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『…ギド少佐…いや、アロウ・ギド。国家情報保護法違反ならびに国家情報漏洩防止法違反、および窃盗の容疑で逮捕する』


『ん、それを言うなら、国家に不都合な・・・・・・・情報漏洩防止法違反…じゃないのかな。軍警察官殿』


『言いたい事があるなら、火星の方面本部で聞く。さあ、早く来るんだ』


『おっと乱暴は、しかも二人がかりで、よしたまえ。もし私に何かあったら、例の機密・・・・は地球の国際宇宙連合本部その他へと向け、自動的に発信される手筈になっているんだからな』


 …と、そこでアロウは、はたと目を覚ました。



「夢か…」


 ふと見れば、窓の外は相変わらずの闇、闇である。


 どれくらい眠ったのか…ゆっくりとベッドから降り降り、近くのローテーブル上の時計を確認すれば、まだ先より2時間ほどしか経っていなかった。


「このフェリーのスピードじゃ、まだまだ時間が掛かるな」 


 言ってアロウは、ほどなく片隅へ移動。その壁に埋め込まれた小型冷蔵庫の扉を開けた。ミネラルウォーターのボトル1本を手に、今度はローテーブルの前の1人掛けソファに身を移す。


「しかし、もしあの所業が『国宙連』の知るところとなれば、まもなくそれは世間一般はもとより、我が大公殿下のお耳にも入る事だろう。誇り高き我がリィツ軍にあるまじき、あの恥ずべき所業が…」


 脚を組み、ボトルのフタを開け、水を一口。なにやら呟くアロウの表情は固かった。

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