第11話『きゅうりとへちま』

「こーゆーことされると困るんだよ、ポン吉!」

「ごめんなさい、たーくん……」

「ただいまー、って、あれ、ポン吉が怒られてる。どうしたの、たーくん。」

「あっ、ゆいちゃん、おれが夕食につかおうとおもってたきゅうりを、ポン吉がかってに食べちゃってたんだ」

「あー……」

「でも、たーくん、どうしてもきゅうりをたべたくなって……」

「どうしてもじゃなくて!」

「だって……」

「だってもへちまもあるか!」

「へちまならあるよ(と、冷蔵庫へ向かおうとするポン吉)」

「こら!ポン吉!まぜっかえすのはよくないって!」

「ごめんなさいゆいちゃん!」

「へー、へちまがあるのか、ポン吉」

「へっ?う、うん、さっき買ってきた。夏だし、旬だから」

「おれ、へちまなんて、一度も買ったことないぞ。おいしい?」

「うん……、代わりにつかう?」

「え!いいのか!?でも、ぜんぜん料理の仕方や、下処理の方法しらないぞ、おれ」

「そんなにむずかしくないよ、いくつか注意点はあるけど、まずはね……」

「ちょっ、そのまえに。へ、へちまなんて、きゅうりよりぜんぜん高いだろ、値段。いいのか?」

「そんな、めちゃくちゃ高くはないから、本わさびみたいには。お詫びのきもちもかねて……」


「何だか知らないけど、たーくんとポン吉、すぐ仲直りしちゃったわね。いいことだけど……。ふふふ」

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