第10話 今日私の誕生日だっけ!

「え〜今日私の誕生日だっけ!」

「なんで忘れてるのよ…」

「ごめんごめんw」


気づいたら無意識に琉月はプレゼントを開けていた。


「あ!猫又になる前のミミが印刷されてるTシャツだ!犬派だけど、かわいい!嬉しい!」


「私達も色違いもってるんだー!琉月は好きな色、水色でしょ?だから水色だよん♪」


と嬉しそうに初音。


「ほんとに…こんな、嬉しすぎるプレゼントありがとうっ!!」

「どういたしまして!」


3人でニコニコのまま、Tシャツを着て、バッグに教科書なんか入れずに、(方程式のテストは〜w)3人でわいわいひかりタピオカのお店へと向かった。




〈ひかりタピオカ店〉


「「「はぁ〜」」」


3人のため息が重なる。


「琉月の家からだと、20分近くかかっちゃうんだねー」と初音。


初音の家からだと、10分もかからずにひかりタピオカ店 に着くらしい。


「いつもより混んでいるね」と実由。

「ほぼ席ないじゃん!」と 琉月。

「あの、窓側に座っている男の人、見たことあるような……」と初音。



「相原先生だ!!!」


3人で思わず大声で言ってしまった。


その時に限って店内が 静かだったので、店員や店にいた人はいっせいに琉月たちの方を見る。

琉月はとっさに口をおさえた。


相原先生は、マイペースなので、気づかなかったかのようにゆっくりとひかりタピオカを飲んでから言った。

「幸野谷と元宮と栄木、同じ 服を着ているなぁ。相変わらず仲良しだ。」と言った後、


「なつかしい」とぼそっと小さい声だ。


琉月は率直に聞いてみた。


「本屋さんはどうですか?」


少し間があった後、相原元先生は質問に答えた。


「すぐに倒れてしまうけれど、順調だよ。最近は本屋では集中できないから、このひかりタピオカ店で、たおれないギリギリで店を出て本屋のベットに寝転ぶっていう生活をしているんだよね。」


大変そう…。そう思った。相原先生はひかりタピオカ店の常連らしく店員さんと仲が良さそうだった。相原先生の本の店舗は拡大していて、駅の近くにも店を聞いていて…………



そういえば相原先生の前に何冊かの小冊子が。


「この本って新作ですか?」


「ああ。もうLv.10だからな。」


「「「えっ」」」


「そりゃ1時間しか1日の間で起きていないという生活をしていたらなるだろ。」


「へ〜たしかにね…」初音

(Lv.10まであげとこ…)←琉月

(がんばろう…)←実由


「この本みてくれよ、昨日作ったんだ!Lv.1=300文字で、Lv.10だから3000文字、おれの最大の全ての 力を使った本だ」


といっても数Pしかない。

題名は「Lv.について」


[Lv.とは、強さに直結する。Lv.があがると、技や魔力量が増える。]


100文字ほどは知っていることだ。 その後は…


[Lv.10までは、練習であげられるが、それ以降は、人や魔物と戦ったり、倒さなければあげられない。]


「ほら!この部分読んだか?おれはもう練習で行きつく最大Lv.になってい るんだ!」


「まだよんでる!」←初音


「だが、人の場合は殺さなくても、Lv.UPすることがある。一方的な戦闘では LV.UPしない。」


「一方的な戦闘ではLv.UPしないから、テロや犯罪ではLv.UPしないんだ!ふふふ…これは今度のテストに出るに違いない!(でません)フハハ!」


「…実由。琉月。別の店行こうか。」


「「うん。」」


「え、あ、え、お、おーい!お前ら!えーっと…Lv.は上がれば上がるほど、上がりにくくなるんだ!」


「はーい」


〈月曜日〉 

1時間目は、テスト返しだ。広道先生が名簿を見て、一人ずつ名前を呼ぶが、もちろん名字にふりがなは無くて…


「えっと…魔物のテストを返します。……1番天寺(てんてら)さん。」


「先生!天寺(あまてら)です!しかも2番です!」


笑い声が巻き起こる。先生の顔は早くも真っ赤だ。


「えっと…じゃあこっちが1番…相川さん!」


「はいw」


「3番伊勝さん」


「はぁい!せんせー!親が離婚&再婚したので原田に変わりましたぁ!」


また大笑い。笑える内容ではないが、あみの明るい性格から、既に笑い話になっているようだ。


「大川さん」

「はい!」

「岡山さん」

「はい!」


代表委員の岡山久美は満点だ。


「―――十二番幸野谷(こうやたに)さん…。」


「先生…幸野谷(こうのや)です。」


「「「wwwww」」」


もう、何度目かわからない爆笑。広道愛はうつむきながら、小さな声で返却する。


(先生かわいそう…)

ここで琉月はテストに名前を書き忘れていたことを思い出した。恐る恐る見ると…


「やった!満点だ!」


名前を書くのを忘れていたのは表だけで、裏には書いてあったのだ。端っこに、広道先生の字で、「表にも名前を書く習慣をつけましょう」と書いてある。


「優しい先生で良かった…」


相原先生なら、だいたい0点だ。

実由も満点で、歓喜している。


斜め後ろでは、岩猿の猿を書き間違えた初音が撃沈していた。


「あ!あ!言うのを忘れていました。土曜日、竜のような何か落ちてきて、大さわぎだったので、魔法のテストがなくなっていたので、今から魔法の実力テストをします!」


と広道先生が急に大声を出して、言った。


キーンーコーンカーンコーン―――

琉月は、水氷ということにしているので、氷の精霊フラウと水の精霊ウンディーネのたかし達を召喚して魔法を使ってもらう。余裕だった。

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