第17話 神罰が下り始める

 アメリカ


「これがご注文の、市販されている量子コンピュータです」


「おお、こ、これが……」


 アメリカ様のご注文で、常温超電導よりも先に、市販されるほど低電力で、設置にも制約が無い物が求められて、地球より進んでいる先進科学世界からお取り寄せした。超電導の方は目途が付いているのだろう。


「ウィンドウズ系かと思いましたらクロームかAndroidの系統で、マウスだけではなくタッチパネルも使えるようです」


 モニターもセットでHDMIじゃない接続。フルホログラフじゃないが疑似三次元表示。ARM系統のCPUでインテルでもAMDでもない、言語は比較的近い所の物をチョイス。


 向こうの200Vに変換するコネクタ経由で、PC/ATと同じく100V~240Vと幅が広い。


 使用テキスト付きで軽く講習、英語に近い言語だから翻訳しないで済む。


「これが、これが量子コンピュータ」


 研究者のオッサンらしき白衣着た男が頬ずりしながら男泣きしている、タブレットもあるよ。


 どうもこの製品は現代のスーパーコンピュータ以上らしく、多くの人が救われるらしい。


 分解用と使用用と布教用、数十台取り揃えて納品。こっちにはその価値が分からないが、セイバートロン星から来たデストロンの頭領の残骸が手に入ったぐらいの値打ち。


 これもアメリカの軍事基地以外なら、ロシアと中国の特殊部隊が突入してくるぐらい貴重な品だそう。


「これほど完全な物が入手できるなんて」


 石板とか使用禁止の時間停止状態の品を持っていると、アーカムの戦士がアーマードマッスルスーツ着て来るぐらいの品物らしい。


 こんなオーパーツが出回ると、スプリガンのオミナエとジャンがやって来るそうだ。


 時間移動して来る宇宙人(四次元人)がくれる方も、未来のドラえもんが貸してくれるような便利グッズじゃないらしい。


 グレイとかラージノーズグレイは、四次元人が海の底の底まで降ろしてくる、自分の先祖の三次元人に「似せて」作った人造人間だそうだ。



 それにしても、軍事基地だと言ってもパンパンやかましすぎる、演習中なのだろうか?


「突入っ!」


 ロシア語で「突入」と言う単語が響いて、ドンドン爆破されてこちらに向かってくる。


「フリイイイズッ!」


 ロシア語訛りの英語で制止させられるが、5.45ミリじゃあ俺は止められない。


 一瞬エルフ解放戦線かと思ったが、奴らはこっちに連れて来てない。


 奴らの方がエルフなので、やっぱりエルフェンリートみたいな収容所にしまっちゃうおじさんされる。


 鉄の箱に入れられて、どこまでベクターを伸ばせるか、どの速度の鉄球までベクターで逸らせるか計測されてしまう。


 ロシア人は沼入り。


『身体を寄越せ~~』


『ニエエ~~ット』


 ちゃんと相手に合わせて、ロシア語でローカライズして喋るんだ。


 外で銃撃戦してる連中も沼入り、外部の傭兵部隊で金銭契約で、政府は一切関わっていないし、官僚とかも指示一切出していないにも関わらず、もし俺を捕縛できれば、量子コンピューターの残骸でも入手することが出来れば、分散して輸送されて旧共産圏か即ロシア領に運び込まれて研究される品。


