第4話 怪しげのBAR
なにかのあの暖かくて着心地がいい部屋から離れて数時間、春樹達は無言で歩き続け、何かと変な怪物たちがうようよとさまよい続けている。
人を食い殺した形跡があって吐き気がする。
キキは春樹のお腹から降りるとウィルと同じく歩いている。
お腹が空いてもあまり食わない。むしろ食ったら何かと食料だけが減るだけだ。だけどなぜだろう。ここに来てから寒気が一気に来た。
温度計を見てみると、今は十五度だった。
ここまで気温が下げるなんて思いもしなかった。春樹は早速リュックの中にあるマフラーを取り出し首に巻いた。
少しは温まったが、今は少しだけ寒気が少しだけ来る。
赤い手に息を吹きかけ、手を擦り、腕時計を見た。
さっきまでは八時過ぎのはずが、今は二時辺りになっている。
冷たい風が頬を撫でる。周りにある木が揺れる音が聞こえてくる。すると、ピちゃと音が聞こえ、下を見てみるとそこには足首が少し埋まってしまうぐらいの水のたまり場が底にあった。
「あれ? 昨日雨なんてふった?」
「いや、降っていないぞ」
「じゃあなんで溜まっているんだここに」
春樹は水を見つめがら言った。
「きっと海から這いあがった奴かもしれん。体から出た大量の水がここら辺に溜まったかもしれない」
ウィルの言葉に春樹は悟った。
「キキ、おいで」
春樹はキキを自分の膝に置きくと、ウィルはそのまま歩き出した。
水の上を歩きながら春樹は空を見上げた。相変わらず青く、雲が契れちぎれにある。この雲を眺めてよく友人とお喋りしていたことを思い出す。今はそんな青春なんて帰ってこない。むしろ帰ってこない。
今頃友人は何をしているのだろうか。何処かに避難をして、安全に暮らしているのだろうか。怪物に食われていないか心配をしていた。
思わずため息を付くと、ウィルが話しかけてきた。
「どうした、そんなため息なんかついて」
ウィルは少しだけ心配しながら声を掛けると、春樹はすぐに言い張った。
「こんな世界の中でさ、今友人と先生が無事かなって思うと、なんか心配し過ぎてため息が出たんだ。何かとな」
春樹がそう言うと、ウィルは「そうか」と言った。
すると、何処かえ赤誰かのうめき声が聞こえてくる。
「ウィル、何処からか苦しんでいる声聞こえ来ないか?」
春樹はウィルの耳元で言いながら辺りを見渡した。
「あぁ、聞こえてる」
ウィルは声を潜めながら春樹に言った。キキも隣で警戒をしながら辺りを見渡している。
春樹はキキを抱き上げると、ウィルは声がするほうにゆっくりと歩みいる。ヒビに入っている道路を歩いて行った。
息を潜めながら春樹は剣を抜く。少しつづ声が大きくなる。
建物の隅に隠れながら見てみると、そこにはうずくまっているBARの格好をした男の姿があった。髪を金髪にした少し前髪を横に分けた男がうずくまっている姿あった。
人間だと確信をすると、春樹は剣を鞘に戻し、ウィルの背中から降り、声を掛けながらその人に声を掛けた。
「あの、大丈夫ですか?」
春樹の声をに肩を震わせた男は、すぐに体を春樹に向けると横にあったパイプを春樹に向けながら警戒をしている。
「おっ、お前は誰だ!」
男は声を険しくしながら春樹に言った。春樹はすぐに名前と正体を言った。
「安心してください。俺の名前は山本春樹です。後ろにいる猫がキキで、その隣にいる白い狼はウィルと言います。彼は人を襲ったりはしませんので、安心をしてください」
春樹は慌てながら丁寧に説明をし終わると、その男は納得をしたかのように表情を少しだけ明るくした。
「ほっ、ならよかった」
男は咳払いをしながら立ち上がった。
「どうもすいません。一瞬怪物が出たんで、まさかと思ったんです。申し訳ございません」
男は頭を下げながら言った。
「いえいえ、突然誰だって声を聞けば警戒をしますよ。こんな世界じゃね。それと、大丈夫ですか? 体調の方は」
春樹は心配をしながら男に言うと、男は笑いながら言い張った。
「ハハハハ、いやぁちょっと何かとここんところ体調が悪くて」
男は髪を掻きむしりながら笑顔でお腹をさすった。
「あっ、申し遅れました。俺の名前は清本大樹です」
