第109話

 この日から、ミウとエミリーは『ゾンビダンジョン』で、サリーとミーナは『ゴブリンダンジョン』で、其々夕食前の1時間程、毎日狩りをするようになる。


どうせその後の訓練で、使った魔力はある程度補填されるから、ドロップ目当ての狩りをした方が効率が良いと判断したようだ。


念のため、1人だけでは絶対に行かないこと、4階層のボスには挑まないことをきつく言い渡して許可を出す。


まあ、ドラゴンゾンビだけは俺が毎日倒すから、そこは問題ないのだが。


仕事で休みの日にしか参加できないエレナさんには、俺の方で何か見つけてあげようと思う。


朝一番にエミリーと修道院に行った俺は、ここの浴室の蛇口にも、火の魔石をセットする。


これでもうシスター達は、浴槽のお湯張りに苦労せずに済む。


夏になるとかなり大変だろうからな。


エミリーから唇がふやけるくらいに感謝のキスをされて、カコ村へ。


整備が整った馬の訓練施設で、再度乗馬スキルを得るために、馬に騎乗して5周くらいをゆっくり走る。


6頭全てでそれをこなすと、やっと2度目の『乗馬』を得た。


ジークからは、馬の繁殖に入ったと告げられる。


また、もし可能なら、もう4頭ほど牝馬が欲しいとも。


心当たりがあるので了承し、村内を歩く。


村人の表情は明るく、身奇麗になって、村全体に活気がある。


俺が妻を5人娶ったことをジークに告げ、村人にも祝って貰うべく、グレートボアの死体を2体出して、ジーナさんに渡して欲しいとその玄関先に置いた。


ジークに、『お前にはそういう相手がいないのか?』と尋ねると、訓練仲間に彼女ができたと教えてくれた。


村の外れに、俺用の小さな家を建てる。


転移魔法陣を村外から移し替えるためだけの家だから、『造作』でささっと外壁を造り、窓を1つ付けた以外は何もしなかった。


また、村に隣接する荒れ地を1万坪程開拓し、そこに『造作』で普通の家を20軒建てて、人口が増えても大丈夫なように準備しておく。


トイレや浴室などの細かな所は、後で村の外壁の修正と一緒にサリーに頼むことにする。


ジーナさんには、希望者が居れば、1軒を5万ギルで売却して良いと指示しておいた。


勿論、ローン可だ。


この村にしては高いかもしれないが、専用の浴室が付いているので、若い夫婦なんかには好まれる気がする。


魔石は付いていないが、付けること自体は可能だしね。


この作業を終えた時、俺の土魔法のランクはIになっていた。



 自治領と境を接する王国の砦付近に、以前訪れた場所を含め、4つの村が在る。


その内の1つ、一の村は、今も軍馬を育て、砦や王国内に卸している。


俺はその村に行き、厩舎の責任者にカイウンさんから貰った貿易許可証を見せ、『鑑定』で選んだ若い牝馬4頭を仕入れた。


1頭当たり金貨4枚もしたが、餌や育て方のアドバイスも羊皮紙に書いてくれたから、まあ、仕方ない。


1度に2頭ずつ引いて、2回に分けてカコ村に連れて行った。


この日はこれで夕方になり、ドラゴンゾンビを倒した後は、夕食、訓練を経て、『回復魔法』を教えるべく、ミーナを抱いた。


体内を流れる優しい『ヒール』の感覚と、魔力の乗った俺の物に子宮をなぞられ続けた彼女は、汗と愛液に濡れた身体をしきりに俺に擦り付け、断続的な呼吸の合間に激しく舌を絡めてくる。


飲み切れない唾液が彼女の口許から垂れ、白く泡立った愛液が、お互いの陰毛に糸を引かせる。


3時間くらい抱いて、ミーナが『回復魔法』を覚えたことを確認すると、4回目の精を放って、果てながら痙攣を繰り返す彼女を強引に眠らせた。



 深夜の大森林。


今宵も探索と狩り、採取の時間が始まる。


魔物と金色の点を求めて、『照明』を頼りに広大な森を歩き、時には走る。


2時間くらいして、また湖に辿り着いた。


その湖水には、多くの赤い点が蠢いているが、今の俺にはどうにもできない。


第一、俺は泳げない。


小、中と、プールの授業に1度も参加しなかったからだ。


狭いプールに、まるで芋洗いの如く大勢で入るのも嫌だったし、遊園地などのプールでは、中で粗相をする奴もいると聞いて、絶対に入らないことにしていた。


子供心に、『ジュースなんかの回し飲みで間接キスがどうのこうの言って喜ぶなら、同じプールに入れば良いじゃん。それこそ、お目当ての人が吐き出した水を口にできるかもしれないぜ』なんてしゃに構えていた。


