第105話

 夕食後の訓練が始まる前、俺は居並ぶ5人の女性達に告げる。


「今回の訓練の最中、皆の脳内にある選択肢が表示されると思う。

それに関して、各自の偽りない気持ちを選んで欲しい。

その結果に関しては、俺は一切の文句を言わない」


何を言われているのかよく分らない女性達であったが、取り敢えず頷いて訓練が始まる。


最初に俺に跨ってきたのはエミリーだった。


腰を振っている最中に、俺の選択の結果が伝わり、驚いた彼女が一旦腰の動きを止めて俺を見る。


次第にその目から涙が零れ、無言でうんうんと頷いたその時、彼女の左の薬指に銀色のリングが生じた。


それを確認して大いに安心した俺は、いつもの倍近い魔力を乗せて大量の精を放つ。


俺にしがみ付きながら、腰をビクンビクンと跳ねさせた彼女は、直ぐに意識を失った。


そんなエミリーを、俗に言う駅弁スタイルで抱えながら、脱衣所に在る長椅子に寝かせ、薄いタオルケットを掛けてやる。


訓練を再開し、次に跨ってきたのはミーナ。


やはり同じような様子が見られた後、涙を流しながら濃厚なキスをしてくる。


唾液を滴らせながら微笑む彼女が、俺に左手を見せる。


ほっとした俺は、エミリー同様に高濃度の精を大量に彼女の子宮に浴びせ、同じく意識を刈り取る。


長椅子ではまだエミリーが寝ていたので、付いて来たサリーが予備のタオルケットを床に敷いてくれ、それで包むようにミーナを横たえた。


3人目に跨ってきたのはエレナさん。


えぐるような腰遣いと、こちらの舌を吸い込むようなキスで攻めてきた彼女も、やはり一旦、その動きを全て止めた。


「修君、愛してる。

心から愛してる」


泣きながら、そう口にする彼女。


その左の薬指にリングが生じる。


俺の気持ちは、放った精の濃度と量で伝えた。


サリーが敷いたタオルケットに包んだエレナさんを、空いている床に寝かせ、浴室に戻る。


「修、一体彼女達に何をしているの?」


ミウが興味津々で尋ねてくる。


「まだ内緒だ。

それより、次は君の番だぞ?」


「もうさ、今日の訓練は止めにして、寝室に行かない?

