第72話 作り、作る
お昼寝から起きてスッキリさっぱりのリンです。午前中は魔力の
午後はポーション作りをしようと思います。上級ポーションだけ味が納得できてないんだよね。魔力いっぱい必要だから2回作ったら終わりにしようと思います。
ディアと2人で小屋に移動したら薬草の処理から始める。畑から採ってそのまま保存してあるから、洗って茹でて2回分確保。水多めで作るからいつもよりちょっと多く用意した。
どうにかして不味い青汁からフルーツ青汁くらいにはしたい。
水を倍に薬草、アポとペッシュを両方入れてフルーツジュースになれと願って抽出。いつものように鑑定しながら調整して安定したらひたすらぐるぐる。
暇なので完成するまではディアとおしゃべり。
〈ねぇディア。ディアは魔力が多いんでしょ?今は抑えてるの?〉
〈抑えてはいるが、森にいても多少は調節してる。だだ漏れの状態だと魔物が寄ってこないし狩りがし難いからな。〉
〈自然にできたの?訓練とかした?〉
〈訓練はしていない。生活していく中で必要だったから自然と覚えたな。〉
さすがに人間と魔獣じゃ違うか。近くにいても魔力が漏れてるなんて感じないもんなー。
〈リンが何も感じないのは契約で繋がってるからだ。他の者は多少感じてると思うぞ。〉
ありゃ、そうなんだ。考え読まれちゃったなー。
そんなこんなで上級ポーション完成。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
名前 上級ポーション【ミックス(アポ・ペッシュ)】
特徴 欠損以外の傷に効く。
備考 痛み軽減効果があるため経口摂取推奨。(フルーツ青汁味。)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なんか備考が増えてる。鎮痛効果があるってことでよろしい?良く分かんないからみんなに任せよう。知ーらない。気付きませんでしたー。
〈悪い顔してるぞ。〉
〈してないもーん。頼れる大人に頼るだけだもーん。〉
ディアにバレたけど気にしない気にしない。上級ポーションも味はこれでいいと思うんだ。だから何が合うか試すだけ。レモンとオレンジの柑橘でいってみよう。
ポイポイ放り込んでかき混ぜれば、はい完成。ってほど早く無いけど、鑑定さんのおかげで目で見て分かるから楽ちん。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
名前 上級ポーション【オレンジミックス】
特徴 欠損以外の傷に効く。
備考 痛み軽減効果があるため経口摂取推奨。(フルーツ青汁味。)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
効果も味の表記も変わらないのか。これも完成でいいんじゃないかな?
〈かんせーい。戻ろう!〉
〈お疲れ様。〉
〈ありがとー〉
後片付けをして完成したポーションの瓶にタグを付けてカバンにしまう。ちょっと早く終わったしお菓子作りでもしようかな。フランクさんいるかな。
リビングに入ったらちょうど後片付けをしてるフランクさんがいた。夜ご飯の準備したのかな。
「フランクさんキッチン使って良い?」
「いいよ。何作るの?」
「んー。何作ろう?」
「ふははっ決めてなかったか。そうだ!良いもの見つけたんだよー、持ってくるからちょっと待っててね。」
踏み台を用意して待ってると巾着片手にルンルンのフランクさんが戻ってきた。
「リンちゃんなら使えるかなって思ったんだけど、これどう?」
巾着から出てきたのはパウンドケーキの型2つとカップケーキサイズの丸が6個繋がってる型2つ。名前が分かんないけどお菓子作りするときなあると便利なやつ。
「どっちも使える。でもベーキングパウダーが無いとケーキにはならないかな。」
「これも一緒にもらったんだけど、分かる?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
名前 膨らまし粉
特徴 膨らます効果がある。
備考 洞窟でドロップするが用途不明(こっちにケーキは無いのよね。)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「これ!これがあれば美味しいの作れる!」
ベーキングパウダーがあればパウンドケーキもホットケーキもなんでも作れるじゃん!用途不明なのは不思議だけど私は知ってるもん、作っちゃおう。
フランクさんに手伝ってもらってパウンドケーキとスコーンを焼くことにした。パウンドケーキは材料全部混ぜて型に流したら、砂糖漬けレモンを乗せて焼けば完成。
スコーンは生地を広げては畳んで、広げては畳んでを繰り返して層を作ったら、乾燥クランベリーを入れて丸型に入れて焼く。どっちも膨らまし粉があるから出来る手軽なお菓子です。
甘いの香りがキッチンを支配してるこの感じ、やっぱり好き。
焼いてる間に色々教えてもらった。エッグ(卵)はウコックと呼ばれる鶏みたいな動物がいて、そのウコックから産まれる。ミルク(牛乳)やチーズやバターはミルカウっていう動物から採れた乳で作られるんだって。少ないけど普通の動物も飼われてるらしい。
主流のお菓子はクッキーもしくはビスケットにジャムをつけた物。ちなみに、ここのビスケットはスコーンとクッキーのいいとこ取りをしたお菓子のこと。貴族の中にはチョコレートを食べる人もいるんだけど、高級な輸入菓子だから庶民は食べないし、あまり売られてない。
今日のケーキ型と膨らまし粉は行商人が売ってた不思議セットらしい。とりあえずダメ元で買ってきたって言ってたけどフランクさんナイスすぎます。
そんなこんなで焼き上がったケーキたちは、しばらく放置。置いとけば勝手にしっとりするからすごいよね。
夕食後、ポーションを報告したら呆れられてギルドに出す報告書を書かされたけど、問題なし。
ケーキはみんな大喜びだったし大満足。甘すぎず食べやすいから間食にもいいねってことでフランクさんが大量生産することに。レシピメモを書いて渡しました。よろしくお願いします。
明日は朝から外に出る予定だから、パウンドケーキとスコーンを2つずつもらった。もちろん1つはディアの分。
アレルギーがあって食べられなかったパウンドケーキやスコーン。卵や牛乳を使わないオリジナルレシピを作るために、元のレシピを何度も何度も読んでたから作り方は完璧に頭に入ってた。
ちゃんと完成したし、喜んでもらえたし、あの時頑張って良かったなって思えたよ。
昔の自分、よくがんばった!
大満足で眠りにつくリンちゃんなのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます