俺氏、親孝行をする~国宝級アイテム・アムリタを添えて~


 突然だが俺の名前はグレン・アスフォールという。

 ヤマダ王国にて伯爵の地位を授かっているアスフォール家の生まれであり、5男である。

 父は正妻を一人、妾を二人と合計3人の妻を持ち、俺は妾から生まれた子供である。

 だからといって差別をされているという訳でもなく、妻3人は非常に仲が良く、それこそ親友と言っても過言ではない間柄である。

 伯爵家ということもであり、家にはそれなりというか、普通の一般庶民では想像が出来ない程の財産を所有しており、5男かつ妾の子ということで当主の座が渡ってこないであろう俺にも高い錬金室を与えて、高価な素材を惜しげもなく用意してくれたりしている。

 両親含め、もう一人の妻ともう一人の妾の人も俺に良くしてくれて、兄弟の仲も少し悪い人もいるが基本的には良い。


 それこそ絵に描いたような恵まれた家庭環境と言っていいだろう。


 そんな俺だが、実はもクソもないが家族との接する時間の8割以上はカゲに任せている。

 因みにカゲとは俺の影分身であり、俺が自由に行動をする為に作ったホムンクルスである。

 今は色々あってアルティメットホムンクルになってダーネスの方で活躍してくれたりしてるが、そこは一旦割愛しよう。

 一応、俺に余裕があったりする時は家族と過ごしいるから、家族が俺を大切にしてくれているのを理解している。

 俺も割と家族には恩を感じているつもりだ。


 そんなアスフォール家だが今少しだけピンチに陥っている。


 ピンチの内容は、なんてことのない、病気だ。

 病気にかかったのは俺の兄、アスフォール家次男・ダレルア・アスフォールだ。

 母親は俺とは違うもう一人の妾であり、俺とはあまり仲は良くない。というか余り関りがない。

 年齢は17歳。

 現在英雄学園で勉強中だ。


 病気の内容は不治の病・魔力結晶、体の中の至る所に魔力結晶が生まれ、そのまま肥大化して体を蝕み、やがて大きくなりすぎた魔力結晶によって体の重要な臓器や血管が押しつぶされて死に至るっている割とエグイ病だ。

 治すには万能治療薬・エリクサーを1年間程毎日継続して投与し続けるか。

 得意属性レベル8以上の回復魔法を1年間程毎日継続してかけて貰い続けるか。

 後は、国宝級の回復薬であるアムリタを使用するくらいだ。


 まあ、いくら金を持ってる伯爵家とはいえ、所詮妾の子、それも次男にそんなこと出来るかってなった出来ないという話だ。

 原作だとしっかり死んでいる。


 それで両親は悲しんで、その穴を埋めるかのように他の息子や娘達に甘くなって、原作の俺が更に増長して怠惰になるっていうバックストーリーがあるが、まあ今は関係ないな。

 何故なら俺が治すからだ。


 ぶっちゃければ俺自分の力を少しは両親に明かしてもいいと思ってるんだよな。


 流石にアンクル商会とダーネスを明らかにするのは両親の心臓の負担がエグいことになりそうだがらやめるけど。

 俺が錬金魔法の天才であり、得意属性をレベル10は流石に高すぎるから偽装してレベル8まで上げてるって感じで説明して、偶々超絶大成功してアムリタを作れたみたいな的な的な。

 

 ほんで、そのままアムリタを渡して次男を治そうかなって。

 

 まあ、得意属性レベル8程度であれば、原作でも一定数いたし、凄いと言えば凄いけど今はアンクル商会とダーネスのおかげで錬金魔法レベル8を超えてる人がそこそこいるし、王家から拘束されて永遠に錬金魔法を行使し続けろみたいなのにもならないだろう。


 多分問題はない筈だ。最悪何かあってもアンクル商会とダーネスをフル活用して脱出するけど。

 というかそもそも論として俺のステータス化け物だし、俺一人の武力で国潰せるけど。マジで俺化け物過ぎて草。


 まあ、いいやとどのつまりどういうことかというと、俺の事を大切にしてくれた両親の恩返しにアムリタを提供するってことだ。


 以上

 終わり。



――――――――――――――


 次回は両親視点を書こうかなと思ってます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る