大樹という男は満面な笑みを見せながら春樹に向かって言った。
「あと、春樹さん、でしたっけ?」
大樹は惑いながら春樹に言った。
「そうですが、何か?」
春樹は少しだけ笑みを見せながら答えると、大樹は首を触りながら口を開いた。
「旅かなんかの途中なんですか? その剣を見る限り、なんか旅の感じがあるんで、」
大樹は剣を指しながら言い、春樹はすぐにそのことを説明をした。
説明に納得をした大樹は、再び笑みを見せた。
「じゃあ、少しだけ俺の飲み物飲みませんか?」
「飲み物?」
春樹の言葉に大樹は「はい」と笑顔で答えた。
「俺、こう見えてもBARの店員をしていたんです。今は寒いので俺の飲み物を飲みながら少しだけ話を聞いてくれますか?」
大樹は笑みを見せながら言った。
確かに今はとても寒く、身体が凍りそうだった。
暖かい飲み物を飲ませてくれるならありがたいと感じ、春樹は甘えた。
「じゃあ、良いですか?」
春樹はそう言うと、大樹は顔を輝かせた。
「では早速行きましょ。少し遠いですが良いですか?」
「はい、良いですよ」
春樹が言うと、大樹はゆっくりと歩き始めた。
大樹の後を続いている中、何故かウィルは顔を険しく
しながら大樹を見つめていた。
そんなウィルの顔に、春樹は少しだけ疑問を持った。
歩いていると、ブランド物の店とホテルに酒場などが傾いていたり、壊れていた物もあった。
夕陽の太陽が店や街中を照らしている代わりに、何かを照らしている。それは大きい四足方向の白い毛並みに足を青くしているサメのような目をした怪物を照らしている。少しだけ遠くにいる為にここには危害は加えないことをしりながらも、振動で建物が少しだけ揺れることを感じる。
「あの怪物の目を合わさないほうが良いですよ。あの怪物に何されるか分からないので」
大樹は歩きながら春樹に言った。
怪物を無視しながら大樹の後に続いていく。足音は大樹と春樹とウィルと怪物の足音が聞こえる。他には今は、何も聞こえない。
沈黙の中歩き続けると、大樹はある店に立ち止まった。
「ここが俺の店です」
大樹は春樹に顔を向けながら言った。春樹は顔を上げると、看板は壊されていたが、何かと少し大きめの建物があった。
「ここは」
春樹は少しだけ疑問を持ちながら大樹に質問をすると、大樹は笑顔を見せながら話した。
「俺の店、実はゲイバーなんです。ここはいわゆる、ゲイが集まる場所なんです。俺んところ結構人がいたんですけどね」
大樹は曖昧な笑みを浮かべさせながら言った。
壊れかけたドアノブを握り、銀が引きずられる音が耳に響くきながら開いた。
「さぁ、どうぞ。それとウィル君もキキも入ってどうぞ」
大樹は満面な笑みを見せながら一人と二匹に言った。
ウィルは何も言わず中に入っていった。
春樹も釣られてそのBARの建物内に入っていった。
中は茶色いカウンターの後ろにお酒がズラリと並んでいた。所々には丸い椅子が五つあった。
カウンター前にも椅子が五つぐらいあった。
電気の代わりに何個かのロウソクが立てられていた。
大樹はすぐに火を点けると、所々にあるロウソクに火を付けた。辺りはたちまち灯りに染まっていった。
「すげー」
春樹は周りの光景に感動の声を漏らした。
「へへ。結構ロウソクを探すの大変だったよ。あいつらから逃れながら」
大樹はそう言いながら、カウンター内に入っていった。本当のバーテンダーが今目の前にいて、ドラマの世界に入った気分だった。
けれど、ここに来てからウィルはさっきから黙り込んでいる。ずっと大樹のことを見つめていて警戒をしているかのように感じる。
なぜここまで警戒をしているのだろうか。ここまで警戒をしているウィルは初めて見た。
春樹は仮面を取り、カウンターの上に置いた。
大樹は春樹の顔を少しマジマジと見始めた。
「何ですか?」
春樹は大樹に向かって言うと、大樹は春樹の仮面を指した。
「なぜ仮面を付けていたんですか?」
大樹が質問をすると、春樹は仮面を見つめながら話し出した。
「これは単に怪物に見られないようにしているだけで
す。だから気にしないでください」
春樹は笑顔で解釈をすると、大樹も笑顔になり、明るい声で春樹を呼んだ。
