第13話 落胆

 女子師範学校の授業が終わると、優子とともに横浜港に向かう


 すでに何人か女の人がいる。

 眼を凝らして、甲板を見つめる。


 見つめる


 見つめる


 徹さんは、居ない



「居ないね〜」と優子が残念そうだが

「でも、あそこにいる人もカッコいい」とはしゃいでいる。


 愛子は、泣きだしそうになりながら

必死に甲板を見つめる。


 本当に、徹が船に乗ってない事を悟り、落胆し


 優子には、申し訳ないが、口もきけなかった…


 優子が、気を使って慰めてくれればくれる程、心ここに在らず…


 どうやって、帰ったかもわからない



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