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ラスボスをどうやって攻略するのか・・・。
どうやって、攻略するのか・・・。
考えるけど、恋愛が苦手な私には分からない。
「先輩、どんな時に奥さんに倒されたと思いますか?」
隣の席の先輩に聞いてみることにした。
何か攻略法を知れるかもしれないから。
「柳川のそういうやつ、回答が難しいから!
倒されたって何!?」
「どんなやつでもオッケーです!」
「・・・悪い、下の方しか思い付かない。」
先輩が恥ずかしそうに答えたのを見ながら、1回ボールペンを回しヒヤリングシートにボールペンの先を付けた。
「いや、言わないから!!
詳しくは言わないから!!」
「教えてくださいよ!!
恋愛のゲームは苦手なんですって!!
どうやって下の方で倒すんですか!?」
「大声で言うなって・・・」
先輩が焦りながら周りを見渡し・・・
「お前だって下の方、経験あるんだろ?」
「ありますけど、自分から攻撃したことはありませんね。」
「だったら、社長に教えて貰え!」
「そんな方法もアリなんですか!?」
「最終的に倒せればいいんだろ?」
先輩にそう聞かれ、深く頷いた。
新卒採用がスタートしている担当企業数社に、次年度新卒の学生達の履歴書をメールで送り、すぐにパスワードのメールも送った。
ここで・・・今日はセーブをする。
時計を見ると、18時半。
まだまだ稼働している社内・・・。
ラスボスと約束をしたので、デスクの上を片付けていく。
「行くぞ!二葉!!」
ラスボスの声が後ろから聞こえ、振り返る。
社内の人達がラスボスと私のことを冷やかす中、立ち上がった。
「うるせーな!今日婚姻届出したんだよ!
早く帰るだろ!!」
「お先に失礼しま~す。」
ラスボスに並び、いつものように社内に挨拶をする。
多くの人達はにこやかに返事をしてくれたけど・・・一部、女子社員から明らかに睨まれていた。
「私、社内恋愛してたカップルの女子社員から、恨まれてるんですよね・・・。」
ラスボスが運転する車の中、小さな声で呟いた。
車内ではカーナビの音声案内が聞こえるくらい、それくらい小さな声で。
「知ってる。
それが原因で別れるくらいなら、いずれ別れてただろ。」
「女の先輩から、ラスボスと結婚したことによってもっと恨まれるって言われましたよ。」
「俺、ボスからラスボスになったのかよ!?」
「婚姻届出したので、ラスボスになりました!」
「どんな設定なんだよ、それ!!」
そんなラスボスの反応に笑っていたら、HPが回復してきた。
「そういえば、今日面談した子で良さそうな子いました。」
「二葉からそういう話をしてくるのは、珍しいな。
どんな感じの子だ?」
ラスボスに聞かれ、少し考える。
そして、赤信号で車を止めたラスボスを見る。
「“仁”のパーティーで、芸能事務所関係の人・・・いない?」
「・・・いる。
いきなり、名前呼ぶなよ!!!」
「なんでですか?」
「そういうのは、ベッドの上でだろ!!」
「それこそ、どういうシステムなんですか?」
「・・・後で教える!!」
ラスボスが何故か怒りながら、青信号になり車を発進させた。
そして、ラスボスの家に帰るなり・・・寝室のベッドへ、タコのようにダラーンと連行され・・・
「ラスボス・・・っ夜ご飯は!?」
「腹減った・・・?」
「お腹空きました・・・」
「俺も。たがら、二葉を食べる・・・。」
そんなことを言いながら、また一瞬でスーツや下着を脱がされ・・・そして、ラスボスも・・・。
裸のラスボスが、現れた・・・。
そこで、慌てて攻撃モードに入る。
私の身体に口を付けようとしたラスボスから、急いで距離を取った。
「・・・なんだよ、結婚もしたし性病検査もしたのに、まだ怖いのか?
ちなみに、セフレはしばらくいねーから安心しろ。」
「そうなんですか!?
現在進行形でいるって、ランチで話しました!!」
「明日朝礼で訂正しとけば大丈夫だろ!」
「明日の朝礼楽しみなんですけど!!」
ラスボスらしい訂正の仕方に笑っていると、ラスボスがベッドの上であぐらをかいた。
「結婚出来たし、やりたいんだけど。」
「ダメです!」
「はあ!?ダメなのかよ!?」
「まずは、私の攻撃からいかせてください!!」
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