「それより春樹君は何が良い? 水で作った暖かいミルクティーが良いかな? それともココアがいい?」
笑顔で大樹は言った。
「えっとじゃあ、ミルクティーでお願いします」
春樹はそう答えると、大樹は「かしこまりました」と言い、ミルクティーを作り出した。器用な作り方に、春樹は少しうっとりとしながら眺めていた。
(すごいなぁ、大樹さん。ミルクティーを起用に作るなんて)
飲み物を入れる音が響きながら、春樹は少しだけカウンターの上で眠りかけた。冷たくてスベスベの机の感触に、まるで学校の感じがする。
「あっ、大樹さんに質問何ですけど」
「はい、何でしょうか?」
「大樹さんって……同性愛者ですか?」
春樹は聞きにくい質問をした。失礼な質問かもしれないと思っていると、大樹は笑顔を絶やさず、質問を返してくれた。
「はい、そうですよ。中学生時代に好きな男子に告白したんですが、断られてしまいました。けれど、ゲイバーとか作れば何とか恋人ができるんじゃないかと思ってやってるんです」
大樹は春樹が質問をしていないことをペラペラと話していった。
その間に大樹は少し細めのグラスに作ったホッとのどうミルクティーを入れ、春樹の前に出した。
「どうぞ」
大樹はそう言うと、春樹は受け取りながらお礼を言った。
「では、いただきます」
春樹は明るく言いながら、ミルクティーを飲んだ。暖かい飲み物が心を温かくしてくれる。ミルクの少しの甘みに、春樹は飲むと息を吐いた。
「ぷはぁ、美味しいー」
春樹は元気よく大樹に向かって言った。大樹は春樹の笑顔に手を叩いた。
「良かったです。何かと変な味でしたら変えますので、言ってくださいね」
大樹は笑顔で言いながら、コップを磨き始めた。
優しさに包まれながらも、春樹はもう一口飲んだ。
「あっ。ウィル君とキキには特別なのを用意します。色々種類があるのでこちらにどうぞ」
大樹はウィルとキキを手招きして行った。
春樹は口の中に甘みと風味な味を感じながらでいると、何故か眠気が体から走ってきた。眼がつぶってしまうほどの眠気だった。
ここんところの旅の疲れなのか、強い眠気が体から来ている。
春樹は大樹に声を掛けようとしたが、春樹はその場で眠ってしまった。
戻ってきた大樹は眠っている春樹に声を掛けた。肌に触ったが反応はしない。
(ちゃんと眠っているか)
大樹は心の中で呟くと、早速部屋の奥から大きめのキャリアーバックを取り出した。春樹が来ている上着を取り、春樹の体を持ち上げ、キャリアーバックの中に入れた。
そして、BARを出た。
「クソッ! 何処まで頑丈にしやがったんだあいつ」
ウィルは扉を体で当たったが、扉はびくともしなかった。
なぜこのような事をしているのかと言うと、先ほど大樹が飲み物がある部屋に案内をし、部屋の中に入って探してくれと言われ探そうとすると扉を閉められてしまった。
簡単に開けられるようなものだと思っていたが、そうには行かなかった。
「キキ。物陰に隠れてろ!」
ウィルの言葉にキキはに物陰に隠れた。
ウィルは爪を氷で鋭く尖らせ、ひっかくと簡単に出口の外が見られた。次の瞬間に再び体で体当たりをすると扉は壊れた。
ウィルは駆け足でカウンターの場所に向かったが、そこには春樹の姿はなかった。
「やはり、あいつのこころから感じたことは本当だった」
ウィルはあとから来たキキを自分の背中に乗せ、剣も一度だけ自分の体に入れると大樹の匂いを辿って駆け出した。
「ん」
春樹はさっきの眠気からようやく目を覚めた。布の感触を感じながら、春樹は寝ている所をソファに運んでくれたかの様に思うと、何故か手に違和感を感じる。
見てみると、両腕は縄で縛られていた。
「なん……だ……これ」
春樹はもがき続けながら頭の中でなんでこうなったのか考えた。
(確か、大樹さんのBARに付いて、それから飲み物をいただいて飲んだら急に眠気がきて、それで眠ってしまった)
春樹は頭の中での回想を終わらせ、辺りを見渡した。
辺りはライトに窓が閉まられている空間、そして怪しげの空気が包まれている。後ろには小さめの木の箱の中に避妊具といくつかのボタンが置かれていた。
(まさか、ラブホ?)
