第90話 一難去った?

おはようございます、ナリアルさんの腕の中で起きましたリンです。一瞬ドキッとしちゃったのは中身が高校生だからなんだろうけど。安心感の方が感じるからもうだいぶこっちの世界に馴染んだんだろうな。


「おはようございます。」

「おはよう。」


「よく眠れましたか?」

「うん、ぐっすり。ナリアルさんは寝れた?邪魔じゃなかった?」


「大丈夫ですよ。いつもより眠れたくらいです。」

「よかった。着替えてリビング行くね。」

「そうですね。私も支度をします。」


ナリアルさんのお部屋から出て自分の部屋に行き、着替えて洗面所でいろいろやったらリビングに行く。庭で剣を振ってる人もいればのんびり紅茶を飲んでる人もいて、いつも通りの光景に安心する。


「おはようございます。」

「おはようリンちゃん。パンとサラダの準備お願いしても良い?」


「はーい。サラダはいつものでいい?」

「うん、いいよ。ありがとう」


キッチンに入ったらこれまたいつも通りご飯の準備をする。パンは残りの数を見て多いのを適当に2種類くらい出して、サラダは葉っぱを千切って今日はキューリを切って盛り付け。ちなみにキューリは胡瓜きゅうりね。今日のドレッシングはサッパリレモンで決まりです。昨日は濃い味ばっかりだったから、決定事項。


「ありがとう、もう座ってていいよ。」

「お皿持っていくね。」

「よろしくー」


テーブルにお皿を並べたらディアをもふもふ。キッチンに危険はないから、入口近くのラグで伸びてます。隣に座ってもふもふしてると、みんな集まってくる。そろったらご飯です。


「今日ここを出ていくことになった。世話になったな。」

「ありがとうございました。」


リューリーさんの怪我も治ったし、ずっとここで世話になるのも迷惑だろうと決めたらしい。こっちからしたら監視しやすいから居てもらった方がいいんだろうけど、どうするんだろう?


「このあとどーすんだ?急ぎの用でもあんのか?」

「急ぎではないが元々数日の予定だったんだ。必要な物を揃えたら昼前には出立する。こいつも俺もずっとここにいるわけにもいかないからな。」


ジゼルさんが予定を話す間、リューリーさんはずっと辛そうな顔をしてた。時折相づちをうってはいたけど、心ここにあらずって感じで心配になる。


「こっから王都まで歩くのか?」

「そうなる。来る時もそうだったし、獣人は基本体力があるから余程のことがなけりゃ1日歩ける。」


「また何かあったらいつでも来いよ」

「あぁ、ありがとう。」

「…ありがとうございます。」


その後はちょっと静かな時間がすぎ、食べ終えたら本当に2人とも出ていった。どうしたらいいんだろう?


「リンちゃん片付け手伝ってー」

「はーい」


とりあえず後片付けをしてると、メンバーが集まって話し合いをしてた。真剣な雰囲気だから大人しくフランクさんの側にいます。って思ってたらディアは話し合いに参加してた。保護者か。


「ありがとう、紅茶いれるからリビングに戻ってていいよ。」

「はーい。クッキー持って行っていい?」

「珍しいね?いいよー」

「やったー!」


甘いものが食べたくなったので、ご飯を食べたあとなのにしっとりクッキーとサクサクのジンジャークッキーを持ってリビングに行く。半分をテーブルで話し合いをしてるみんなの前にスッと置いて退散。


水魔法でボールを出してお手玉をしたり、空中で水の形を変えていろんな動物を作って遊んでいたらガイトさんに呼ばれた。待ってて正解だったみたい。


「水の扱い上手くなったよね。」

「試してたら出来るようになってたの。土はまだ苦手だけど…。」


アルダさんが膝に乗せてくれたのでそのまま大人しくしとく。


「まずジゼル達については追わずに放置だ。恐らく王都には戻らず森で待機してるはずだから、こちらが気付いていると思われたくない。そしてリンにはもう少し家にいて欲しい。ただ、カルに敷地の周りと家の結界をそれぞれ強くしてもらうから、敷地内では自由に動いていいぞ。」


「外で魔法使うのは?」

「家と畑、小屋の中なら良いが、外から見える所ではしばらく使わないでくれ。思いっきりやりたかったら地下使え。」


「ポーションは?」

「それは好きに作っていいぞ。あそこは1番安全ってくらいに頑丈に出来てるから、問題ない。外から見られる心配もほとんどないしな。」


「やった!」

「よかったね。」


ポーションが作れるなら楽しみが増える!テンション上げてたらアルダさんが頭を撫でつつほっぺを突いてきた。器用だな。


「あと、夜のローテーションはそのまま続行な。何かあった時部屋に1人大人がいればだいぶ安心だ。」

「じゃあ今日はカルダさんだね。よろしくね。」


「俺の宝物見せてあげるよー楽しみにしててね」

「たのしみ!」


「ギルドには報告済みで、リンがしばらく動けないことは担当2人にも伝わってる。すべて終わったらクッキーでも差し入れしてやってくれ、かなり心配してるみたいだから。」

「わかった、行けるようになったらお菓子持っていく。」


「んじゃ、解散。レイ付き合え、地下行くぞ」

「はいはい。」


ガイトさんとレイさんは地下の訓練場で打ち合いするみたい。双子とナリアルさんは外の結界を強くしてくれるらしいし、フランクさんは食材の買い出しに出かけるみたい。


〈ディア、久しぶりにポーション作ろう〉

〈なにか作りたい物があるのか?〉


〈んー、とりあえずはいつものやつかな。暇なら遊ぶけど〉

〈その前に畑だな〉


〈そうだね、最近あんまりちゃんと見てなかったから、お世話しなきゃ。〉


ちょっとだけ自由を取り戻したリンちゃんは、畑に行って薬草やハーブのお世話をしていっぱい採れた薬草でポーションを思う存分作るのでした。


お料理で作りたい欲は満たしていたけど、やっぱりポーション作りが大好きなリンちゃん。


次回のお話は?

【はんばーーーーぐ】

をお送りいたします。


じゃーんけーんぽん!

うふふふふふ

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