第7話 ヒルマ村
アナスタシアとリュート はその後
半月ほどかけて ある村にたどり着きました
そこは 山奥の辺境の村でした。
その村はヒルマ村といい
集落も生まれて間もない新しい村でした。
実は最近、比較的大きな街から、
集団で移り住んだ人たちで作られた村で
聞けば近年に起こった戦で元々住んでた
村が巻き込まれ消滅。
一時的に大きな街に移り住んだものの
慣れない暮らしが続いて
村人全員がこの場所で 新しく 集落を
作ったとの事。
慣れない街の暮らしで 辺境の地に来たと
いうものの人間性は非常に穏やかな人達で
むしろ街の利己主義的な人間関係が
しんどくて再び 村人たちが移住した
という流れでした。
村人たちは リュート、アナスタシアを
慈悲深く歓迎して2人は喜んで この村の
住人になりました。
村には綺麗な 泉が湧いていて
温泉もありました。
村人たちが 移住先をこの地に決めたのは
泉と温泉があったからです。
街からは遠いですが以前の村が 戦火に
巻き込まれたことを考えると むしろ
このような辺境の地の方が良かったのです。
リュートは楽器を作る傍ら野菜や果物を
作り、 アナスタシアは衣服を作ったり
村で取れた野菜を加工して特産品を
作ったりしました。
特に リュートの作るアクセサリーは
非常に出来がよく、たまに街に行って売ると高く売れるものでした。
そして街で村に必要なものを買い帰るので
街が遠いことを不便と思わなければ
村での生活は快適なものでした。
リュートの楽器も村で作り売ることもあったのですが、村人自身が楽しむものにもなりました。
美しい ベルは各家庭に魔除けとして
つけられたり、
大きな鐘は村の時刻を知らせたり
ちょっとしたイベントで鳴らされたり、
美しい鐘の音色は村人を幸せにしました。
そんな 平和な日々が続き
アナスタシアとリュートに
子供が生まれました。
名前をアトラスと言います。 男の子です。
家族3人で平和な生活を楽しんでいた時 、
村にちょっとした事故が起こります。
村人にシバという男がいて、その子供が
謝って毒の実を食べてしまったのです。
その実は キルクの実と言って
見た目は グミのような見た目でした。
キルクの木は以前の村の近くにあったので 珍しくなくシバもキルクの実を
食べてはいけないことは知っていましたが ここヒルマ村には キルクの木はなく 、
たまたまシバが子供と遠出した先で
キルクの実を子供が見つけ、
つい、食べてしまったのでした。
キルクの実を食べると高熱が出て
1週間ほど続きます。
その間に死んでしまったり熱が下がっても
記憶障害や 意識障害が残ることも多い
危険な実でした。
子供はさらに危険です。
この時代にこのキルクの実を食べた時の
特効薬はなく自力で治すか死んでしまうかのどちらかでした。
シバが慌てて 村に子供を抱いて
帰ってきました。
そして 村長のラウムの家に飛び込みました
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