第27話 月狼

寝袋をだし、寝ることにした。ウンディーネを召喚する。サンドツリーとの戦いでLv.25になっていたので、精霊を連続9時間召喚できるようになっていた。なので9時間連続睡眠ができる。ロロ、クルミ、アリスも滞在時間が延びて1時頃までいることができる。


「夜、魔物が近づいてきたら倒しといて〜。んで、倒せないほどだったら、私達起こしてね。あと、召喚滞在時間が終わって帰る時も私を起こしてね〜」


「いえっさぁ〜!皆様は寝ててくださぁい!」


「ねむぅ〜」


「寝よう…」


「おやすみ〜」


〈11時半〉


ロロ「琉月様!起き…」


琉月は飛び起きた。

隣には死んだように動かないロロとロロを仕留めたであろう狼のような魔物。


琉月「何…え?これ…え?狼?魔も…え?強…え?」


寝起きなのもあり頭が回っていない琉月。ロロは死んでしまったのか、この狼らしき魔物が何か、そんなにこの狼は強いのかなど聞きたいことがたくさんあるのに聞けない。


初音「むにゃぁ〜…ん、騒がし…うわっ!魔物!?」


実由「ロロ!?大丈夫!?え、死んでないよね!?」


アリス「皆さんお目覚めになられましたね。あ、ロロは大丈夫です。精霊はの魔法や物理攻撃では死にませんから。ただ、本来なら死んでたであろう程のダメージを受けると倒れて数日動かないだけです。」


実由「よかったぁ…」


初音「んで、あの魔物は?」


アリス「あれは、月狼ルーメンです。」


琉月「月狼ルーメン?」


アリス「はい。とても珍しく、初級ダンジョンの中では相当トップの強さを持ってますね。魔法攻撃も物理攻撃も可能です。」


実由「えっ!魔法も使えるの?」


アリス「はい。『月爪』という月属性の斬撃を飛ばす魔法です。」


初音「ふぇ〜!」


アリス「それだけでなく、月狼ルーメンの毛皮はとても熱く、多少のものなら燃えてしまいます。触れたら火傷してしまうので気を付けてください。」


琉月「すごい毛皮だね〜。よし毛皮と魔法に気をつけて倒すぞ〜!」


琉月はとりあえず大量のウンディーネを召喚した。月狼ルーメンの毛皮を水で冷やそうと思ったからだ。


水だけだと足りないそうだ。全然倒れない。アリス曰く月狼ルーメンの苦手属性は水らしいがそれだけだと倒れてくれなさそうなのでサラマンダーなどの4精霊の他の3種類も召喚する。ついでに猫又も数柱。物理攻撃で戦う精霊も召喚してみようと思ったのだ。


猫又が


「いやぁ〜」


と気の抜けた声で気合をこめて最後の月狼ルーメンを仕留めた。


月狼「うっ…うっ………5日後、すべての月が満ちる…」


ついに最後の月狼ルーメンが死んだ。意味深な言葉を残して。


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