第81話
「お疲れさまでした。
彼女は大丈夫でした?」
「ああ。
そんなに無理させてないから」
ミウに割り当てたその部屋で、取り敢えずベッドだけを出して、3時間程抱き続けた。
魔力量がそれなりにあった彼女だが、2発も放つと痙攣を繰り返すだけの存在になり、仕舞いには意識を手放して深い眠りに就いた。
汗と体液を洗い流すために来た浴室には、他の4人が全員揃っている。
我慢させていたミウを抱いてやるために、敢えて訓練時間を遅らせたからだ。
その前に立ち寄ったマーサさんの店では、『また1人増えたのかい。その内、テーブル2つじゃ足りなくなりそうだね』と苦笑いされた。
「先にお身体をお流ししますね」
サリーが前を、後はエレナさんが手に泡を付けて洗ってくれる。
「修、訓練が終わったら、今夜はずっと私の相手をして貰うからね」
脇で眺めていたエミリーが、そう言ってくる。
「私だけ、ちゃんと抱いて貰ってないんだから。
ベッドでしっかり励んで貰うわ」
「・・了解」
「ミーナさん、良かったら今夜、私と2人で訓練しませんか?
もうミーナさんはどの魔法も覚えられる水準にあると思います。
取り敢えず、生活魔法から始めてみませんか?」
俺の前を洗い終えたサリーが、やはり脇で羨ましそうに眺めていた彼女に、そう声をかける。
「良いんですか!?」
「ええ。
ここでの訓練みたいに、裸になる必要はありませんが、なるべく早く覚えたいなら、両手を絡み合わせた方法をお勧めします」
「分りました。
有り難うございます」
その後に始まった全員での訓練は、皆に1発ずつ放ち終えたところで終了し、今度はエミリーとミーナに丁寧に身体を洗われながら、サリーとエレナさんが背中を流し合う様子を眺めていた。
睡眠が要らない身体というのは非常に便利なもので、『もう駄目~!』とか『もう許して~!』とか叫ぶエミリーを、文字通り強制的に体で黙らせた後、それによって浮いた3時間を、大森林の探索に充てた。
エルダーオークを狩りまくり、肉類を調達しながら、ひたすら金色の点を探す。
お金も然る事ながら、カコ村の鍛冶屋に卸す、中古の装備が欲しかったからだ。
あの村には、金属類が圧倒的に足りない。
足りない食料は町で買えば良いが、金属を購入すると意外に高くつく。
なので、なるべく探索で補うことにした。
幸い、大森林のこの辺りは、IやHランクの、武器を持った魔物とよく遭遇するので、3時間程度でも十数個手に入った。
時計を確認し、エレナさんとエミリーの出勤前に家に戻る。
エレナさんとはさらっとしたキスだけで済んだが、失神したまま寝かしつけたエミリーは、俺をじとっと
修道院の庭を掃いている姿からは、想像もつかない程のエロさである。
皆、キスだけは異様に上手くなった。
他の人としているのを見て、しっかりと学習しているらしい。
そんな2人を見送ると、サリーとミウを伴って、空き部屋にある転移魔法陣に載る。
ミーナは相変わらず勉強だ。
サリーによると、昨夜だけで『身体浄化』を覚えたらしい。
『あの
そう言ってミーナを
『修様が抱きながらお教えすれば、火や水、土も、直ぐに習得するでしょう』とも。
『修って限界ないの?』と、ミウも俺の絶倫ぶりを喜んでいた。
カコ村で1回目のお湯張りをした後、城壁の建造を続けるサリーを残して、ミウとダセの町に跳ぶ。
昨日、金目の物を粗方持ち去ったからか、領主屋敷の前で立札を読む者は居ても、屋敷内に入り込んで
一応、この屋敷がこの町での拠点になるから、今後は従魔のどれかを管理者代わりに置いておくのも良いかもしれない。
そう言えば、この屋敷の空き部屋に転移魔法陣を移す際、好きに狩りをさせていたソルジャーラミアを回収したが、彼女は律儀に俺への貢物を用意していた。
具体的には、ハイオークの死体5体と、中古の武器7つだ。
意外にも、大分俺に
今度良い装備品が手に入ったら、優先的に渡してやろう。
