第15話 これって、なに?

「ちょっと、どいて」

 無理やりケイタは、自分の身体を割り込ませると、その中にスルリと

すべり込む。

「あっ、ちょっと!」

「おい」

予想外の行動に、一同は唖然とする。

しばらくすると

「え~っ!」

すぐに、ケイタの声が響く。

「なんじゃ、こりゃあ~」

ひときわ大きく、ケイタの絶叫が響く。

「えっ」

「おい、どうした?」

さすがにこれは、普通ではない…と察したショータは、ケイタに向かって、

話しかける。


「棺桶だ!

 宝箱かと思ったけど…人が入ってる!」

「えっ!」

これが、ドッキリだとしたら、悪質だ。

嫌がらせだとしたら、成功している。

だがその声は、明らかに動揺している。


「ねぇ~ホントに、死んでいるの?」

 まさか…のっけから、死体?

ウソだろ、とユウジは顔を引きつらせる。

「うーん、どうだかよく、わからない」

さすがに…《それ》にさわるのは、かなり勇気がいる。

 お化け屋敷に、死体?

 それって、出来過ぎたホラーだ。

(まさか…ゾンビになって、襲い掛かってきたりはしないよな?)

ゾクッと、ユウジは鳥肌が立つのを覚える。

「ねぇ、それ…誰だか、わかる?」

いきなり穴の外から、カガリが声をおとして聞いてきた。

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