第2話 ド×ゴ×ク×ス×ダ×の大冒険のリメイク版は、なかなか、良かったんじゃないか?その設定エピソードが、考えさせられるよ。

 「あら、かわいいのねえ…。これは、企業秘密ですよ?お 2人とも?」

 見学をしていっても、かまわないという。

 その会社「ニンフ」では、どうやら、新人研修が開かれているところだった。

 「研修室」の中をそっと見る、2人。

 「あ!」

「あの子、小学生じゃね?」

 「小学生を働かせても、良いのか?」

 「日本は、めちゃくちゃだな」

 小柄な女の子が、新入社員らしき男性10名ほどを相手に、かわいらしい声を上げる。

 「はい、みなさん!にゅうしゃ、おめでとう!」

 今どきの新卒男子っていうのは、小学生にも、教育される立場なのか。

 ホワイトボードに貼り付けられたポスターを指さそうとする、その子。が、手が届かない。はるかに年上の女性に、代わった。

 「あの子、何しに出てきたんだろうな?」

 「さあ?」

 「殺されるためだけに出てきたマンガキャラにアニメキャラ、みたいだな」

 「それって、あれだろ?」

 「え?」

 「週刊少年××の、××先生の、××の、××とか」

 「やめろ」

 「そうだ」

「何だよ、クリカニワタリ?」

「ド×ゴ×ク×ス×ダ×の大冒険は、面白かったな」

 「…」

 「リメイクされる前は、注目していないアニメだったのにさ」

 「…」

 「知っているか?」

 「え?」

 「あの、マンガの中のキャラ、ポ×プは、はじめは、殺されるために生まれたキャラだったんだぞ?」

 「そうなのか?」

 「でも、生き残った。このキャラ、やっぱり使ってみませんか、みたいな」

 「…」

 「裏話、なんだけれどな」

 「…」

 「ポ×プのような弱いキャラが、ラスボスとのかけひきで、重要な働きをみせることになるとはねえ。あいつがいなければ、ダ×が練習した、ア×ン×ト×ッ×ュ×ロ×も、成功しなかった。だろ?」

 「お前、何、言ってるの?」

 ポスターには、折れ線グラフが、書かれていた。

 「皆さん?この点が、皆さんが、アニメビッグバンと呼んでいる点です。ここです、ここ! x軸と y軸が、交わりますよね?」

 すると、新卒男子たちが、次々に声を上げる。

 「ま、交わる!」

 「交わる!」

 「あなたと交わっては、ダメですか?」

 「やめろ!」

 「その言い方は、やめるんだ!」

 「ぬけがけするなよ、お前は!」

 「アニメの魔力で、いくつもの 2次元世界が、分かれていっていますよね?同じ命、同じキャラであっても、それが作る歴史は、連続したセル画のように、ビミョーに、ちがってくるんですよ?」

 難しい説明が、続く。

 「どう?」

 「どうって、何だよ?クリカニワタリ?」

 「新入社員を、見たか?」

 「ああ」

 「ああいう人たちには、なりたくないな」

 「かもな」

 研修室を出て、会社の入口に向かう 2人。

 「もう、見学はされないんですか?」

 受付にいた、 2人をスカウトしにきていた女性が、ニコッと、ほほ笑む。

 「俺たち…大学にいくことに、します」

 「え?」

 「スカウトしてくれて、ありがとうございます。でも、今回はお断りします。俺たち、勉強を、やり直したいんです」

 「そう…。それは、残念」

  2人は、高校に向かった。

 そうしたら…。

 新しい、ビッグバン。

 大学にいったら、 2人とも、謎の研修会で見たような新卒男子たちのように、なってしまったのだ。

 さらに、ビッグバン。

 シューカツ生となった2人は、いくつもの会社を回っていた。

まるで、「聖地を巡礼する者たち」。

すると、また、あのアニメ会社の女性にスカウトされてしまったのである。







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(ちょっと短い話)「聖地巡礼」のスカウト。「ド✕ゴ✕ク✕ス✕ダ✕の大冒険」で。 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935

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