春樹は確信をすると、すぐに立ち上がろうとしたが、ドアの方から開く音がした。
その音に少し警戒しながら、人物を待っていると、目の前に入り込んできたのは大樹だった。
大樹は少し長めのナイフを持ちながら冷たい目で春樹を見下ろしていた。
「何ですか、これは。貴方あの飲み物に何を入れたんですか?」
春樹は見上げながら必死に大樹に伝えると、大樹は薄い笑みを浮かべ、ナイフをなぞりながら口を開いた。
「ごめんね。春樹君。あの飲み物に睡眠薬を入れたんだ。あの二匹は僕の部屋に閉じ込めたから安心して」
大樹はそっと春樹の横に座った。さっきとは違う呼び方と冷たい視線。さっきとは大違いの態度だった。
「なんでそんなもの飲ませたんですか」
春樹は強気で言うと、大樹は春樹の上に乗った。顔を近づけ、不気味な笑みを出した。
「好きなんですよ。貴方見たいな子」
「は?」
「だから、好きなんですよ。美しい顔と筋肉が付いている体。まさに理想的な男だ」
大樹は言い、春樹の体や頬を撫でた。
寒気と気持ち悪さが体から湧き出る。春樹は顔を背け、足で大樹の腹を強く蹴った。
大樹は腹を押さえ、身を縮めた。
「気持ちわりぃよ。この変態野郎」
春樹は大樹に向かって毒付くと、大樹は高く笑い出した。
「ハハハハハハハハハッ」
高く笑うと、ナイフを春樹の首元に当て、再び馬乗りになり、顔を近づけた。
「やはり君は最高だよ。他の奴らも君みたいに暴れたけど。あらゆることをやったらすぐに堕ちたよ。まさにお人形さんみたいにね」
満面な不気味な笑みを浮かべさせながら言う大樹に、春樹は恐怖を感じていた。
(狂ってる)
そう思うと、大樹は春樹の服を掴み、服を上げた。
春樹の体を見ると、再び満面な笑みを見せた。
「やっぱりいい体だ。スベスベした白い肌」
眼を輝かせながら、大樹は持っていたナイフを優しくお腹をさすり、再びナイフを首元に当てた。
「暴れないでね。暴れるならこのまま君の首を切ってから犯すから」
大樹は耳元でそう言うと、ナイフを当てながら手を服の中に入れた。大樹は顔を春樹の首元にうずくまっていた。荒い息遣いと鼻息が首元に掛かって気持ち悪い。
撫でまわす手が少しづつ胸まで来てくる。春樹は顔を右に向け、あまり大樹の顔を見ないようにしていた。
すると、ドアが勢い開かれる音が聞こえた。
大樹は顔を上げたが、すぐに誰かに蹴飛ばされた。
春樹の前にはウィルが息遣いをしながら倒れている大樹を見つめている。
「ウッ、ウィル!」
春樹は居場所が分かったウィルに驚いていたが、ウィルは春樹に顔を向けた。
「大丈夫か春樹!」
ウィルは春樹に息遣いをしながら春樹に向かって言った。
「だっ、大丈夫だけど、お前どうやってここに」
「あとで説明する。けれどすまない春樹。俺がもっとこいつの心を言っといたらよかった」
「えっ、心?」
春樹はウィルが言っていたことをもう一度言うと、ウィルは気絶をしている大樹を眺めながら言った。
「こいつを見た時、どす黒いピンク色の性欲が心の中から見えたんだ。結構強かったから心配したが、それの結果がこれさ」
ウィルは後悔をしながらも、ウィルの上にいたキキが春樹に鳴きながら飛びついてきた。
「ニャー」
「キキ! 大丈夫か?」
春樹はキキに心配をしながら問いかけると、キキは鳴きながら頭をこすり付けるだけだった。
「ウィルごめん、縄を取ってくれるか」
「お安い御用さ」
ウィルはそう言うと、春樹の後ろに行き、縄を口で噛みちぎった。
自由に動かすことができることに安堵をしながらウィルから仮面を受け取り、顔に付けていると、後ろから大樹のうめき声が聞こえてきた。
「このクソ狼。俺と春樹君の楽しい時間邪魔をしやがって」
大樹は毒を付けながら頭を押さえ、立ち上がった。
「俺と春樹君の邪魔を」
大樹はウィルに向かってナイフを刺そうとすると、大樹の腹から何かが飛び出した。
窓が敗れる音と刺さる音が一瞬で聞こえ、春樹の顔に何かが飛び散った。ゆっくりと眼を開けてみると、大樹の胸からトゲが出ている。
「あっ、あっ」
大樹は声を詰まらせながら口から血を出している。
その光景に唖然をしていると、大樹は刺されながら後ろに引っ張られた。
大樹の後ろにいた怪物に春樹は眼を見開いた。
