旧石器時代に逆行転生した俺は磨製石器で無双する

 歴史博物館の観覧中に事故に巻き込まれ、過去の時代に転生した青年、須頓 永治。

 彼の転生先は旧石器時代の小さな集落、そこに済む10歳の少年エージだった。

 現代知識で文化レベルの向上を目指すものの、知識も技術もない彼が一足飛びにできることは少ない。

 どうにか思い付いたのは、後世に生まれるはずの磨製石器を先行して作ることであった。


 磨製石器は剣などの武器に使われなかったわけではないが、狩猟において大きなアドバンテージにならない。

 主に農林業や調理、加工など生産分野や、祭具で使われることが多く、つまり磨製石器を活かすには、先立って周辺技術や文化の進歩が望まれる。

 そもそも、地域によっては旧石器時代でも貝殻を研いて釣り針を作っていた痕跡等が見られ、磨製という加工法が旧石器時代に全く存在しなかったわけではないとも考えられている。


 やはり磨製石器で現代知識無双は難しいのではないか。弓矢でも開発した方が良かったのでは?

 エージがそんな風に思い始めた頃、彼の住む集落は、近隣の敵対集落からの襲撃に遭う。

 それは毛皮がなく、斬撃への耐性を持たない敵の襲来を意味していた。

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