、子供たち視界から遠ざけた。
『こいつは義母上の・・・神よ。申し訳ございません。子供たちや妻を助けて頂き感謝いたします』スッ・・・
『あ、ありがとうございます』
『『『・・・っあ、ありがとうございます』』』ぺこっ
〖いいよ。ごめんね。怖い思いをさせて。君たちは大丈夫だからもう少し頑張れるかい?〗にっこり
『『『・・・う、うん!』』』かああっ
〖いい子たちだ〗なでなで
神が子どもたちの側まで来て、しゃがんで頭を撫でると、子供たちは頬を赤らめて元気に返事をした。
そして、神は子どもを抱きしめて守る母親に耳打ちする
こそ
〖安心して。あなた方は大丈夫。神樹の加護があるからね。でも・・・〗ほわん
〖この中に入れば安心だからね〗
子どもたちと母親を包むように結界を張る
『あ、ありがとうございますっ』うる
〖うん〗ぽん
肩に手を置いて安心させてから、父親に伝える
〖君も子供たちの元へ。大丈夫だよ。君が願うように平和にとはいかなくて申し訳ないが、神として許してはいけないところまで来ているんだ〗
『は、はい。私の力が至らないばかりに、申し訳ございません』
〖セイジュウロウや神樹の精から君たちが頑張っていた事は聞いてるよ。ここは任せてくれるかな〗
『はい。よろしくお願いいたします』
〖うん〗ぽんぽん
これから起こることを予想し、涙をこらえ頭を下げる父親の子どもたちの所へ向かわせて、神は再び元凶に向き合う。決着をつけるために・・・
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