第30話:公園でサプライズ(バドガ・コラボ回:スキップOK)
注:
この回は作者の別作品とのコラボ回につき、スキップ頂いても本編の進行に影響はありません。
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買い物を終え、昼食も済ませて。
雪人の進言で、大きな緑地公園にやって来た
公園の中央付近にある、花壇前のベンチで、一息。
アカネが自販機で買ったお茶を飲みながら
「向こうの広場で、バトミントンとか出来るっぽいね」
花壇から少し離れたところの広場で実際にバトミントンをしている親子連れ。
「そうだね。自転車でも来れるし、天気の良い休日とか、運動にもなるし、良いかもね」
雪人も同じくお茶を飲みつつ。
「運動かぁ……」
「運動ねぇ……」
母二人は、今一つ乗り気ではなさそう。
「家で結構、運動してるし、ここまで来てする程でもないかな?」
と、美里。
不思議に思う、娘・アカネ。
「え? お母さん、家でトレーニングとか、してるの?」
娘に突っ込まれて、きょどる母。
「あ、いや、えと、その、まあ、運動、うん、運動っぽい事は、よくしてるよ!」
「そうそぅ、わたしと一緒に、ねぇ~」
雪枝が、美里の肩を抱きながら、助け船のような泥船を出す。
「あー……なるほど、理解。でも、ソレとこれは微妙に違うような気も……」
「アカネも、大人になると解るようになるわよ!」
などと。
綺麗な花を愛でつつ。
お日様の元で、団らんも。
「さぁ、そろそろ、帰りましょうかぁ~」
「母さん、晩御飯の買い物もして帰ろう」
母・雪枝にまた進言する雪人。
「了ぅ解ぃ~」
駐車場への道すがら。
池のほとりを歩いていると。
「あれ? 何だろう? 大きなカメラがいっぱい並んでる……」
雪人が、池の周りの人だかりに気付く。
「何かあるのかしら? ちょっと聞いてみようか?」
カメラは皆、池の方を向いている。
ほとんどは年配の男性だが、二人、若い女性が居る。
アカネがその若い女性に近寄って話しかける。
「あのぉ、すみません。何の写真、撮ってるんですか?」
話しかけられた女性二人が振り返る。
ひとりは高身長で、長い黒髪。
もう一人は、アカネより小さい、お団子頭。
「あ、こんにちは。えと、野鳥……鳥さんを撮ってるんです」
小柄なお団子頭の女の子が答えてくれた。
「へぇ、珍しい鳥が居るんですか?」
「んー、珍しいかどうか微妙だけど、今、あそこにタカさんが居るんですよ」
「え?」
「え!?」
アカネと、そして脇で聞いていた雪人も、驚く。
小柄な少女が指さす方向を見るも、よく解らない。
それより、公園とは言え、こんな街中に、タカが?
素朴な疑問。訊いてみる。
「タカって、もっと山の中に居るんじゃないんですか?」
「意外とね、こういう町の中にも居たりするんですよ」
「へぇええ」
感心しきりの、アカネと雪人。後ろで聞いている母二人も驚いている。
「えっと、これ、見えます?」
少女が自分のカメラの液晶画面を見せてくれる。
画面には、タカの姿が映し出されている。
「おお……タカだ……」
「そうそう。オオタカさん。あそこ、白い点みたいに見えるところ」
と、改めて、池の上にある島の木の方を指さす少女。
言われてみると、楕円形に近い、白っぽい物が見えた。
「すごいね……」
「タカとか、初めてみたよ……」
「びっくり……」
「カッコいいわねぇ」
四人は、少女にお礼を言ってその場を後にする。
ある意味、休日の団らんにサプライズ。
こんな日も、稀にあるもの。
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