第75話

 夕食を済ませ、浴室での訓練の最中、サリーが今後の訓練法における訂正箇所を皆に説明した。


これまでは身体を擦り付けるだけだったものを、本格的な性行為に変更すると。


勿論、そうする理由も。


『本日から行います』と述べたサリー自らが、率先して俺を相手にして皆に見せた。


エレナさんとミーナは、この後俺に部屋で抱かれることが決まっていたから、今回は挿入まではしなかったが、エミリーはサリーの姿に触発されて、その場で純潔を散らした。


彼女が少女から女に変わっていく姿を間近に見た皆の雰囲気が妖しいものに変化し出して、処女を失ったばかりのエミリーに対する配慮も重なって、今夜の入浴時間はいつもより1時間短くなった。


水分補給後、直ぐにエレナさんが俺の部屋にやって来る。


「修君、既に随分と上手になってたね。

そんなにサリーさんと練習したんだ?」


「いえ、どちらかというと彼女は被害者で・・。

溜りに溜まった性欲を爆発させた俺に、散々な目に遭わされたんですよ」


「それでも羨ましいな。

修君の大事な初めてを貰えたんだもの。

修君、その時の事、きっと一生忘れないでしょう?」


「いやそれが、興奮し過ぎて理性を飛ばしていたせいで、途中まではあまり記憶に残っていないと言うか・・。

単に快楽だけを感じて行動していたと言うか・・。

何にせよ、彼女に多大な負担を掛けたことだけは確かなので、エレナさんとの時には決して同じ轍を踏みはしません」


「別に手加減しなくても良いのに・・」


服を脱いだエレナさんに、ベッドに押し倒される。


「私も大分溜まってるんだから、覚悟してね」


言葉を発する前に、唇を塞がれた。



 3時間後、既に足腰が立たなくなっていたエレナさんが、何度目かの意識を手放したのを見計らい、浴室で汗などを流して、ミーナの部屋に行く。


俺が来るまで自らを慰めていたらしい彼女には、余計な会話など要らなかった。


直ぐに行為が始まり、部屋に彼女の嬌声が響き渡る。


貪欲に俺を求めてくるミーナを壊さないように、攻めるのは要所要所だけにして、専ら彼女の動きに合わせる。


技巧など知らず、耳年増でしかない彼女の動きは荒々しいが、俺が精を放つ度に全身を振るわせて果てる様子は、普段の彼女が控え目で清楚なだけに、俺の興奮を異様に高めた。


やはり3時間くらい相手をして、深い眠りに就いたミーナに毛布を掛けてやると、今日4度目になる浴室に向かう。


汗を流していると、サリーが入って来る。


「お疲れさまでした。

身体を洗うのをお手伝いします」


「まだ起きていたのか?

朝になったらまた作業があるんだぞ?」


「5時間くらいは眠りましたから大丈夫です」


両手に石鹸の泡を立て、俺の身体を優しく洗い始める。


「彼女達、如何でした?」


「君の言う通り、体の相性も凄く良かった」


「・・私よりもですか?」


「比べられないよ。

俺にとってはここに居る皆が最高なんだ」


彼女の手が、俺のいきり立つ物を握ってくる。


「まだご満足されていないようですね。

私で良ければお相手しますよ?」


「いや、これは生理現象だから」


「私で良ければお相手しますよ?」


「・・・」


「私で・・」


「お願いします」


彼女のすがるような顔を見たら、断れない。


「フフフッ、嬉しいです。

精一杯務めさせていただきますね」


浴室なので、訓練時と同じ様に彼女が対面で俺の腰に跨って、折角だから魔力循環も行いながら楽しむ。


「幸せです。

ずっと続けていたい」


重ねていた唇を離すと、唾液の糸を引いた彼女の口から、そんな言葉が漏れる。


「サリーがそんな事を言うなんて、少し意外だな」


「こうしている時は只の女ですから。

あなたに抱かれることしか考えられない、極普通の女性でしかありません」


不意に動きを止めたサリーが、何度目かの痙攣をする。


その時、浴室の扉を開けて、誰かが入って来る。


扉の方を向いていた俺の目に、エレナさんとミーナの顔が映った。


「やっぱりここに居たのね。

修君、初めての女性を相手にした夜は、朝まで一緒に居ないと駄目なのよ?」


「修さん、1日に何度もできるなら、私にももっとお願いします」


「済みません。

もう目が覚めるとは思ってなくて。

・・ミーナも身体は大丈夫なの?」


「大分手加減してくれたみたいですから、まだ平気です」


ミーナがニコッと笑う。


「サリーさん、私達も混ぜて貰っても良いですか?」


エレナさんが、慌てて振り向いたサリーに微笑む。


「ええ、勿論。

・・御免なさい」


「怒ってはいないですけど、皆で生活している以上、なるべく機会は均等に設けましょう」


「その通りですね。

訓練形式で良いですか?」


「ええ」


「はい」


結局、3人を相手に陽が昇るまでやっていた。



 朝食を取る俺の視界に、メールが届く。


『 おめでとうございます。

レアスキル『絶倫』を獲得致しました。

このスキルは、継続して相手をする女性の数を増やす度にそのレベルが上がっていき、仕舞いには無尽蔵に精を放てるようになります。

但し、行為対象に愛され、相手を真に満足させないとレベルが上がりません。

レベルの上昇は、外からでは判断できませんのでご了承ください。 』


「・・・」


まあ、訓練には役立つかな。


因みに、この日のエレナさんは、ギルド内で何度か欠伸あくびを繰り返し、昼食に寄ったマーサさんの店では、食事が終わると早々に居眠りしたそうだ。


ミーナは、夕方までずっと寝ていたらしい。


『覚え立ては仕方ないけど、程々にしないと日中は相手のが大変だよ。

あと、うちは宿屋はやってないからね』


夕食時の会計の際、他の皆が外に出て1人になった俺に、マーサさんがニヤニヤしながらそう言ってきた。


「済みません。

気を付けます」


忠告に感謝して、準金貨を1枚、食事代に上乗せした。

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