 内部通報者が「大変な物が搬入されて来るっ」と上に御注進して「市販の量子コンピュータ」と通報され、急遽軍事基地を襲えるほどの大部隊が編成された模様。


 アーマードマッスルスーツは着てなかったが、手足がガトリングガンになってるサイボーグとか、身長3~5メートルぐらいある改造人間達は参加した模様。


 予定では基地内全員抹殺して爆破、俺を拉致して量子コンピュータも奪い、ロシアまで搬送される予定だった模様。


 でも俺を戦力に入れてなかったので脂肪。範囲指定して全員沼入り、後方部隊で輸送部隊も全員沼入り。


「俺を殺した程度で止められるとでも思ったか?(CV:アノスボルデモード君)」


 魔王とか四天王戦を目指してレベル上げして、30億人ほど殺してあるのに敵対できる訳がない。大型魔獣の方がまだ強い。



 旧サイケラス王国領


 想像してご覧、夫が徴兵されて出征してしまって寂しい家かも知れないけど、子沢山で上の子はお母さんをしっかり手伝ってくれる偉い子。


 夫の方も戦士として出生する時「母さんをよろしく頼む」と言って出て行ったので、子供もその指令を守っている。でも親父の方は無様に死んだ。


 男の子同士はよくケンカするけど、夕食時には笑い顔が絶えないで、みんなしっかり元気で健康に育って、貧しくても盗みを働いたりしない良い子達。


 そんな幸せな家庭に突然終わりが来て、何の知らせも無く、床が黒く染まって沼になり、その中から手が伸びて来て子供達を掴み取る。


 何が起こったのかもわからないまま、子供達の凄まじい叫び声が起こり始める。その中の黒い生き物たちは、口々に「身体を寄越せ」「生きた脳みそを寄越せ」と言ってくる。


 小さな子はギャーギャー泣き叫んで、少し大きい子でも「お母さんっ、お母さんっ」と助けを呼ぶが、母も沼の中の黒い手に捕らえられて、子供の名を呼んでも複数の手の力が強すぎて身動きすら取れない。


 柔らかくて小さくて強度が弱い子から、腕を引き千切られて足を引き千切られて凄まじい断末魔の悲鳴を上げ、上の子まで小さな子を見てやることもできずに、泣き叫んで手足を奪われて行く。


 母親も手足を引き千切られて行き、その凄惨過ぎる光景を見ないで良いように眼球まで穿り出されて奪われて、叫び声を出せないように舌も引っこ抜かれて、顎も引き千切られて腹は引き裂かれて、内臓も引き摺り出されて黒い手が奪い合う、それでも死ぬことは許されないで苦しみ続ける地獄。


 なぜそこまで苦しめられるのか問うても「魔族だから」とだけ答えが得られた。



「副所長、どうしましたか?」


「いや、魔族か魔獣が沼に掛かってね」


「ああ、そうでしたか、まだ集落でもありましたか?」


「ええ、結構大きいのが掛かりましたよ」


 復讐の鬼リッチといえど、幼い赤ん坊や子供を背にして『子供だけは殺さないでっ』と叫んで守っている母親を引き剥がして、中国の村を襲った日本兵みたいに「チャンコロのくせに子ども作って楽しみやがってっ!」と怒りながら、親が見ている目の前で口やケツから銃剣に刺したり、黒人自由化運動の時のように、ショットガンを持ち出した白人が、乳母車から黒人の赤ん坊を取り出して電柱にペシャリ、とやるような悪魔じゃない。


 悪魔は俺だけでいい、今は経験値が必要、魔王や四天王を遥かに超える強さが必要。


 沼を展開しながら、結構広範囲で浄化を続けて、瘴気に汚染された土地や草木、トレントや食人植物にまでなった様な魔木を始末する。


 テッカマンブレードのような世界、大量のラダム樹が生えて瘴気でも出しながら、成長すればハインライン作品のパペットマスターみたいに首元に支配者を植え付けられる。


 ナウシカちゃんやらジロンアモス君の世界みたいに、汚染された世界に適合して制作された亜人、世界を浄化するまでの労力として地上に置かれた人間以外の生き物。


 この世界の人間も、暗黒魔法で改良してやった方がいいかも知れない。瘴気に適応した生き物として、野菜や食い物も変更して、人類も千年を生きるようにしてやった方がいい。


 感染症やガンで二十代で死ぬようなエラーを出さない体、大腸過敏やクローン病のように自己免疫で自分の粘膜を攻撃して転げ回って苦しまされ、大腸全摘以外に生きる手段が無いような苦痛に晒されない体。