諦めて通り過ぎようとした時、【魔物図鑑】から反応があった。


中を開くと、ウンディーネの箇所が点滅している。


呼び出すと、彼女は自分のお腹に手を当て、次に俺の股間を指差した。


「?」


首を傾げ、彼女のステータスを見る。


______________________________________


名前 ウンディーネ(UR)


パーソナルデータ 力K 体力J 精神B 器用J 敏捷J 魔法耐性B


スキル 『水の住人』S 【水質浄化】 【水の生成】


魔法 水魔法A


ジョブ 西園寺修の僕


______________________________________


「!!!」


何だこのステータス!


彼女と初めて会った時、『鑑定』にはGランクと表示されていたはず。


その後、俺の精を飲み込んで従魔になった際、URの称号が付いたが、まさかこんなに優れていたとは。


そして注目すべきは『水の住人』。


【 】で表示されたスキルは、俺の【アイテムボックス】や【魔物図鑑】同様、恐らくその者固有の能力で、他者は得ることができない。


でも『 』で表示されたレアスキルなら、『結婚システム』を使えば習得が可能になる。


問題は、相手が魔物でもこのシステムが使えるかどうかと、その条件に彼女が合致するかどうかだ。


『水の住人』の説明を読むと、『水中での生活や移動が可能。陸上生物の場合、水に入ると全身を薄く透明な膜に覆われ、濡れることなく呼吸ができる。この膜は、たとえ攻撃などで破損しても、自動で修復される。その修復速度と水中での敏捷性は、スキルランクが上昇するごとに向上する』とある。


これは喉から手が出るほど欲しい。


・・彼女を見る。


その顔は人間のように美しく、スタイルも素晴らしい。


胸はFくらいはありそうだ。


難点なのは、全身が水色なのと、髪の毛が水で出来ていて、あと服を着ていないことくらい。


出会った時に俺の物をくわえられたが、気持ち良く、違和感などなかった。


ソルジャーラミアやゴブリンプリンセスにはそういう気持ちは抱かないが、このウンディーネなら俺の守備範囲に入る。


そんな事を考えていると、彼女がウオーターベッドを準備する。


そして徐に俺の服を脱がしにかかる。


俺は見張りにレッドスライムを呼び出すと、あとは彼女の意思に任せた。



 月明りの下で、ウンディーネの水色の身体が跳ねる。


最初の挿入時、膜を破るような感覚があったが、赤い血は出なかった。


その内部は人間の女性のように柔らかく、彼女が果てる時にギュッと収縮を繰り返す。


純潔の条件を満たしたようなので、『念話』を得るために必要な次の条件、彼女が10回果てるまで放出しないを実行する。


上体を起こしながらのけ反り、抱き付いてきながらキスをしてくる彼女の腰を支え、下から力強く突き上げる。


開始から2時間が過ぎ、到頭彼女が条件を満たした。


ステータス画面に『念話』が加わった事にほっとした俺は、それから3回、彼女に大量放出した。


勿論、その過程で選択肢を送り、彼女から同意を得ている。


水色の指に、銀色のリングが輝くのを見て、少し違和感を覚えた。


「あれ?

何で右の薬指?」


『それは私が従魔だからです』


中に精を放つ度に、その身体の感触が人に近くなっていくウンディーネから、『念話』が届く。


『私はあなたの妻以前に、既に眷族として存在しています。

ですから、妻という立場より、そちらの方がより濃く作用するのです。

ご心配なさらずとも、マリッジリングの機能は全く同じはずです。

選択肢に回答した際、その説明がありました』


そう言いながら再度果てた彼女に、こちらも大量の精を送る。


『ああ、あなたの精に、私の水が反応していく。

身体が熱い。

気持ち良い。

・・愛しています。

やっと、やっと言えました』


その瞳から零れた涙が、夜の月明りに淡く輝いた。

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