第69話 古代モンズ星の不思議
目を開けるとジルがいた。
「どうだったかなバル。シュチュエーションが違う世界は楽しかったかな?」
どうだー!と上から目線のジル。
「悔しくいがジル、楽しかったよ。ワカがお母さん。僕もワカが本当のお母さんなら、きっと平凡だけど穏やかで幸せなんだろうなっと思った。それにハルトがお父さんなのは驚いたけど、たぶんワカをそっと影で支えて、ワカにとっても理想の結婚相手だと思う。それにハルトがワカのことずっと好きだったことを僕はよく知っている。」
ジルが「なんだバル、お前は他人に感心がないと思っていたが、ちゃんと見ていたんだな。」
「当たり前じゃないか。2人とも地球に着陸してから、地球人となった僕の、小さい頃からの幼なじみだ。2人のことは大好きだからずっと見て来たのさ。」
「そうか。バル、大人になったな。それじゃあ、地球に到着前の記憶、ケル星はどうだった?記憶はしっかり残っているのか?」
「ジル、もちろん記憶をすべて持っている。どの時空の、どの星の僕でも僕は僕。記憶はすべて持っている。」
「へえーバル、お前は、やはりすごいな。宇宙最強はじまりの星、宇宙嵐モンズ星の次期王にふさわしいな。それでバル、ケル星人のギルの世界はどうだった?
ファミリーのワカ達の世界とは違い、青春ものだったけど。しかし、たまにみる男の嫉妬、試合中のギルの嫉妬は良くないな。しかし、正直なところ、どの星の生命体も同じだ。自分以外は基本、”敵だ”。しかしお前が今いる地球で今のようなことをおおぴらにいうとヘンテコな奴だとみられる。しかしこの宇宙創設者の俺様ジルが言うから間違いない。地球の生命体は隠してはいるが本来、みんな、そういう生き物だ。俺様はそう造った。だからこそ、話の中ではみんな自分が主役だ。主役以外のことは考えられない生き物だ。だから主役、ヒーローやヒロイン以外に自分の役がなった場合、人間は、生命体の脳が困る。悩む。そしてもどかしく、分からなくなり困惑する。
そして地球的に言えば、嫉妬がはじまる。
ギルの世界では四角い扉がそれだ。ギルは試合中に扉をひらいてしまった。
ヒーローの座をバル、お前にとられないようにお前を底なし、暗い宇宙空間へと突き落とした。非道でもなんでもない。みんなが持っている感情だ。
そしてギルは、お前を四角い暗やみの中に落とした、完了形にもかかわらず,
あえて、その暗い底なしの扉に手を入れた。お前を引き上げた。
ギルはお前をライバルだと思って、嫉妬もしていたが結局、お前のことが”好きなようだ。”好き”と言う感情も全宇宙、共通のものだ。近い未来、バルが宇宙嵐モンズ星の次期王を正式に継いだ頃には、辺境の地、地球にも頻繁に他の星の星人たちが今よりも数が多く、普通に離発着してくるさ。宇宙空間の長距離恋愛もある。えへ、なんか楽しみだな。」
「ジル、ばかネズミ、なにを想像してるんだ。ばかネズミ改めエロねずみにするぞ。しかしそんな遠くない未来に本当に地球は激変するんだなジル。」
「そうだ、早いスピードで変わっていく。これから面白いぞ。進化の過程を見るのはな。」
僕は、なんだか、わからないが、もやもやした気持ちになって「ポコン。」ジルの頭にげんこつ。「バル、暴力反対!」ジルが茶化す。
ジルの後ろではみんなが楽しいニコニコ顔のある花や木の景色の中、無邪気に騒いでいる。
僕は頭上にあるニコニコ顔の3つの太陽を見た。”もう少しこのままでいたい。”
脳内の言葉が口から出ていたようだ。
ジルが「そっか。」一言、口にする。
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