 腎臓結石でのた打ち回って油汗かいて苦しみ、ほんの五ミリほどの結石でもがき苦しまされ、その小さな石を砕くために数千発の衝撃波を腎臓や尿管に叩き込まれる、


 人類全体から、生きていけないような障害を取り除いた以降は、長寿と健康を与え、食料摂取が少なくても生きられる体に、多少の過食でもデッブデブのビバンダム姫にならないように、アメリカみたいに全員デブ過ぎて電動カートで移動しないで済むように、ブサイクに生まれ過ぎて命を絶たないで済むように、テストステロンが強すぎて、すぐに殴り合ったり殺し合ったり戦争にならないように。そう、まるでエルフみたいに改変してしまうのはどうだ?


「どうしましたか? 結構怖い顔になってましたよ」


「いや、大丈夫、魔王討伐について考えてたんだ」


「ああ、強敵ですもんね、正直、向こうに行った奴らを尊敬しますよ」


 奴らはその場で死ぬつもりだ、魔王に一撃でも加えれば、魔王が俺に倒される所を見たら、もう帰らないで良いから自決するつもりだ。



 俺と魔法の絨毯が通過した後は、運動場のように一回焼いてある、ペンペン草すら生えない死んだ土地が残る。


 そこはそれ「痩せた土地だぁ、蕎麦から始めねえとぉ」の法則で、肥え桶担いだお爺さんに土から作り直して貰って、堆肥混ぜて肥え撒いて山土混ぜて、カリウム値やリン分から順番に整えて行って貰う。


 土地を浄化するには、まず上に載っている上物を根こそぎ駆除してから。


 ヴァンパイアや人狼やサキュバスも消すが、幸せな御家庭も破壊して消去する。


 立ち退き交渉をして、立ち退いて貰っても、もう帰り道であるゲートは閉じてある。


 流石にこの程度も悪行で種族は変わりはしないが、クソとクズとカスとゴミをこの世から消すよりはダメージがある。



「集落「跡」だ、今日はここらで泊まりましょう、夜間の移動はまだ危険だ」


 リッチなら物理攻撃無効だから、魔獣でも大した脅威ではないが、三毛別熊害事件みたいにならない事もない。


 どっかの大学とか登山部みたいに、ヒグマより怖い奴に目を付けられて、食料や「肉」目当てに来る奴らと、テント越しに夜中まで暗闇で戦うのはしんどい。


 大体沼の範囲で死んでるが、ここにも幸せな御家庭があった。


 煮炊きした跡や、食事を綺麗に平らげ終わった貧しい木皿やコップ、井戸水を一応煮沸した程度の茶のような物。


 部屋の中にも「生物は控えましょう、煮炊きしてから」と書いてある魔族語の案内のような物があり、手洗いやうがいを啓蒙推奨する掲示やら「ダメ、絶対」の系統のガリ版印刷が貼られている。


「ここも生活感がありますねえ、皿や食事跡が出たままだ、放り出して逃げたんだろうか?」


 ほんの十分ほど前まで前の住人がいた。火が着いたままの薪や鍋は処分してあるが、寝床で臥せっていた連中もいて、天然痘か赤痢に感染した者もいただろう。


 感染力は低いがポリオか狂犬病の系統の珍しい病気でも患ったり、原因不明すぎる複雑怪奇な病気を患った者もいた。


 隔離と言う概念があれば、公民館的な物か、教会のような場所の床に置かれ、ゼーゼー言ったりゲホゲホ言ったりゲーゲーシャーシャーやってる奴もいて、いずれここも死んだ村滅びた村になって、生き残った頑強な者が出て行くか、全員あの世行き。


