第13話 もぬけのから?
「え~っ、なんで?」
がらんどうの部屋で、ケイタの声がやけに響く。
パッと、携帯を懐中電灯の代わりに開くと…
確かに、地下室はあることはあるけれど、以前来た時とは、大きく様変わりを
していた。
「ねぇ~ガイコツのコックは?カボチャは?」
不満そうに、ケイタは声を張り上げる。
こんな時に、何を言っているんだ、と思うけれども。
(もうすぐ、中学生になるんだから)
アキは、そこをぐっとこらえる。
「だから、言ったでしょ?
何もないと思うって…」
押し殺した声で言う。
「え~っ」
アキたちは、何かが潜んでいるのでは、とかなり警戒している、というのに…
ケイタは食べること以外は、今は興味がないのか、大きな声で叫ぶと、
まだ未練がましく、その空間をうろうろし始める。
もしかしたら、何か落ちてはいないか…と期待したからだ。
「やっぱり、そうかぁ」
ショータは、ひと目そこを見るなり、確信に満ちた目で、ボソリとつぶやく。
「あぁ」
ユウジも、同じようにうなづく。
なぜならば、この二人…
あの事件の後、ひそかにこの屋敷の跡を、見に来たのだ。
すでに建物が崩れて、何もなく、ほぼもぬけのからだったことを、覚えているのだ。
「おかしいと、思っていたんだ」
「そうだよなぁ」
ボソボソと話し込む二人を見て、
「じゃあ、アキちゃんの招待状は、誰のしわざだって言うの?」
思わずカガリは、二人に向かって聞いた。
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