第21話 職人選び ハンス 

 最後は、ハンスの番でした。ハンスは、今まで作ったオルゴールを見せるように言われると、胸の一番上のボタンを回しました。すると、そこから、かすかに賛美歌がハーモニーとなって流れ出たのです。

 宮廷大人と大蔵大臣は、まず、ボタンに見えたものが、実は、小さなオルゴールで、しかも、それから音楽が流れ出たことに、驚かされました。しかし、楽師長は、その旋律の細かさとハーモニーの正確さに驚きました。

 さらに、大臣からの質問には、ハンスは、正直に王様の求めるようなオルゴールは作ったことがないので、最初は、小さいものから順々に作り上げていき、最後に大きなものを作りたいと話しました。

 大臣たちは、それが、今までにないものを作り上げる正しい道筋だと分かっていました。結局、若くて正直そうなハンスなら、それほど使うお金もすくないだろうと考えて、大臣たちはハンスを選びました。

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