第2話 ダンジョンで暮らすことにしました。



 レベル100、これは王国の戦士長クラスのレベルである。

 戦士長とは王国にも10人ほどしかいない、万の兵を率いることが許される人達だ。

 そんな人達と俺が同レベルなんて……。


 【おめでとうございます、さらにレベルが400上がりました、それに伴いレアスキルが40個開放されました】

 「え?」


 いやいやレベル500って誰もいないよ。

 神話でも聞かないぞ、俺の身体ほんとうに大丈夫かな。

 だがこのまま地上に戻るのは危険だ。

 俺にもよくわかっていない能力が沢山あるし、これが暴発でもしたら俺のレベル的に大惨事になること間違いない。

 しばらくはこのダンジョンで暮らして、自分のことを知ろう。

 幸いこのダンジョンはあんまり人が来ないことで有名だしな。

 そうして俺は当分の間このダンジョンに住む事を決めた。

 

 「とりあえず、泉はあるし飲み水には困らないな、でも食いものがないな、どうしよう」


 【食料なら、レアスキルの一つである樹海生成を使いますか?】

 「樹海生成?」

 【樹海生成とは、生命の源である生態系を作り出すスキルです、それにより木や果物、小さな虫などを作れます】


 な、なんだよそれ、もうちょっとした創造主じゃねぇかよ。

 でと食料には困ってるしやるしかないか。


 「スキル樹海生成発動!」


 スキルを発動させると、先ほどまで岩と泉しかなかった洞窟の中に苔やりんごの木、沢山の草花が生えてきた。

 そこに先ほど作った泉の水が流れ川となった。

 す、すげぇ。

 マジで生態系が作れてしまった。

 洞窟の中には光石と呼ばれる常に明るく光る石があるため、その光がいい具合に照らすことで洞窟の中がとても神秘的な空間となった。

 とりあえず住めそうだけど、家が無いな。

 あ、作ればいっか。


 「万物創造発動!」


 俺は小さな丸太小屋を作った。

 こ、これは、楽しいぞ。

 あと生き物とか作れるのかな俺って。


 【生き物ですね、それなら魔獣構築があります、これは自分で好きな魔獣を想像して作り出す力です】


 す、凄すぎる!!よし早速作ろう。

 とりあえず狼とか作ってみるか。


 「魔獣構築発動!いでよフェンリル!!」


 俺がそう唱えると洞窟内は一瞬強い光に包まれ、その光の中から1匹の白い狼が現れた。

 おー!できた、できたぞ。

 てか俺、マジで神みたいな事してないか。


 「わんわん」

 「おー、よしよし」


 作った狼は結構大きく、俺の身長を優に超え2メートル以上ある。

 この狼のレベルっていくつなんだ?

 

 「ステータスオン!」


《フェンリル、種族魔獣、レベル170、保有レアスキル3、スキルなし》


 レベル170!しかもレアスキル付きかよ。

 なんて出鱈目な魔獣なんだ。

 普通、魔獣のレベルは高くても70くらいだ、それが170ってちょっとこれもう実質戦士長2体分あるよ。

 まぁでもここなら、人目にもつかないしもっと色々試して、ある程度使いこなせるようになったら。

 地上に戻ろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る