あたしまでああなったら、さすがに歩く場所がないでしょ」


「その方が良いと思います。

何らかの儀式を行っているのなら、私もベッドの方が安心できますから」


「ならそうしようか」


お互いに簡単に湯を浴びて身体を拭き、寝かされている女性達を起こさないように寝室に行く。


向かった先は、俺の部屋ではなく、サリーがかねてから準備していたハーレムルームだった。


確かに、ダブルベッドが1つあるだけの俺の部屋だと、3人で寝るにはきつい。


キングサイズ以上のベッドが隙間なく3つも並んだ部屋で、挿入前の愛撫が好きなミウの為に俺が色々としてやっている間、その俺の身体に唇と舌で奉仕してくるサリー。


ミウに覆い被さると、俺からの選択肢を受け取った彼女が、四肢を絡み付かせながら口にする。


「答えなんか決まってる。

あたしには修以外の男なんて必要ない。

もう修が嫌だと言っても放さない。

絶対に放してやらない」


その言葉を聴いた俺が、彼女の子宮に突き刺した物から溢れんばかりの精を放出する。


ベッドと俺の腰に挟まれて、身動きができない彼女の腰の代わりに、その内部がこれでもかというくらいに自己主張していた。


意識を手放して動かなくなったミウを、ベッドの端に横たえる。


その閉じられた目から、細い涙が流れ落ちる。


左の薬指には、当然の如くリングが生じていた。


「皆さんから相当愛されてますね。

男冥利おとこみょうりに尽きるでしょう?」


サリーが俺を押し倒し、濃厚なキスを繰り返す。


「でも、あなたの初めてを貰ったのは私。

あなたに女を教えたのも私。

生涯の愛を捧げる純潔を塗り付けたのも、あなた用に内部を整えたのも、その最初は私だから」


強く吸われ続けた舌が、その名残を惜しむように音を立てて離され、その代わりに、俺の物が熱く潤んだ肉の壺に収められる。


上体を起こしたサリーの身体は、本当に美しい。


プラチナブロンドの丁寧に束ねられた髪は、彼女の腰の動きに時折一房のほつれを垂らし、その上気した顔に色どりを添える。


芸術としか言えない胸は、その先端を桜色に尖らせながら、動きに合わせて汗の弾を周囲に放つ。


引き締まった腰が彼女の大きなグラインドを力強く支え、肉厚で張りのある尻がリズミカルに俺の下半身を打つ。


彼女が果てる時は根元まで差し込んでグリグリと押し付けてくるから、お互いの陰毛が擦れ、彼女の愛液で絡み合う。


のけぞると同時に激しく締め付け、倒れそうになる状態を両手で支えながら締め付け、キスをしながら胸を押し潰して締め付ける。


その都度、彼女から零れ落ちる汗の雫が俺の身体にしたたり落ちて、俺の汗と一つになってシーツへと流れる。


そんな中で、俺はかなり不安だった。


こちらの選択は既に送ったはずなのに、その答えが一向に示されない。


彼女の薬指にリングが生じない。


・・もしかして、断られたのか?


そう考えた時、サリーが腰の動きを止めて俺と目を合わせた。


「修様の口からも聴きたいです。

一生に一度の事ですから、聞き逃したくない。

・・言ってください。

修様の、私への想いを」


「・・サリー、君を愛してる。

君はもう、俺の身体の一部と言っても過言ではない。

君無しでは、(ここでの)俺の人生は成り立たない。

側に居てくれ。

俺を支えてくれ。

君が・・欲しい」


ポタ、ポタっと、俺の顔に雫が落ちる。


サリーの瞳から溢れ出る、透明で清らかな涙の雫が。


「・・はい。

はい。

お約束します。

修様の言葉を私の魂に刻み込んで、たとえ死しても、あなたのお側に。

天よりも高い忠誠と、地の底よりも深い愛で、あなたをお助け致します。

私を捨てる時は殺してください」


むっ。


最後の一言は聞き捨てならない。


上体を起こし、体を強引に反転させ、驚くサリーを組み敷く。


そこから無言で攻めに転じる。


魔力量をいつもの倍にして俺の物に纏わせ、彼女の子宮を連打する。


どんなに彼女が喘いでも、絶叫を上げようが、四肢を絡み付けながら泣いて許しを乞うてきても、叩く、叩く、叩く。


意識を飛ばそうが、痙攣しようがお構いなし。


『念話』を仕込んだ時同様、ただひたすらに腰を打ち付ける。


この俺に、君を殺せなんて冗談でも言ってはいけない。


君だけではない。


俺はたとえ自分の命が危うくなっても、大事な人は決して見捨てない。


最早、内部の締め付け以外に何の反応も示さなくなった気絶状態のサリーに、それまで我慢していた精を思い切り放つ。


逆流した精が、結合部から溢れ出しそうなくらいの量だった。


「ふう」


サリーの左の薬指に、ちゃんとリングがまっていることを確認した俺は、その安心感からベッドに大の字になる。


俺、到頭結婚したんだなあ。


また俺に家族ができたんだ。


今度こそ護る。


誰一人として失わせない。


そのためには、もっともっと強くならないとな。


「ここに居たのね。

探したのよ?」


思考の海に漂っていた俺の耳に、エレナさんの声が響く。


「修、ベッドでするなら私達も混ぜて」


「・・修さん、サリーさんは大丈夫なんですか?」


「平気だよ。

修に愛され過ぎて、今頃は幸せな夢を見てるだろうね」


目覚めたらしいミウが、ミーナの問いに答える。


「いいなあ。

私もそのくらい愛されたい」


「私も。

2人同時でも良いよ」


「修君、まだ全然平気よね?

明日は有給取るから、朝まで愛してね」


「・・・」


「第1回、ハーレムナイトの始まりだね。

前から試してみたかったんだ」


ミウが乗り気で俺の身体に舌を這わせる。


「ミーナさんはあたしと組もう。

エレナさんはエミリーさんとペアで良い?」


身長で選んでるのか?


その2人が顔を見合わせる。


「私は別に良いけど」


「私も。

エレナさんとも仲良くしたいし」


「どうせ途中で入れ替わるんだから、エレナさん達から始めて良いよ。

ミーナさん、こっちで勉強させて貰おう」


ミウが自分の隣のスペースをポンポンと叩く。


「はい。

浴室だと、毎回同じ様な感じになりますからね。

お二人がどんな風に修さんを攻めるのか楽しみです」


・・到頭、『絶倫』の真価を問われる時が来たか。


妻達を満足させるのは、夫である俺の役目だしな。


左右に寄り添って、上半身と下半身を別々に攻めてくる2人を眺めながら、『長い夜になるな』と気を引き締める俺だった。

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