第133話 落陽
仙台行きのフェリー
出発前の海を見てる
この海は見慣れてるから
個室にしたわ
こんな時にまで人様に気を使いたくないもの
焼き立てパン屋さんで、フランスパン。
あとはハムとパック野菜があれば
サンドイッチが作れる。
ビールと冷酒の小瓶。柿の種。
出航のアナウンス。
港を離れていくのを見る。
やっぱりね。
お風呂もあるし入ってビール飲もう。
レストランもあるけど、そんな気分じゃない。
ふと、ビールとタバコと柿の種持って
甲板に行こうと思った。
空にもやっとした月が浮いてる。
壁に持たれて体操座りで
たださ、2枚の切符を見ながら
さみしいなぁと思うんだ。
来ない事なんかわかってるのに
個室をふたつ。
柿の種のピーナツってあんまり多いとやんなっちゃう。
塩梅って言うか、相性って言うか、そんなの
あるよね。
よーし、今夜はひとつの部屋は飲み場所で
ひとつの部屋は、、、。
枕を濡らす場所かな。
潮風がなまぬるく私を抱くから。
弱くなるんだ、きっとさ。
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