 忍法物みたいに「布団がまだ暖かい」系統のネタもあり、冒険者が屋敷を得る定番のイベントみたいに、幽霊が出る系統のネタもある。


 こっちでは幽霊ごと始末して、もっと酷い沼の底に叩き込んで、十体ぐらい合成された幽霊の上位機種、レイスであろうがグールであろうが沼入り。


 合体が崩れて一人に戻されて「おいっ、何だこれっ? 助けろっ、殺されるっ(死んでます)」とかホザいて、怨念の塊みたいな奴でも浄化成仏されずに沼入り。



 病原菌ごと沼入りしてあるが、天然痘患者の膿が付いたベッドで寝ても、リッチ連中とヴァンパイアは異常耐性が強すぎて患わない。


 それより、最後の境界を超えていない連中が、幸せな御家庭を見付けてしまって「俺達の家は全員滅んだのに、魔族のくせに子ども作って一緒に食事したり、一緒に生活して楽しみやがってっ!」となって、自分の子供と同じ年ぐらいの連中を、親が泣き叫んで庇おうとしているのに見せびらかしながら殺戮したり「笑顔で」レイプしたり放火したり殺戮を「楽しむ」方が怖い。


 逆ゴブリンスレイヤーさんで、納戸の中に隠れている男の子が見ている前で、姉をレイプしてから残虐に殺す。


 逆デビルマンで、ヒロインの頭を槍の先に刺して、ウッホウッホ言いながら行進する。


 もうリッチヴァンパイアで、不可逆なので人間には戻らないだろうが、人間の心まで失うのは俺だけでいい。


 悪魔なので大したダメージも食らわないだろう。



 この家も冬支度で、魔獣肉や「人肉の塩漬け」があったが、鑑定眼がある奴の目に触れないように消去。


 聖人の孔子でも、弟子の子路が政敵に敗れて、人肉の塩漬けにされて孔子の元に送られてからは、食糧庫から人肉の塩漬けは撤去して、好物だったが二度と口にしなかったと言われている。


 これ以上魔族への憎しみが蓄積しないように、小さな子供までが「今日は人間の肉か、オスは固いんだよな」「贅沢言ってないで食べなさい」などと会話しているのを聞かせないようにしないと、もう怒りをぶつける魔族は少ないし、こいつらには最後の一線は越えて欲しくない。


 でも、向こうに行った連中は目にする事になるだろう。


 人肉に加工される工場があって、屠殺場に連れて来られた兵士や市民が、活魚みたいに何日も食わして貰えないで「美味しさ」を絞り出してる状態で、牛や豚みたいに泣き叫んでから「人道的に」殺され、順番に肉に加工されて上からフックで吊るされて、内臓外されて腸詰工場行きでミンサーにぶち込まれる、解体されて手足の先切られて血抜き、首も切られて脳や眼球も、心臓や肺まで無駄にしないように食肉加工。


 氷室みたいに涼しい所で加工され、メスの方が柔らかくて食べやすいので、熟成されたり保存食として燻製にされたりしてから出荷。


 オスの方は燻製にすると硬くて食えたもんじゃないので、ミンチにしたり合い挽きにして加工。


 インドネシアみたいに臭い不味い小魚で、食えたもんじゃないので捨てられていたのが、日本の「かまぼこ」練り物技術で加工すると、味付けもできて急遽食える肴に変貌したそう。


 騎士団長が見てもオッサンだから耐えられるだろうが、マリオ君はまだ中学生なのでムリ。


 リッチ連中に見られると、逆に魔族を食肉加工し始めるだろう。それが子供でも妙齢の女であろうとも。


 自分の子供や家族が留守中食肉加工されて、奴らに食われたのが知られると、相手が善良な市民であろうとも、絶対に許したりしないだろう。


 気の毒な奴らは、聖国在中の文官や武官で、遠く故郷を離れて任地にいる間に国が滅んだそうだ。



 魔界


 まずこちらで生きて行けるように巨大ストーンゴーレム作成。


 身長57メートル、体重550トンぐらいのを作成して行く。俺なら巨体が唸るぞ空飛ぶぞにもできるが、ザ・ムーンみたいに動きもせず空中移動できる程度。


 魔石使ってチョロチョロでも水やシャワーが出るように加工して、地球からお取り寄せしたエンピ管でDIYで配管。


 最近は接着剤のイイのがあるので、適当に切って接着剤塗ってはめ込むだけで完成する模様。


 ねずみ色のエンピ管じゃなくて、寒冷地や凍結の恐れがある場所では、黒い方の配管を使うらしい。


 外で凍結したり、北海道みたいに地吹雪吹いてる中をレリゴーしたり、車が立ち往生したからと言って、娘を抱きかかえるように守って凍死しないで良いように、ゴーレム内部だけでも温める。


