第38話 大嫌いな行事
琉月には大嫌いな行事がある。それは学校の”グループ発表”だ。グループ発表とは、先生のランダムに決めたメンバーで、調べた内容を発表する行事だ。
去年は、『約二百年前の文化を調べよう』というテーマで、琉月のグループは”コンビニ”のことについて調べた。
グループ全員で話し合ってテーマを決めたあと、グループ全員でそれぞれ調べて分担して発表する。
だが、琉月のグループは、琉月の苦手なクラスメイト、あみがすべての発表を決めてしまったのだ。
あみの書いた台本のせいで、琉月は悪目立ちしてしまい、それ以来、視線を集めることとあみが嫌いになってしまったのだ。
そのあともあみは理不尽な理由で琉月を怒ったりと、どんどんあみが苦手になっていく一方なのである。
しかも、実由はあみの友達だ。
もしかしたら将来、実由もあみみたいになってしまうのでは……、と琉月は恐れている。
そう思うことにも理由があるのだ。
実は、昔の琉月の友達「みかんちゃん」があみの影響をうけて、あみと似た性格になり、琉月と仲良くしてくれなくなってしまったのだ。
「はぁ、グループ発表やだなー」
思わず辛そうにつぶやいた琉月の言葉に、相原(元)先生への怒りが止まらなくなっていた絵梨果も心配そうな顔に変わり、
「大丈夫?」
と声をかけた。
「ん、あぁ…全然、平気!」
「ほんと?」
「うんっ!」
「ならいいけど。良かった。」
「よぉ〜し!勉強するぞ〜!」
「「おーーー!!」」
いつ作ったのかわからないが、初音は「宿題地獄からの解放」と書かれたはちまきをつけている。
「なにそれw」
「がんばれ〜私は今あと3ページで数学終わるから〜!」
「うそっ!私が来る前もやってたとしても進み早すぎない!?私、残り14ページだよ!?」
「絵梨果…。私なんてあと30ページだよ!」
「初音とか絶対終わらなそーw」
「そんなことないし!!!」
「はい、数学終わりぃ!」
「琉月いいなあ〜。」
「けど、まだ漢字残ってるでしょ!」
「うっ…けど、絵梨果も英語とか終わってないんじゃない?」
「ぎくっ…まぁ、初音ちゃんよりは終わってるし?」
「ねぇ〜!ひどいよっ!マジで終わってない人にそのセリフは!」
「ごめんごめん💦」
店の人「お客様、なにかご注文を…」
琉月「あっ!ごめんなさい!えっと、私は……(精霊を透明で召喚して分けてあげよっかなー)ひかりタピオカをグランデサイズで!」
初音「え、グランデ!?食べきれる〜??あーっと、私は表に宣伝してた、期間限定おしるこタピオカ!おねがいします!」
店の人「かしこまりました〜」
絵梨果「おしるこタピオカってあんまり人気ないんじゃなかったっけ…?あ、えっと…私はきらめきマンゴータピオカで!」
店の人「えっと……それはもう最後の1つがあちらのお客さんの注文で終わりなんです。数量限定の人気商品ですので……」
絵梨果「えーー?」
絵梨果「そこのお客さん!このきらめきマンゴータピオカ譲ってください!食べたいんです!」
「いや、私も食べt」
絵梨果「譲ってくれますよね?((圧」
「ど、どうぞ……」
絵梨果「これで、注文受け付けてくれますよね?店員さん。」
店の人「は、はいっ……(怖」
店の人「どうぞ、ご注文の品です」
「「「わーい!」」」
琉月「(よし、精霊を透明で召喚して……)はい、あげるね〜」
たかし「琉月様ありがと!」
アルディア「おいしいです〜!」
琉月「はぁ……美味しいねぇ…」
初音「タピオカおいし〜!」
絵梨果「幸せ〜!よし、宿題頑張るか〜!」
「数学おわた!」
「え!絵梨果まで!?」
「漢字があと23ページかぁ…。宿題が一番進んでる私でも結構残ってるなァ…」
「うう…終わったら二人手伝って〜!」
「わかったよ〜多分終わんないけど」
「いいよ〜絶対終わんないけど」
「ありがとう!気持ちだけでも」
「「「はぁ…………」」」
と、三人は宿題三昧な日となりました。
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