第76話 レッツクッキング

30分くらいお昼寝してスッキリしたので、お料理しまくりたいと思います。


〈ディアありがとう。〉

〈なんてことない。〉


キッチンに入ったらまずはレシピを書く。ぶり照りならぬ、ハマ照り。基本のてりやきと作り方は変わらないけど、スターチをまぶしてから焼くと崩れにくくなる。細く切ったジンジャーを一緒に煮詰めたら完成。


煮物はショユとミソの2種類。砂糖多めで甘くしても美味しい思います。


メモ3枚をフランクさんに渡したら、ジンジャークッキーとドライフルーツクッキー、ドライフルーツのパウンドケーキ作り。


とりあえずジンジャーをすり潰すんだけど、なんとジューサーみたいな魔道具が存在した。ポタージュスープ作る時とかに必要だから、どの家庭にも置いてあるらしい。そんなに高くないメジャーな魔道具だそうです。


繊維も切れていい感じになったら、砂糖を入れて煮詰めて辛みを飛ばして冷ましておく。


その間にパウンドケーキの材料を混ぜて焼いていく。砂糖少なめでブランデーを混ぜてみた。火を通すから子どもでも食べれるけど、大人向けになると思う。オーブンからいい香りがしてます。


ドライフルーツクッキーは、はちみつで甘みをつけたら厚めに切ってしっとりタイプに仕上げる。ジンジャーが冷めたらこっちは薄めに切って、ガリガリサクサクに仕上げる。ジャムつけて食べるのもいいかもしれない。


「いっぱい出来たねー。」

「お店開けちゃいそう。」


「本当にね。」

「今日の夜ご飯は何作るの?」


「この間教えてもらった、コカトリスの肉にチーズ挟んで揚げるやつを作ろうと思ってるんだ。今日も疲れて帰って来るだろうし、お肉がいっぱいあるからね。」

「やった!わたしも作る!」


「じゃあ僕は肉を切るから、チーズを挟んで味付けしてくれる?」

「はーい!」


作るのはささみチーズカツ。もも肉とかの旨みたっぷりのお肉もいいけど、淡白な味のお肉にチーズがベストマッチで美味しくて、ガリガリ感強めに揚げたのが大好き。


フランクさんがお肉をぶつ切りにして薄く開いてくれるから、私はチーズを挟んで塩コショウで下味をつけてひたすら並べていく。


山盛りのお肉ができたら、今度はバッター液からのパン粉。小麦粉と卵を別に付けてもいいんだけど、時短になるしこっちの方がガリガリになる気がするからちょっとだけ手順変更。


フランクさんがバッター液担当で私がパン粉担当。バケツリレー方式でまたお肉の山を作っていく。


「後は揚げるだけだから、サラダの盛り付けお願いしてもいい?」

「はーい。カヴォロ使って良い?」

「何でも使ってー」


カヴォロはキャベツのこと。今日安くなってたから買ってきたんだ。カツといえば千切りキャベツでしょってことで、頑張って切ります。スライサーみたいな道具もあったりするのかな?今度探してみよ。


無心でザクザク切ってたら、大きいボウルに千切りカヴォロの山ができてた。達成感。お皿に盛り付けたらトマも切って飾る。彩り大事。


ドレッシングはカツにも使えるレモンのさっぱりしたやつと、買ってきたオイルドレッシング。これは好みで使ってもらう。


とんかつソースなんて物はないので、買ってきた野菜たっぷりのこってりソースと自家製ショユソース、ミソソースの3種類を作ります。


ショユソースはお酒と砂糖を混ぜて煮詰めて、ジンジャーの搾り汁を入れてピリッとさせた。

ミソソースはお酒と砂糖とちょっとはちみつを入れて、甘み強めにしてみた。もしかしたら苦手な人もいるかもしれないけど、私はミソカツ好き。


フランクさんがひたすらお肉を揚げてる横で、色んなソースを作り待ってたら驚かれた。これもレシピが欲しいって言われたから、メモに書いて渡した。一応書いたけど、食べてみてからアレンジしてもらうことにした。みんなの好み知ってるのはフランクさんだからね。


「ただいまー腹減った!」

「ただいま帰りました。」

「帰ったよー」

「ただいま」

「ただいまー疲れたー」


「おかえり」

「おかえりなさーい」


森に行ってたみんなが帰ってきた。先にシャワーを浴びるみたいだから、その間にテーブルに出しちゃいます。スープはポトフ。ソーセージたっぷりで肉肉しい食べる系スープになってる。保管箱に入れずに置いてあったから、野菜トロトロのしみしみでとっても美味しくなってます。


「めっちゃ美味そうじゃん!」

「食べよ食べよ、腹ペコだよ」


いつも元気なガイトさんとカルダさん。みんなそろっていただきます。


「なんだこれ、うめえ。」

「チーズが入っているんですか、お酒が飲みたくなりますね。」

「持ってくるよ。」

「辛めのでお願いします」

「りょーかい」


チーズカツは大成功みたい。ソースがいっぱいあるから、みんな食べ比べしながら好みの味を探しつつお酒を飲んでる。これがいい、あっちが美味しいとわいわいやってて楽しそう。良かったです。


「ブランデーの入ってるパウンドケーキがあるけど、食後に食べる?お腹あいてる?」


「うわぁ何それ食いたい。小さめに切ってくれ。」

「僕も小さめで欲しい。」

「私はいつものサイズでお願いします。」

「俺もいつもくらい」

「俺も普通に食えるー」


ガイトさんとアルダさんは小さめで、その他の人は普通に食べるらしい。カルダさんは思いっきり食べてるのに、どこに入るんだろう。


私も小さく切ってもらって食べた。フワッとブランデーの甘い香りが鼻を抜けたけど、そこまで強くなくて食べやすい。ドライフルーツも歯ごたえがあって美味しい。


これもみんな大絶賛だったので、しばらく作りまくることになる私とフランクさん。ちゃんと甘い系だと思ったけど、お酒が入ってるしさらにお酒に合うしで人気なお菓子になりました。


ポーション作りも楽しいけど、やっぱり料理も楽しいね。


作りたい欲が満たされて大満足のリンちゃんなのでした。

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