 俺達は宇宙船の中でも敵対せず、閉鎖空間の中でも揉め事を起こさないライトスタッフじゃないので別居。人数分ストーンゴーレムを割り当てる。


「まあ、これが配管だ、現場合わせで適当に切って、接着剤付けてはめ込むと固まる」


「おお~」


 若くて苦労人のマリオ君は俺の作業を見て、見よう見まねで塩ピ管の配管を済ませたが、人情警官で団長はまるでダメ。文官のリッチ達も推して知るべし。


 こいつら元高級官僚で、低所得者の3K労働にフリーライドして来たくせに、森本拓郎とか言ってない主張の林修先生みたいに「年収一千万以下はお荷物、税金払ってる以上のサービスを受けている」とホザいて、処刑宣告を受けている奴らと一緒。


 現場作業は一切できない。詰まった便所一つ開通できない、あれは「スッポン」と呼ばれるゴム器具を差し込んで、沈めてから何度でも激しく引き抜くんだ。


 でも、弊社なら年内施工も可能ですっ! 口ばっかりの営業が施工部隊の許可なく仕事取って来て、次にはアロハ着て年末年始旅行に出かけて「後は任せた」。


 まあ、洗濯はできないし、シャワーもちょろちょろ、炊事と飲料水はとりあえず尽きることがない。


 シャワーの水をためて洗濯に使う様な事をすると、既に水が腐敗していて服が臭い。


 魔石は俺の魔力でパンパン。前から思っていたが、この「魔石」って、ルビーと一緒で一回「るつぼ」で融かしてから焼き固めたら、大型魔石できるんじゃね?


 水シャワーと水回りと便所とミニキッチンが出来たが、相変わらず俺には「パンを石に変えるスキル」があるので料理できない。料理スキルとか無いんか?



 出立の準備は出来たが、魔物魔獣魔族のお客さんが来たのでまずは沼入り。


『生きた体~~~』


『ああっ、ああああっ!』


 奴らにも帰る家はあるだろうから、病原菌も散布。魔界なので天然痘以外にも、ついにペストも散布。死ね。


 死骸兵を操って、病原菌でオナカイッパイの状態で、元いた場所へと返してやる。そこが軍令部かゲート周辺に住んでた奴らの避難所なのかは知らないが、全員感染だ。


 魔物魔獣魔族を分散して、数十方向に展開させてやる。


 魔族の集落を襲わせて、水飲み場で水を飲んで、井戸を使って樽に口を付けてゴクゴク飲み、公共の便所で病原菌垂れ流し、公共の入浴施設も利用して、公共の洗濯場も利用する。


 顔や体に真っ赤っかの痘瘡が出たり、真っ黒に死滅したペスト感染した患部、別名「黒死病」の部位が出てきたらオシマイ。


 取り押さえられて殺されるか、隔離施設にご案内。もうその頃にはパンデミックが始まっていて、インフルエンザに感染したり、肺ペスト感染した奴らは立ったまま突然死する奴まで出てくる。


 後は善良な奴も腐った奴も等しく死が与えられる。今度は俺らだけが撒いたから、レベルアップの効率もさぞ良いことだろう。



 ドイツ


 もう目の色変わっちゃってる黒服が、次々にやって来る。


 こちとら背面から火吹いて走るレース仕様の市販車とか、TCS付きで四駆で、少々踏み込んでも横向かないようなレーシングカーでアウトバーン走るのに忙しいんだ、邪魔しないでくれ。


