第74話 新宇宙嵐モンズ星の王・バル
僕らは広い会議室に入った。以前会議した部屋だ。ほんのわずかな時間、地球を離れ異空間の古代宇宙嵐モンズ星にいってた間に何が起きたんだ?
席に着くわずかな時間で、ポップは古代宇宙嵐で起きたことをケブン達3人に説明していた。地球人のワカ達、月人ルナが残ったこと。ルナの生命体としての時間が少ないことを話した。ケブンは、天を見上げ、「ルナとはこのベルシアで共にいた。
そうか。ルナはジル殿の世界に残られたか。姉妹アンにとっては寂しいことだが、残りの時間をルナが、穏やかに過ごせるならそれが良かったかもしれない。それに今のこの世界は危険すぎるからな。」ポップは3人に話し終えて席に着いた。
以前の会議とは違い、みんなに張り詰めた緊張感がある。ミリ、アビビははじめての戦闘会議に固まっている。それは当たり前だ。地球で言うと中学生14,5才だ。アビビはピッタリとタクについている。ミリはケル星最強の戦闘姫のクレアにつき、真剣に一人前として参加しているようだ。多種星、年齢層もバラバラだがここにいるのは僕の直属、信頼できる仲間だ。僕は彼らの上に立つ。
全宇宙の支配者、バルだ。
僕のカラダの中から決意とともに凄まじいエネルギーが放出されているのがわかる。宇宙嵐モンズ星の現国王の巨大な力が僕からダダもれしている。僕はもう、ただの高校生ではない。自覚が自分自身を変えていく。弱き生命体は僕に近づけない。電磁波エネルギーで瞬時消滅してしまう。そのくらい今の僕のエネルギー量は大きい。自分でもわかるが、あえてみんなに隠すこともない。たががはずれた。とても自由だ。きっと今までは、ジルが僕に矯正ギブスのように電磁波がもれないようにジルの電磁波の結界で僕を覆い隠していた気がする。
まあ、まわりの生命体には悪いが今が本当の自分でいられる。
「バル、はじめてください。」進行、書記のポップがうながす。
「悪い、少し考え事をしてしまった。ケブン、報告を頼む。」
「はい。バル様たちが地球を離れられたあと、すぐに敵がこの地球にせめて来ました。」
「敵は誰だ?まさか弟のラコーニなのか?」
「いいえ、違います。ラコーニさんはキャプテンKとともにギラル星で堅実に、この全宇宙の調和、監視をされています。たぶん、バル様の手助けになればだと行っていられるようです。」
「そうか。では誰だ。敵の正体は。」
「ブラックホールの奥の裏側にエンドというエリアがあります。そこエンドには強力な磁場が存在。重力も計測不能。生身のカラダで入ると一瞬にして押しつぶされ消滅します。しかしそのエンドに生命体の出入りができるゲートが突如現れました。当初、そこには時空の乗り継ぎに失敗したもの、時空の迷子、または自らは入植していったもの。急成長したエンドは正直ならず者の集まりで一見野蛮な星に見えましたが、ある時を境に全宇宙でもトップクラスの科学者たちが集まる星になったようです。実際行ったことがないため断言はできませんが、かなりのハイレベルの科学力が集まっているようです。彼らはジル様の力には到底及びませんが、この全宇宙の支配をもくろんでいるようです。」
「ケブン、そのあるときとは?」
「はい。バル様たちがジル様の時空に行かれている間に。地球。月、ケル星、ギラル星、そして浮遊するこちらの世界の宇宙嵐モンズ星が一直線になったんです。」
「いわゆる惑星直列です。宇宙嵐モンズ星はとどまらない星です。それがたまたま。その直後から異変がはじまりました。」
「そうか。惑星直列はこの宇宙では力がゼロになることを意味する。強力な磁場を各星は持っている。単純に言えば地球のプラスとマイナスが同じ方向に力が向く。
ゼロの力が発動する。たぶん、敵は、ジルの存在がゼロ以降にこちらではなくなることを見越して発動したのだろう。」
ミリが「バル様、難しいです。敵とジルのこと簡単に教えてください。」
子供には優しい僕は「そうだな、難しかったな。簡単に言うとジルは惑星直列が起きるとゼロの世界が発動することを事前に知っていた。その前に後継者の僕を探し見つけた。たぶん、ゼロ以降ジルの力がこちらの時空の宇宙で無効になることが分かっていたからだ。そして敵はそのゼロに合わせブラックホールのエンドのゲートをひらいた。敵もかなり前から準備していたようだ。あとは今に至る。どう?分かったかな?」
「はい。ありがとうございます。」
ギルが「じゃ、早くエンドに行って地球をもとに戻そうぜ。」
ゼリが「計画なしでは倒せない。下手すると科学力ではバル様が負けるほどのAI技術力だ。みんなも地球を見て来ただろう。」
ケルが「一度、ケル星より監視のため彗星を飛ばしましたが、ケル星人の記憶は抜かれ、逆にチップを埋め込まれて帰還したケル星人はケル星のスパイをさせられていました。恐ろしい科学力を有していることは間違いないです。
エンドにある星の名はアボレイ。王の名はD。彼は機械人間です。」
「Dか、機械ね。僕がいない間に地球を宇宙を好き勝手改造されて、これから僕がDをこわします。みなさん力を貸してください。」
「はい。WOO---!」みんなの声が響く。
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