顔は口が若干大きいけれど美人の部類だし、人間と同じ上半身は、胸が大きくスタイルが良い。
水辺が好きみたいだから、探索中に見つけたら、
「修、ここで何するの?」
ミウは、昨晩抱いた後から、大分雰囲気が変わった。
ぶっきらぼうだった物言いが改まり、かなり柔らかな言動へと変化した。
俺に対する行為にも、節々に丁寧さと配慮が加わり、手を握るという行為1つ取っても、固さが取れ、女性らしいしっとりとした柔らかさを感じるようになった。
「少し探し物をしようと思って」
「お宝なら、昨日全部取ったじゃない」
「今日は書類を調べに来たんだ」
「書類?」
「悪事の証拠や、何処かへの借り入れ、帝国からの連絡なんかが見つかれば、対処しなければならないから」
「ああ、成程。
この町の領主になるんだものね」
「カコ村を護るためには、あそこから離れた町にも防衛拠点を作る必要がある。
というか、帝国軍が本格的に攻めて来たら、あの村で戦っても防ぐのは難しい。
だから、この町を頂いたんだ」
「修自身が治めるの?」
「う~ん、それはちょっと無理かな。
余裕ができたら、この先の村や町も取りたいし」
「じゃあ誰か任せられる人を探さないと駄目なんだね?」
「そうなんだよ。
探し物が済んだら、少し町を歩いてみようかな」
「そうしよう」
それから、トルソーの執務室や私室を中心にそれらしい物を2人で探したが、大したものは見つからなかった。
せいぜい、住民からの減税を要望する書類くらいだ。
ただ、何となく嫌な予感がして、領主一家の中で唯一殺した長男の部屋を調べたら、案の定、彼が奴隷商に売り渡した女性のリストが出てきた。
そこには、何の罪も債務もないのに売り渡された、7人の名前が載っていた。
奴隷商とて、本来は非合法な商売ではない。
きちんとした理由と、正当な手続きさえ踏めば、人を売買できる。
だがその契約書は、明らかにそれらを省き、そこら辺で気まぐれに捕まえた女性達を、己の小遣い稼ぎのために闇で売買したものだった。
怒りと共に、その店に急行する。
応対に出た店の主人は、俺の目に真っ赤に映る。
「この店は、たった今から俺の物になった。
身一つで直ぐに出て行け」
「はあ?
あんた一体何言って・・。
そもそも、あんた誰よ?」
「この町の新領主だ」
「!!!。
・・ですが、それは余りにも酷いお言葉。
お幾ら必要ですかな?」
金で解決できると考えたのだろう。
「幾らも何も、ここにある金と商品は全て俺の物だ。
いいからさっさと出て行け」
「ちっ!
お前達、こいつを殺せ!
後に居る超上玉は傷つけるなよ!」
店の主人が後ろに下がって、護衛の男ら6人が斬り掛かってくる。
そいつらを瞬殺すると、改めて主人の前に出る。
「ひっ!」
血で汚れた拳を振りかぶる。
「た、助けて」
「駄目だ」
主人の頭を吹き飛ばした。
「・・この間も思ったけど、少し派手に殺し過ぎじゃない?
こいつらの汚い血で、服や体が汚れたら嫌でしょ?」
ミウが呆れたようにそう言ってくる。
当の彼女は、『ミーシャの教育に悪いから』と言って、荒事が予想される日は、彼女を自分の部屋に置いてくるようになった。
ミーシャもそれを嫌がる素振りを見せず、素直に部屋で大人しくしている。
「剣がまだあまり得意じゃないからな~。
どうしても体術に頼ってしまう」
「ちゃんと練習しなさいよ。
領主と言えば、一応は貴族でしょ?
もっとスマートに殺さないと」
「俺は貴族にはならないけどね。
俺の領地だし、何処にも属さない俺自身の国でもあるから、好きにするさ」
「修って権力欲がないの?」
「権力なんてなくても、好きな人が側に居て、十分な財産があれば、それで良くないか?」
「・・確かにそうかも。
色々と面倒そうだもんね」
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