君に求めしこと


僕の赤き悲しみに、そっと触れてみてくれ。

その白くやわらかなてを、

苦悩でしたたり落ちるばかりに濡らして見せてくれ。

僕が死ぬと言ったら

迷わず死んで見せて、

その愚かさを示して見せてくれ。

僕の永劫を共有して、

僕の最後の心音を、その全身で感じ取ってくれ 。

そうして、僕を思い生きてくれ。

君が死ぬと言ったら、

僕は張り手ひとつして、

そのおろかな選択を叱って見せるから、

いつだって君は、僕の言うことを真摯に

受け止めて、涙を流してくれ。


僕が手本に死んで見せるからと

言うと、泣いてすがって、

愚かさを悔いて見せてくれ。

君がいないと生きていけない、

そのような嘘つく君でいてくれ。

※※


暗がりの中、君の影にすがるように。

問うようにささやき、求めしこと。

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