リストラされて片田舎に帰ってきたオッサン、秘境のダンジョン配信者とやらをやってみる。~未経験だから知らなかったけど、どうやら『超高難易度』な場所らしいです~
【神回】新人配信者さん、うっかり鍬でドラゴンを倒してしまう。
【神回】新人配信者さん、うっかり鍬でドラゴンを倒してしまう。
――達治と涼子が眠りに就いた頃。
ダンジョン配信界隈では二人の配信アーカイブが出回り、異様なまでの盛り上がりを見せていた。これはその中でも、比較的好意的に彼らを見ている掲示板の話。
『【神回】新人配信者さん、うっかり鍬でドラゴンを倒してしまう』
そのスレには彼らのアーカイブURLがしっかり貼られ、様々な議論がなされていた。
『これ、マジ? ヤラセとかじゃなくて?』
『見たところ合成ではないと思うけど』
その主な議題といえば、これが合成か否か、である。
何故なら普通にドラゴンを討伐しようと考えた場合、それ相応の武器というものが必要になってくるから。ダンジョンが日本に発生して以降、自衛のために多くの装備品が市販されるようになってきた。それでも殺傷能力の高いものを持つには、それなりの資格も必要だ。
ドラゴンを倒そうという集団はまず、銃や日本刀といったものを携帯する許可を申請しなければならなかった。しかし今回の状況はとにかく特殊で、住人たちも困惑の色を隠せない。
『ていうかコメント、ガン無視されてて草』
『みんな揃って「鍬はアカンて」って言ってて笑えるんだけど』
『やっぱりみんな、考えることは同じなのか……』
そんな中で、誰もが注目したのは達治の武器だった。
ダンジョン配信をする際に、農具片手に嬉々としてドラゴンに挑むなど前代未聞。それこそ何かの縛りプレイではないか、とさえ考えられる始末だった。
しかも最後の一撃に至っては、効果がなかったりしたら完全な放送事故。
だがしかし、結果的には倒しているのだから今のところ問題視はされてなかった。
『トゥイッターのトレンドにも、しれっと入ってるな』
『二回目の配信でか』
『これは、期待の新人。贔屓にいたら最高やな』
そして、達治たちの話題は掲示板以外にも波及し始めている。
世界的なSNSにも載って、一部の海外視聴者も反応を示していた。そんな人たちがみな、一様に口にするのは『誰だこいつら』というもの。その次に『これは日本のどこだ』という内容であった。
だが、それを教えられる日本人リスナーもいない。
何故なら彼らにとっても、達治と涼子の存在はあまりに突飛だったから。
『とりあえず、間違えても他の配信者が鍬でドラゴンに挑まないことを祈る』
これは、とあるリスナーの書き込み。
それに対して、誰もが大きく首を縦に振る。
その上で世界中のダンジョン配信好きが、こう思っていた。
「(この二人の次の配信は、いつだ……!?)」――と。
――――
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