最近、胃腸炎になった
というより体の調子を崩しっぱなしだ。
季節の変わり目とか以前に、2023が始まってからこっちずっとそうだ。やれ足の筋を痛めただの、ものもらいだの、ちりつもである。
友人に言わせれば「今年のあんたはおかしい。」とのことだった。
幼少期に学校休みがちキッズだったわたしは「またかぁ。」と鷹揚に構えていたのだが、そうか、おかしいか。
確かに一つ一つは安静にしてさえいれば1、2週間で軽くなる症状とはいえ、先程も述べたがちりつもである。
いずれ大きな怪我にも繋がりかねない恐怖に駆られ、お参りに行った。神頼み。
病気平癒のご利益がある寺社を調べはじめて幾日か後、学生時代の同期がSNSで怪我をした旨を呟いた。しかも立て続いているらしい。同士よ。
久方ぶりの再会も兼ねて、二人で出掛けることになった。
目的の神社を決め、飯はここにしよう、甘味はここで、と主題が食になりそうなデート計画をそりゃあもうウッキウキで立てた。立てたが。
待ち合わせ場所に現れた友人は久しぶりだねの二言目に、渋い顔で蕁麻疹を告白した。前日の晩から突然に発したらしい。
幸先が悪すぎる。
夕方に診察予約は取れたとのことで安心したが、午後にはすぐ解散という運びとなり、限られた時間に計画を濃縮させるべく我々は動いた。
目的の神社がある下町にて、開店と同時に天丼を食らい(朝10時)、後に名高い神社へ向かった。
神社は「一柱」と数えるらしい。へぇ。
並んどる。
お参りもお守りも、並んどる。これは期待値が高い。やはり噂は本当だったかと意気揚々と列の後ろについた。待っている間にはお守りの種類が一覧となった表をスタッフが持って来るなどシステマティック。つまり普段から長蛇が想定されるほど人が集まるということだと解釈した。
天丼屋でメニューを手繰り、どれだこれだとはしゃいだのを繰り返した。いっとう強そうなものにした。
お守りは「一体」と数えるらしい。ほぉ。
お参りを済ませ授与所へ向かう途中におみくじがあった。今年始まって以来、一発目が凶だったこと連続して4回。果たして。
お参りの効果絶大、二人とも吉だった。手を叩いて喜んだ。これはすごくないか、と。
ますます翌日以降への期待が膨らんだ。
調子に乗った我々はその後近所の別の神社へもご挨拶し、ジェラートを味わい、喫茶店ではケーキを食した。解散。
参拝の甲斐があり、友人の蕁麻疹は早いとこ赤みが引いたらしい。良かった。
ここまでは。
わたしの胃腸炎は、この参拝の後のことなのである。
こんなにも体って痛くなるのか、という程だった。帰宅のタクシーで意識があった記憶が無く、あれは気絶だったのではないかと思う。初めてだ、そんなのは。
少し症状が改善し、固形物を避けてアイスを食べて余計に調子を崩した。アイスを受け付けない体になる日がくるなんて信じられなかった。我慢できなかった自分が悪いが。
件の友人はというと驚く程体調が優れているらしい。これが日頃の行いってやつなのか。
ここはひとつ、ポジティブに考えてみよう。
入院が必要な病気じゃなくて良かった!
階段は落ちたが、頭や顔を打たずに済んだ!!
鍵を落としたがすぐに見つかった!!!
はい、どれもどうにかなっている。
お参りしていなかったらどうなっていたか分からない、きっと、多分。そう思うことにしよう。
年内にはお礼参りへ行こう。おみくじは引かない。
ご利益は持って帰りたい。
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