そこには人間の形をした牙むき出しの男の姿があった。背中には鋭い刃がうごめいている。顔は何個かの眼と牙の口だけだった。髪なんかもなく、ただ身体全体が赤いのみだった。
その怪物は一声鳴くと、背中にある刃を春樹たちに向かって素早く刺そうとした。
けれど春樹はキキを抱きあげ、すぐにその刃を避けた。
春樹はウィルの背中に乗ると、ウィルはすぐにその部屋を出た。
部屋を出ると、すぐにその怪物も部屋の扉を壊しながらウィルたちの後を追ってきた。
「俺の毛並みの中に手を入れろ。俺の中に剣が入ってる」
ウィルは走りながら春樹に伝えた。春樹はすぐにウィルの毛並みを撫でると、少しだけ固い所があった。春樹は手にしてみると、剣があった。
ウィルは懸命に走り続け、ホテルの外に出た。
ホテルの外に出たウィルはすぐに後ろを向いた。春樹はそれに剣を抜き、ウィルの背中から降りると、怪物は走りながら背中に付いている刃を何本かウィルたちに向かって発射してきた。
春樹はウィルの背中から降りると左右に別れ、刃を避けた。春樹はすぐにキキを避難させ、刃を避けながら、赤い怪物に近づくことにした。
刃物が当たる音が響くのが耳に残って仕方ない。少し近くまで来ると、春樹はそいつの腹を切った。お腹の痛みに少しだけ身体を縮めこんだ瞬間に春樹はすぐに頭を刈ろうとしたが、そいつはすぐにもう一つの刃で春樹を真っ二つに切ろうとしたが、その間にウィルが口で押えた。
春樹はその間に怪物の眼を切り刻んだ。
凄い声を声を上げながらも、春樹はウィルの背中に乗り移り、少し怪物から離れた。
「すごい奴だな。なんだこいつ」
春樹は息を荒くしなが言った。
「こいつは人の血などを吸収すると、力や動きがもっと早くなり、強くなったりする奴なんだ。おまけに人も食う厄介もんだ」
ウィルがそう言っていると、怪物は眼を血だけにしながら春樹たちに向かって走り出した。
「あの目だっていずれ回復する。早く殺さないとこいつの能力を高まらせるだけだ」
ウィルは迫ってきた刃を避けながら春樹に言った。
「あいつの体に十分近づけたら剣をお腹の何処でもいいから刺せ! そして剣を放せ。わかったな?」
ウィルは春樹にそう言うと、春樹は「あぁ、わかった」と言った。
そして、鳴き声を上げながら、何本かの刃をウィルたちに向かって迫ってきた。その瞬間、ウィルは真っ直ぐに怪物のお腹に飛びついた
その瞬間、春樹は剣を心臓に勢いに刺した。
「刺したぞ!」
春樹は大きい声で言いながら剣を放した。ウィルはすぐに刃を避けながら走った。
心臓に刺さった剣に、怪物その剣を引き抜こうとしたがその剣からたちまち心臓辺りから氷の水色が広がっていった。
体がたちまち凍る姿に慌てながら剣を引き抜こうとしたが出来ずにそのまま凍った。凍った姿を見た春樹は、怪物が死んだって言うことに確信をした。
「春樹。あの氷は怪物だけが凍っているんだ。だから安心して引き抜いていいぞ」
ウィルは怪物を見つめながら言った。
そうは言ったものの、警戒心を保ちながらゆっくりと近づき、胸に刺さっている剣を引き抜いた。
引き抜くと、力が抜けたかのようにその場に座り込んでしまった。
「ふぅ、ありがとウィル。お前が居なかったら俺はあのまんまあの変態野郎にやられるとこだったよ。あのさ、なんで俺の居場所がわかったんだ?」
春樹は居場所に付いて質問をすると、ウィルは少し息を切らしながら話した。
「大樹の匂いだ。きっと連れ去るには何かで運ぶと思ってね。それでお前の匂いが陰られないのならあいつの匂いを嗅いでここまで着たんだ。でも、間に合ってよかった。あの時、あいつの心を言っとけば良かったよ。でなきゃ、お前があんな風にならずに済んだのにな」
ウィルは反省の色を見せながら春樹に言った。
「いや、俺がちゃんと警戒をしてれば良かったんだ。これからはそうするよ」
春樹も謝りながら言った。
あくびをしながら春樹はウィルにあのBARに行くように言った。
春樹は隠れていたキキを呼び出し、出てきたキキを抱き上げてウィルの背中に乗った。
BARに付くと、春樹はカウンターの下にあるカバンがあることを確認をし、今日はここに眠ることにした。
歯磨きをし、布団を自分の上着にし、ソファの上で一人と二匹は眠った。
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