感情

ただひとつ

にえたぎる

かまのなか

おとされ

ぐずぐずに

とろかされ

せんいまで

ほどけきった

かなしみは

わたしに

「これはらくだよ」

ささやくのです


※※※※※


なきながら。


※※※※


感情には、原因があるときとないときがあります。原因はなくなっても感情だけが残るときもあります。


たとえば悲しみの原因をなくし、それでもなお悲しいとき、私は悲しみの記憶を覚えているのでしょうか。それとも悲しみが私の心に傷を残していったのでしょうか。


傷の痛みが鮮明に思い起こされる時、私は過去に飛んでいるのでしょうか。それとも今感じていることは、本当ははるか昔に起こったことなのでしょうか。


わたしという輪郭がぼんやり溶けるとき、そんなことを考えます。

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