第141話 女の鈴虫
彼と一緒に歩いてた
夜店が出てたの
鈴虫が売ってた
鳴き声がかわいいと言ったら
彼が買ってくれる
ふたつか、、。
いつもそうよね。
彼に抱かれていたら
鈴虫が鳴き出したの
その音色が私を甘く溶けさせるから
私のからだはいつもより
激しく熱くなっていったわ
彼のもうひとりのあの人
今頃、ひとりで鈴虫の音色を
そう思うと
私は彼を独り占めしてるんだわって
悪魔の囁きが
私をもっともっとと求めさせるの
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