第26話 真の精霊女王の姿

無血戦闘は難しい。幸い動きは集中していれば避けられる速さだが、疲労すれば避けきれなくなる。早めに決着をつけたい所だ。


琉「ロロ!クルミ!攻撃して!!って精霊も血、出る?」


ロ「でないよ〜。」


初「あ、じゃあ精霊に任せればデンジャラスツリーにならないで倒せるんだね!」


ア「けれど、『サンドツリー』の状態でも少し『魔法耐性』があるので攻撃は効きにくいかもしれませんね。」


実「へ〜アリス物知りだな…って魔法耐性、素の状態でも持ってるの!?うわぁ…倒し切れるまで枝攻撃避けきれるかな…。一滴でも血が触れたら『デンジャラスツリー』になっちゃうんでしょ?」


琉「血が出ない方法ないかなぁ〜。」


ア「?何言ってるんですか琉月様。人間っぽく変えるフィルターをOFFにして、真の精霊女王の姿に変われば血なんて出ませんよ?」


琉「え!?そうなの!?知らなかった!!!え〜あの筋肉モリモリでつの生えてて羽バッサバサの姿?」


ア「wwwはい。あれだと物理も強いのですぐに倒せるかと。」


琉「はぁ…『ステータス』…押すね?オフにするね?ポチっとな。」


琉月が押した瞬間体が光り、羽が生えて肉付きが良くなり、空に浮いた。


「ふえぇ!え、は、羽!すごーいーね?えーと、筋肉ムキムキだね?」


「何故に疑問形?まぁ気持ちは分かるけど。真の精霊女王の姿?すごいね。」


「あのね、これね、なんか、ほんとは精霊王だからか知らないけど、スゴい筋肉モリモリでさ。気にいらなくて…。まぁこれで飛べるし血も出ないから!『サンドツリー』の苦手な物理も筋肉で解決だし。(筋肉が嫌いな琉月の精一杯の皮肉)余裕で倒せますよ!待ってて〜。攻撃に当たらないようにだけしててね〜。」


「ふふふ、『物理も筋肉で解決だし』って脳筋みたい…(琉月と実由からの無言の圧)あっごめんっ…ごめん!」


「初音ちゃん?琉月ちゃんも気にしてるんだよ?それはダメだよねぇ〜」


「はーい…。ごめんなさい実由先生…」


「琉月ちゃんに謝りましょうねぇ〜」


「琉月ぁ〜ごめん!」


「はぁ…。デリカシーよ!…まぁいいや。私も時々デリカシー皆無発言するしね。まぁ倒してきますわ。」


「「いってら〜」」


「この姿になってまともに動くの、初めてなはずなのに、角の感覚も手に取るようにわかるし、羽も手みたいに自由自在に動かせる…うわぁ感覚リアルすぎて殴る感触も伝わりそうで嫌だなぁ…」


軽〜く殴ってみた。


「あ、強靭な肉体すぎて殴った感触もわかんないわ。こりゃいいや。」


琉月は羽と手の4本で木を殴り折りまくって倒した。


「いや、なんか…この姿最強?なんか余裕だね。ガチで余裕だったわ。けど、筋肉ムキムキはJCに堪えるからやめようっと。」


「やめちゃうんだ。まぁとにかく倒せたね〜!おめでと〜」


〈8時〉


「大した収穫もなかったね〜。今日はそろそろテントの準備しよっかね〜周りの魔物は一通り倒したし。」


「夜中の警備は私に任せて!精霊に頼むから!まぁ、帰っちゃう前に起こしてもらって召喚しなきゃいけないけど、交代の見張りやるよりいいでしょ。」


「もう今更だしどうにもなんないけど、やっぱり精霊召喚魔法強すぎだよね。後衛、肉壁、見張り、偵察、輸送…真の姿では前衛もできるし。」


「ね〜。やっぱり精霊召喚魔法いいよね〜。」

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