第70話 古代モンズ星の不思議2
僕は振り返り「おーい、僕も仲間に入れてくれー!」ニコニコ顔の花や木のふざけた景色の中みんなが無邪気に笑っている。今の今は何の不安もない。僕はみんなの元へ走る。「ジル、僕は行くよ。」
ジルが「あーあ、わかった。」そのままジルはその場にとどまった。スーッと横にジルのコピーのエルダが「ジル、あれでよかったのか?」
「あー、そうだな。このまま、この時の中にバルを引き留めて覚悟させようと思ったが、俺様の消滅までにはもう少し時間がある。今はしばらくは、バルの意志を優先し、この宇宙に自由に解き放たとう。」
エルダが「そうだな。我々の時間は残り少ないが地球時間の単位の千年、二千年は軽くある。それにバルの時間過程を見てみたいしな。バルは、戦闘のケル星人より辺境の地、安全の星、悪く言えば平和ボケの地球人の気質に近いようだ。」
「そうだなエルダ、宇宙最強、宇宙嵐モンズ星人の気質がまだ覚醒していないようだしな。」
「ジル、今更だが星の名前、宇宙嵐モンズ星はどうしてつけたんだ。」
「ネーミングか?エルダ、ずっと一緒に俺様のコピーとしていたのに、それさえも知らなかったのか?」
「まあーな、特に名前など気にしたことがなかったしな。」
ジルが腕組みをして「この宇宙は俺様が造った。そのあと退屈でお前、エルダを俺様のコピーを造った。そのあと暗い空間の中に星を造っていった。水なし星。土質の星。緑豊かな星。巨大な星。 鉄のみの星。俺様の手のひらに息を吹きかけると丸いシャボン玉ができる後はイメージで氷の星を脳内で描く、するとそのシャボン玉のような玉は球となり氷の星ができる。俺様の星から遠ざかっていくほどに大きくなり扇状に暗い宇宙空間は広がり続ける。あとは俺様が勝手に名前を付けて、後は、ほったらかしだ。やがて球体は星となり、勝手に生命体ができ後は勝手に進化、発展して行く。」
「そうだったんだな。俺様はジルのコピーだから星を造ることはできない。ただ、お前が当初、シャボン玉を造って遊んでいたんだなーぐらいの記憶しかない。」
「まあー、エルダ、お前は所詮、俺様のコピーだからな。しかし・・・」
「なんだ、ジル。いや、今はいい。なにもない。」
「そっかー。」エルダは特に気にしていなかったが
僕の脳内にジルの思考が流れて来た。「エルダ、お前はコピーではない。俺様の唯一無二の初めての友だ。永遠にな。」
僕の脳内に流れ込んできた言葉は、今、リアルタイムでジルがジルの脳内の深いところで感じた言葉だ。たぶん、僕だけが共有できる。もしかしたら、この共有はジルさえ気づいていないかもしれない。まあ、いい。ここはジルのはじまりの星、古代モンズ星なのだから、ジルはエルダと今しばらく話していそうだ。僕はこの楽しい風景の中、仲間たちと楽しむことにしよう。「ギル、あのニコニコの木まで競争だ!」
「おう、負けないぞ。」タク、ハルト、アビビも「僕も」「俺もまけないぞ。」
男子はみんな走り出した。クレアも参戦。「ケル星、最強戦士の姫の名において私が一番よー!。」走り出した。熱い風が流れた。
女子はお花畑に座りミリが「ポップ先生は、走らないんですか?」
ポップは涼しい顔で「僕は学者なので走るのは、いいかな。」
「そうですか。じゃ、私、体力あるんで走ってきます。」
「そうですか。では参戦してください。応援していますよ。」「はい。」
そして、僕の耳に走りながら風に乗り、微かにジルとエルダの話が、
ジルが「エルダ、今、話したように全宇宙の星の名前は俺様が勝手に決めた。しかし、この星、俺様の星の名は自分では、決めていない。」
「ジル、じゃあ、誰が決めたんだ?」
「この全宇宙の星の生命体たちが勝手にそう呼んでいた。”嵐のごと瞬時に現れて嵐のごと星を消滅さる。そして嵐のごと去って行く。冷血非道の宇宙嵐。宇宙嵐モンズ星”だから俺様が決めた名前じゃないんだ。」
「そうだったのか。しかし、ひどい話だな、この宇宙を造ったのはお前ジルだろう。お前はこの宇宙バランスを保つために宇宙全体をケル星の彗星やケブン達のようにケル星人を色んな星に監視役で送り込んでいる。それもこの宇宙のためだが。その大きな目的は知らされず、宇宙のたくさんの星人達は自分たちの星の消滅ばかりクローズアップする。勝手でこわいな。」
「そうだ、自分が造った宇宙だが、手を離れるとその生命体達は自分自身で思考し、自分に都合の良い最善考えを造り出し、思い込む。いわゆる”進化だ。”そうするようにプログラム造ったのは俺様だ。まあ、自業自得だが、俺様が管理できる間はこのままケル星の彗星を使い続ける。冷血非道の宇宙嵐と言われようとも無駄な星、自滅を歩む星は、必ず冷血非道の宇宙嵐、俺様が”淘汰する。”」
「ズキン」走りながら、激しい痛みとともに”必ず冷血非道の宇宙嵐、俺様が”淘汰する。”ジルの声が脳内に響く。ジルの覚悟の声だ。そして”バル、お前にこの覚悟はあるか?”脳内で問われた。
みんなとの競争の中、僕は立ち止まる。脳内でジルに答える。”あるぞ。”
そして「WOOOー!」僕はみんなが驚くほど、地響きがするくらい叫んだ。
そして「みんな、帰るぞ。」
みんなも僕に負けずと「WOOOー!」叫んだ。
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