「さて、前回どこまでお話しましたかな?」


 日本のお家芸、前にどこまで話したか忘れて、相手側に問いかける塩対応。


「以前の態度には謝罪します、どうか、我らにも新天地を」


 アメリカイスラエルにトルコにパキスタンまで星貰ってるのに、仮想通貨でヤラカシて、税金しこたま取り上げようとした、口の左の端っこが上向いてて、人を嘲笑う事しかできなかった上級国民様も、二度とまともに対応して貰えない塩対応。


 俺の車止めまくって切符切って「どうだ、怖いか? まともに扱って貰いたければ税金を払え」とやって、パトカーの中身全部空になるまで沼入りさせられ、賄賂警官全員ホムンクルスの刑。


 自由主義陣営だから特殊部隊の突入はできないはずだが、マフィアやらロシアンマフィアやら中国系のマフィアやら送り込んできても全員沼入り。相手一人だからとことんまでやらかして、自動小銃さえ持ち込んだら誰でも言いなりだと思い込んでた奴らが大量。


 次回学習してくるのかと思ったら、精々RPG持ち込むかロケット弾程度、ロケット逆に発射する馬鹿とか、そのへんのゴミクズ拾ってきて傭兵に仕立てるアホ装備で、傭兵団すら使わなかったゴミ。


 俺の家と駐車場にRPG何発も打ち込みやがったな? 事前に阻止したが金払って弁償しても許さん。まあ全部沼入りさせたが、ヨ-ロッパ人絶滅するまでヤル。


 俺と喧嘩するんなら鉄夫君みたいに最低限レオパルド持って来い。それかタイフーン戦闘機。


 あ、メルケルさんに予算減らされまくって、稼働する戦車も戦闘機も無いんでしたか?



 指導者全員リプティリアンにされて仕返しされて、腐り果てた上級国民高級官僚全員ぶっ殺されて、空港にいる腐った奴も消去、暴動起こしてた奴らも消去されて、ヨーロッパだけでも十億人ほど殺されてから、やっと誰の仕業かと気づいて降伏。


 吐いたつば飲むなや、最後まで突っ張って、EU地域全員ぶっ殺されるまでやれ。


「以前、私の駐車場や家にロケット弾打ち込みましたな、その政治家で国士で勲章持ちの上級国民様、全員死にましたか?」


 全員黒焦げで、ネオナチでも社会民主党でも国士でも勲章持ちでも、リプティリアンとして市民に吊るされ、一族郎党一人残らず子供までレイプされて焼き殺されて、死体まで辱められて死んでる。


「は、はい……」


「私と貴方達は「戦争状態」で、毎日のようにマフィアやら暗殺者を送り込まれて、殺す殺されるの関係だったと思いますが、今更星や新天地が貰える立場だとでも思い込んでます?」


「い、いえ……」


「貴方達は全員、私の経験値になって頂くことが決定しました。EU領域もイギリス以外は消えて頂くか、空白地帯として中東やアフリカに譲渡されます」


「それだけはご勘弁をっ!」


 日本みたいに「何故か」東南海地震が起こって中央構造体が動いて、阿曽カルデラが吹き飛んで、九州全域が火砕流で全滅、四国もうどん県も中国地方まで火砕流が到達して、韓国領域まで南部は壊滅、朝鮮半島みたいにペクト山が噴火した十世紀頃のように、西部全土が溶岩に満たされ始めている。


 あっちも俺が何もしていないのに不幸になって、こちらでもイタリアやアイスランドのスーパボルケーノが噴火したり、また高速鉄道のICEが脱線大事故したり、水害で大変な地域が水没して農業も大ダメージ。


「何故か私に敵対した所は、私が何もしなくても災害などが起こって制裁されるようです。日本なども通貨価値が十分の一以下に落ちて最貧国になり、諸外国からの救助を待つような有様。こちらでも次々に災害が起こり始めて、新たな星の提供さえ受けていれば、まだ救いがあった物を、それを自ら拒否して「神罰」を受けたのでは無いでしょうか?」


