第72話  バルはじまりの第二章

はじまりのはじまりの地、地球の入口に立った。僕は振り返らず入口を封印した。

ここは?タクの裏山のはずだが、景色が違う。

確かここに来たのは夜だったが、

「なんだこの景色は!」タクが叫ぶ。目の前には高い高層ビルの数々。タクの家もない。

カブトムシがいたクヌギの木さえ1本もない。

無機質な建物がずらり。

「山はどこへいったんだ!」アビビがタクのシャツをつかむ。

ここは?全く別の景色、別の星にいるようだ。

ギルも「なんだここは?」

他のみんなもあっけに取られている。

僕は頭上を見た。かろうじて太陽はあるようだ。

僕らが古代宇宙嵐モンズ星に行っている間に何かが起きたんだ。

別れ際のジルの話じゃ、元の時間、時空時間に合わせたと言っていたが。ばかネズミめ、ミスしたな。

「まあいい、さて。」僕は手を地面につけた。

クレアが「バル、何をしてるの?」

「こうやって手のひらを地面につけると、ここを僕らが通ってからの映像と時間がわかるんだ。バルの脳内に太陽と月がぐるぐる何度も周る。山が消え、かなりの人数の生命体が別次元から飛来している。「えっ、誰だ?時間も

何で千年も経っているんだ。」

僕は脳内の映像を外へ投影させた。

「みんな見てくれ。」

ギルが「これじゃ、もうここは地球じゃなくなってる。夏休みが終わったら、地球の高校生活楽しみにしていたのに。それに女子達と一緒に今度はクレープ食べに行く約束したのに。

誰だ、邪魔をしたのは。」

僕は映像を消した。みんなも大体の状況を把握したようだ。「地球を乗っ取ったのは誰!」

ミリの怒りが爆発。ケンタに会えるって帰ってきたのに。ケンタが消えてる。時間も千年も経っている。ケンターーえ〜ん。」ミリが泣きだした。アンがなだめる。

ポップも地球の生態系も植物も変化しているようだ。

「バル、どうするんだ。」ポップが地面の草を握りしめる。

「みんな、確かに別次元からの生命体が飛来して、侵入している。そして今現在、地球をそいつらに乗っ取られている。取り戻すぞ。みんな力を貸してくれ。」

「当たり前だ。」「ありがとうギル。」

「私もやるわよ。」「私も微かだけど月人の電磁波を感じるの。助けたい。」

「そうだな。でも今は闇雲に行っても敵に捕まるだけだ。アン、悪い今は我慢してくれ。」

「バル、私は大丈夫よ。」

ポップが「バル、さっきの映像の顔に覚えはないのか?」

「いや、ない。ギラル星の僕の弟ラコーニでもない。

前にジルが話していた別次元のブラックホールの存在。ジルも把握していない、いや正直、かなり強力の磁場で覆われ星のため関与できないとほっていた星がある。強力な磁場のせいでケル星からの彗星も到達できないと言ってた。

あのばかネズミジル、お前が造った全宇宙ならちゃんと把握管理しろ。」

「クシャン。」ジルがくしゃみ。

エルダが「風邪か?」

「いや、たぶんバルが俺様の悪口でも言っているんだろう。」

「そうなのか?あー、あいつバルが、考えていることは、俺様の脳内ですべて受信できる。悪口も言っているが、なかなかやっかいな敵が現れたようだ。」

「ジル、戻ったほうが?」

「まだ大丈夫だ。それにここには残ってくれているバルの友人達がいる。今しばらくこのままでいいだろう。」

僕は僕の脳内とジルがつながっているとは知らず。「ばかネズミ。」を連呼していた。

アンが「バル、ベルシア島にいるゼリさん、ケブンはどうしているの?電磁波で何かわからない?」

僕は地球上の敵の電磁波とは全く違う電磁波でケブンに接触を試みる。

反応がない。その代わりにすぐさまメッセージが脳内に転送される。

僕はメッセージをみんなと共有した。

“バル、メッセージを読んだら、すぐにベルシア島に来てくれ。移動は負担がかかるが瞬間時空空間で来てくれ。ベルシアは地球上にはない。宇宙空間座標78W34Nに移動している。

くれぐれも敵に見つからないように。」

アンが「やっぱり何かが起こったのね。月人を助けたい。」

僕は「アン、今は無理だ。とりあえずベルシアへ行こう。みんないいかい?」

「うん。」僕らは瞬間時空空間移動した。

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