第17話 喧嘩

「じゃあ、そろそろ進もっか。」


「うん。」


次はターザンロープで繋がってる塔だ。


「落ちたら…死ぬ…」


ターザンロープは3人ともそんなにやったことがなく、足がすくんだ。


「…あっ!そうだ!シルフに飛ばせてもらったら?」


「あ!いいね!『召喚!いでよ!シル…』」


「ストップすとっぷぅ〜!僕らかまいたちも、攻撃系とはいえ、風の精霊なんだよ!3匹もいるし、人1人は飛ばせるって!」


「ほんと!」


「任せろ!」


本当にかまいたちは人を1人飛ばせられた。一人ずつ運んでもらい、全員がターザンロープの向こう側についた。


実「ありがとう!」


か「いいってことよ!…だけど、もうそろそろで5時間経つからさよならだな。」


初「え〜!名前は?」


か「ないよ〜。」


琉「じゃあつけるね。」


初「バカっ!やめろ!」


琉「転ばせ係は『カマール』!!!斬りつけ係は『シャキン』!!!薬係は『クルリ』!!!」


実「あーあ。やっちゃった…。まぁ、けど、マシな方かな?タカッコゥーよりは…。カマールはちょっとネーミングセンスがやっぱり少ないな〜って感じするけどね。」


初「アハハ…あと、全員まとめた名前も必要だよね。」


琉「私つけたい!」


初「ダメっ!あんたみたいなネーミングセンスない人に精霊の名前つけてほしくないのよっ💢!!!」


琉「え」


初「たかことかたかしとか精霊が可哀想でしょ!カマールとか何?鎌ーる?もう可哀想すぎでしょ!」


琉「うっっ…ご、ごめん…💦私ってネーミングセンスないよネ…………け、けど!言い過ぎだよ!」


初音は100%怒り、琉月は50%怒り50%泣きだ。

2人共謝ろうとも怒りを落ち着けようともせず、口を利かない。

実由はどっちの味方についても喧嘩がヒートアップしそうでオロオロしている。


「あ…琉月、初音。一応私が名前つけとくね。『フェルミン』にします…」


5分ほど沈黙がつづき、もうフェルミンも消えてしまった。

もちろん2人は謝らない。負けず嫌いな所が多く『絶対謝らない系女子』なのだ。


「ふんっ!ぷすかすかすかぴーぴぷんすかぷぷ」

「ふんふんぷんぷんすかっすかー」


二人共、呪文のような言葉を発して怒っている。


ミニダブが鳴った。


「あと30分で引き返してください」


一本調子な電子音声。だが内容は…


「えっ!!!後30分で引き返すの!?」


「大急ぎで少しでも先まで進まなきゃ!」


「行こう!」


ギリギリ2層目についた。走っている。


実「あ、落とし穴あるよ!ジャンプして!」


琉「よっ!」


初「えっ」


初音が落とし穴に落ちてしまった。1人では中々上がれないような設計の落とし穴だ。そこで初音を助けたのは、琉月だった。


「よーいーしょぉっ!」


初音の手を琉月が引っ張り、初音を穴から引き出した。

二人共、尻もちをついた。


「琉月ぁ〜!さっきはご…////あ、ありがとぅ…」


「ふ〜ふふ〜!い〜よぉ〜!(煽」


「💢ふふ」


「ふふふふふ」


「「ふふふ、あははははははは!」」


2人はずっと笑っていた。…というわけにもいかない。もう間もなく帰らなければ。


「『召喚!いでよ!ジェリィの集落のシルフ!』」


台今山のシルフのみんなをまとめて召喚し、魔物を一掃してもらった。


2層目の途中で引き返すことになったが、3人からしたら、満足な結果となった。

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