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あの後、HPがゼロの状態で何度か続けられ・・・ラスボスに倒された。

裸のままベッドに横になっていたら、しばらくしてから寝室の扉が開いた。




「二葉!飯!!」




「・・・回復アイテム。」




「毎日レベルアップさせてやるから!!」




ラスボスなのに、私のことをレベルアップさせてくれるらしい・・・。

それに笑いながら、のっそりと起き上がる。

起き上がったはいいけど、立ち上がれない。




「足、ガクガクする・・・!!」




ラスボスがまた大声で笑いながら、私に近付き・・・片手で抱き上げて、ダラーンとタコのように抱え寝室を出てくれた。




ダイニングテーブルの椅子ではなく、ソファーに座らせてくれる。

ダイニングテーブルの上にあったお皿とスプーンを持ってきてくれ、私はソファーで食べることに。




お皿に盛られたご飯を見る。

チャーハンだった。

それも、具沢山のあんかけチャーハンだった。




炭水化物もたんぱく質も野菜も一緒に取れるチャーハンを、ラスボスがラスボスなのに作ってくれた。




その回復アイテムを、飲むように食べていく。

あんかけだから、飲むように食べていける。




一瞬で食べ終わり、付けられていた目の前のテレビを見る。

テレビの画面は2つに分かれ、2つとも別のチャンネルの夜のニュースが映し出されている。




ラスボスを見ると、ダイニングテーブルの上にタブレットを2つ置き、1つはバラエティー、1つは音楽番組・・・それらをチラチラと見ながらあんかけチャーハンを食べている。




そして、部屋の中にはラジオの音も。




そんな中、私は食器を洗う。

それから、ラスボスの家に帰って来た時に取った夕刊、それを持ち・・・




ラスボスの隣の椅子に座った。




夕刊を広げ、読み始める。

それも、普通には読まない。

1文1文を、喋り口調で読む。




語尾に“だって”や“らしいよ”を付けるくらいだけど。




ラスボスは無言であんかけチャーハンを食べ続ける中、私は夕刊だけではなくノートパソコンも開く。




そこから、エージェントが新規開拓をした会社の名刺が見られる所を開く。

スマホで1社ずつ調べながら、会社名・設立年月日・代表者名・業種・従業員数を喋り口調で読み上げる。




ホームページに載っているその会社のことや、上場している場合は開示されている情報も。




読み上げる。




読み上げる。




喋り口調で、読み上げていく。




夜中までそんなことを繰り返し、ラスボスから“シャワー浴びてくる”の合図で終わりになった。




ラスボスの食器を片付けたり、少し部屋の掃除をしているとラスボスが一瞬でお風呂から上がってきた。




ラスボスが真剣な顔のまま、私の方を見て・・・




「先に寝る。おやすみ。」




「おやすみ~。」




そう答えると、ラスボスが寝室に入っていき扉を閉めた。




時計を見ると、深夜の2時。

私はテレビにイヤホンを差し込み、耳に付けた。

ゲームのセットをしてテレビの電源を付ける。




1時間くらいゲームをしてから、寝ることに決めた。
















1時間ゲームをした後、私もベッドへ。

ラスボスは熟睡していてピクリとも動かない。

私のスペースは開けてくれているので、そこに静かに入る。




ラスボスの身体には触れることなく、ベッドの端に寄って小さくなり寝た・・・。




明日起きたら、大きなベッドを買って貰うお願いをするのを忘れないよう、私も目を閉じた。

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