第9話 認定調査!

ケアマネジャーが行う仕事の中には全国の自治体から委託を受けて行う「認定調査」がある。


認定調査とは、委託されたケアマネジャーなどが自宅を訪問し、申請者の状態や、日常生活、家族や住まいの環境などについて聞き取りをする。調査内容は全国共通(基本調査74項目)で主な項目はこんな感じ。


概況調査

現在受けているサービス(在宅・施設)の状況

おかれている環境(住まいの状況・家族の状況・傷病・既往症等)


基本調査

身体機能・起居機能

生活機能

認知機能

精神・行動障害

社会性への機能

その他(過去14日間で受けた特別な治療)


特記事項 基本調査項目の中で具体的に内容が必要なものを選択し、介護の手間や頻度を明確にする。


固苦しいがこんな内容を調査する仕事だ。


委託料は各自治体によりばらつきがある。

しかし、はっきり言って安すぎる。私の働く自治体では¥4400程度。(消費税込)


また、委託業務といっても私の働いていた会社ではインセンティブ等はなく、委託を受けたとしても従業員への還元は無かった。


訪問調査に加えてその後の資料作成にも時間を要する。


ひとつの仕事として捉えた場合、何度も意欲があがらないものだと感じた。


調査料の全額とはいかないまでも、少々のインセンティブはないものかと…


上司にも相談したが、経費の関係からインセンティブは難しいとの返事が返ってきた。


自分の勉強の為にやろうと思えば気持ちは随分違う。色々な状態やケースを見ることで、自信の知識や技術の向上に繋がれば良い。


更に問題となることは、自治体からの確認が多いことだ。こちらも自治体によってばらつきはある。しかし、「全国統一」のはずな調査内容が各自治体によって判断が異なることがしばしばあるのだ。


「うちの自治体の場合は…」


とはよく言われる言葉だ。たしかに、介護保険事業の運営は市町村単位で行われており、各自治体の色が出ることはある程度理解できる。しかし、その対応が大きくずれることには違和感を感じてならない。


ある自治体では「介助なし」と判断される内容が、別の自治体では「介助あり」と判断される。


これでは私が調査に行っている意味がまるでない。何度自治体側からの電話確認で半ば口喧嘩うになったことか。


そんな中でどうにか認定調査の仕事にも慣れて、ひと月に数件の調査依頼を受けるようになっていった。



                  つづく



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