 悪魔に神罰は起こせないが、悪罰?とでも呼ぶようなものが起こっている。


 まあこいつらも、俺がやったと思っているが知らない。


「貴方に実力行使した連中は全員死にました、どうかお情けを頂戴して、残りの者達には生きる道を」


 エアバス社のA360のプログラム責任者みたいな、口の左側が吊り上がっていて、人をクスクス嘲笑い続ける汚らしい奴らは全員処分した。


 お披露目飛行の時、墜落寸前でパイロットが泣き叫びながら「パワー、パワー」言ってるのに「スロットル全開から40秒間ディレーされる」設定だが、何故か書き換え禁止のフライトレコーダーからその40秒はカットされて、パイロットの責任になった。


 墜落しないように高度を下げても「高度40メートル以下では墜落しないように高度を上げる」逆操作を機体にされ失速、大勢の観客もメディアが撮影している中で見事に墜落、それもパイロットのせいにされて逮捕。


 プログラム責任者はニヤニヤ笑いながら「彼は墜落せずに済んだ訳だ」と笑い続けていたが、コイツは逮捕されなかった。



「そう言われましてもねえ、私は神の使徒でも何でもないですから、武装組織を家に突入させた奴らを赦して生かすなんて、神の所業でしょう」


 何故か俺に逆らった奴らには神罰が落ち始めている、ロシアも中国も内戦で大変。国が分裂しまくって、周辺国に借りた軍隊と資金で四分五裂、黄布賊が立ち上がって「国は麻の如く乱れて、民は塗炭の苦しみを味わい」ルートへ。


 星を与えられた善き者達は新天地へ行けたようだが、それ以外の者達には神罰を。


 こうなることが決められていたかのように、イエローストーンが噴火を始めた。


 富士山の400万倍のシベリアトラップや、8000万倍のオントンジャワ海台が噴火するほどじゃないが、トバ火山と同等なので終局噴火すると地球は凍結する、ニュークリアウィンターを食らったレベルで凍結する。


「貴方もご家族がいるでしょうっ、資産だって車だって家まであるのにっ、それを凍結することもできるんですよっ」


「家族なんていませんよ、他に大事にしてた家や車を破壊して拉致監禁しようとしたのが貴方達です。資産凍結などやれるもんならやってみるがいい、お前達の指導者も上級国民も、全員俺のホムンクルスに変更してある。お前ら、悪魔に喧嘩売ったんだよ」


「あああああっ!」


 感情的になって叫んだが、自分に死刑判決を出して自殺したのが、自分達本人だと思い知らされて頭を抱えた。


 イギリスは同盟国アメリカの紹介で「エデン」でゲートが開いている。アイルランドはEU地域だが悲しい歴史があるので、特例でスカンジナビア半島とかバルト三国の連中と一緒の星へ。


 スカンジナビアの連中もEUだが、加入が短いので特例。フィンランドジョークで、マイナス273度の絶対零度でコキュートスまで凍結しているのに「今日はやけに冷えるじゃないか」と悪態がつける連中なので勝てない。


 人口200万人しかいないのに、フィンランドラリーではほぼ全員フィンランド人が優勝。F1でも日本人が表彰台に上がるのが悲願なのに、平気で優勝して二位にもフィンランド人が立つとかありえない事を平気でヤル民族。



 いつも通り、それが特殊部隊突入の合図だったのか、ドンドン爆破しながら突入して来て全員沼入り。


 一般病院にドイツ最精鋭の特殊部隊員が運び込まれ、数が多かったので複数病院へ。


 俺の家に突入して、俺のダミーをドツキ回して蹴りまわしてゲラゲラ笑っている映像を各種メディアに送付、最後に自爆されて家ごと吹き飛んで病院搬送。


 政府が映像を止めようとしたが、既にツイートされまくってコピーが増えて行き、テレビもメディアも俺が押さえてあるところから漏洩。


「学習能力が無いですなあ、爆弾と自動小銃があれば、誰でも拉致して監禁して自由自在、とうとう自国の特殊部隊投入ですか? 全員沼に嵌って貰って地獄行きですよ」


「そ、そんな……」


 交渉決裂したら特殊部隊突入、こいつらも中国ロシアと変わりない。

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