38. あれここに 有ったはずの草もう無いと

 あれここに 有ったはずの草もう無いと 手元に胡蝶こちょう舞ひきたる哉


 森林公園は管理が行き届いていて、夏にはちゃんと草刈りをしてくれます。真夏なので草もかなり成長が早く、先週見た時には膝丈くらいに茂っていた草が、今週はきれいに刈り取られていて、すっきりしたなあ、と思って眺めておりました。


 そこへ、ヤマトシジミでしょうか、1cmほどの薄紫の小さな蝶がたくさん、刈り取られた草の跡にひらひら飛んで来ていました。


 普段は結構草むらの中にいる蝶なので、この時はまるで蝶たちが、「ついこの間までそこにあった草、あれ、どこ行ったんだろう?」と探し回っているように見えました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る