第4話

前回までのあらすじ。

おっさんは魔王国パンデモニウムの準男爵になっって、屋敷をもらったが、維持管理できるものがいない。ナビの勧めもあり、おっさんは奴隷を購入することにする。



「ここが、、奴隷商」


おっさんは今、奴隷商の目の前にいる。


この世界では珍しい三階建て。

堅牢で広大な石造り。。


そして、店の前にはバーゲンセールごとく、

安い奴隷が檻の中でぐったりしている。


それにしても匂うな。。


風呂に何日入っていないんだろう?


ぴこん。。

(おっさんの感想って。。)


「いらっしゃいませ」

「何か御用でしょうか?」


目の前にでぶのおっさんがやってきた。


おっさんも健康診断の値悪いけど、このおっさんも悪そうだ。


おっさん、中性脂肪1600だったんだが、

このおっさんもいい勝負しそうだ。


ぴこん。。

(おっさん、戦争じゃなくて、健康で死にそうですね)


……。。


「私はオーサンというが、」


「奴隷を探している」


おっさんが名乗ったら、奴隷商のおっさんが

びっくりしたような顔をした。


なんだなんだ?


「初めまして、オーサン卿。わたくし、しがない奴隷商を営んでおりますネイサンと申します」


「ネイサンといったか、なぜ、おっさんの名前を知っているんだ?」


こんなおっさんがおっさんの名前を知っている

とか怖すぎる。


おっさん好きのストーカーとかやばすぎる。


ぴこん。。

(おっさん、もうおっさんでもいいのでは?)


ナビ~~~~~。

まだ、諦めるには早すぎるぞ。。


ぴこん。。

(40にもなって何をおっっしゃるやら)


くそが~~~~。。

これもあの課長の。。


ぴこん。。

(( ;∀;))


「それは当然でございましょう」

「先の戦争の英雄の名前くらい、」

「そのへんの小僧でも知っておりますよ」


「へ?? そうなのか?」


おっさんはびっくりする。


なぜって?


おっさんが噂になるなんて、

きもいとか、くさいとか。。

そんなことだから。


ぐすん。。


「そうですとも、そうですとも」


ネイサンおじさんはにっこりしている。


手をもみもみしている。


「それでは、ネイサン卿」

「どのような奴隷をご所望でしょうか?」


「そうだな、屋敷の管理ができる奴隷を頼む」


「他に何か要望は?」


「そうだな。メイドを一人頼みたいが、大丈夫か?」

「メイドは近接戦闘に長けた女がいい」


「近接戦闘ですか?」


「そうだ。私は魔法職なのでね」


ぴこん。。

(おっさんは、魔法職ではなくて、)

(ぱいそん使いでは?)


似たようなものだろ。。


「分かりました。少々お待ちできますか?」


ネイサンはおっさんを個室に案内すると、


「ではそのようなものを幾人かご覧にいれましょう」


「アラン、頼むぞ」


「はい。ネイサン様」


一人のネイサンとは似つかないイケメンの

青年を読んで命令した。



◇◇◇◇◇◇



「う~~~ん?」


ぴこん。。

(おっさん、どうなのですー?)


いい奴隷いないなー。


10人ほどネイサンに奴隷を見せて

もらったけど、なかなか。。


ピンとくる奴隷がいないのだ。


おっさん心をくすぐるような奴隷が……。


ぴこん。。

(おっさん。。。)


ぴこん。。

(おっさん心をくすぐる奴隷って?)


そうだなぁ


ぼん、きゅ、ぼんで、

ふにふにしていて、


美人で、包容力があって、


金を稼いでくれて、


かわいくて、


料理ができて、、


優しくて、、、


ぴこん。。

(結婚相談所でぬしになっている女みたいですね。。)


……まあ、冗談はさておき、、


「お気に召しませんか? 卿」


「そうだな。他にはいないのか?」


「他ですか? あとは破損奴隷くらいしか……」


「破損奴隷?」


「そうです」

「体のどこかしらを欠いている奴隷ですね」


「破損奴隷か」


もしかしたら、、


ナビ。


ぴこん。。

(なんですか、きもいおっさん)


おっさん、きもくないよー。


……、そんなことよりもナビ。


おっさんは欠損奴隷を購入して、

回復魔法で健康体にしようと

思っているんだが、

できるか?


ぴこん。。

(おっさんにしては考えましたね)

(パーフェクトヒールの魔法書があれば、可能ですね)


「破損奴隷を見せてもらえるか?」


「かしこまりました。それではこちらに」


ネイサンが立ち上がって

おっさんについてくるように言う。


「こちらです」


「う。。」


ぴこん。。

(ひどいです)


ネイサンに案内された部屋に入って

おっさんはびっくりしてしまった。


檻に入った奴隷たち。


どの奴隷も欠損していて、目に光がない。


何もかも諦めている感じだ。


おっさん、この目見たことがある。


とんでもないプロジェクトに配属されて時、

週に120時間働いていた時に見た

同僚の目に見ている。


その時に見た鏡に映ったおっさんの目に

似ている。。


あの時は大変だったな。。


プロジェクトが大炎上して、


半年は週に120時間労働だった。


「ん? あの奴隷たちは?」


その時だった。。


なんか直観めいたものがおっさんの

脳みそをうちぬいたような気がした。


ぴこん。。

(おっさんの直観はあてにできませんね(^▽^)/)


ナビよ。おっさんは泣くぞ。


ぴこん。。

(おっさんの泣き顔を見たくありません)


「ああ、あのものたちですか」

「最近入荷したのですが、詳細は分からないのです」

「ただ、入荷したときにはもうすでにあの状態で……」


おっさんは一つの檻を見る。


三人の奴隷が入っている。


一人は少女、

両手足がもがれ、瞳には全く力がない。

すべてに絶望しているようだ。


すべてがくすんでいるが、

磨けば、光るのかもしれない。


一人はおっさん、

両目をつぶすように顔に傷が入っている。


両目がつぶれてはいるが、体は筋骨隆々のようだ。


一人は妖精、

両羽がちぎれている。

檻の隅でくすくす泣いている。


「購入しよう。いくらだ?」


「え? このものたちをですか?」


「いや、両手両足のかけた少女を貰おう」

「何か、問題でも?」


「……いえ、問題ありません」

「そうですね、あちらの少女は」

「10万ごるど、でございますね」


「分かった。ほい」


おっさんは10万ごるどをネイサンに渡した。


少し手が震えていたのは、

こんな大金つかったことないからだ。


おっさん、一世一代の買い物だ。


ぴこん。。

(オッサンヨカッタネ。アノショウジョカワイイヨ)

(マア、ネイサンヨリハマシカモネ)


ちが~~~~うう。


断じてちが~~~~うう。









このあとネイサンから奴隷についての注意事項を受けた。


・奴隷の衣食住を保障すること。

・奴隷の犯罪は主の犯罪であること。

・奴隷は主の所有物であること。


そして、奴隷が主に反抗できないように奴隷紋を奴隷に刻み込み、奴隷商を後にした。






















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