第16話 現実と刺しちがえる
現実と刺しちがえる
不穏な詩句である。こんなことを思うのは不幸なことである。
うまく生きられない。・・・二十七歳のとき、絵画制作のために、無理に時間をつくろうとして出来た借金は借入限度額の50万円になり、もう借りられなかった。借金返済の
四十歳まえに、花粉症になった。世間で言われている花粉症は、それまで私にとっては他人ごとであったが、自分が
今、また五十八歳の私は、現実と向き合って、今度こそ、刺しちがえる状況である。現実は、常に
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